2019年8月3日土曜日

明治安田生命J1リーグ 第21節 vs FC東京 プレビュー

2019年8月3日 19時00分:味の素スタジアム

予想スタメン
1週間だけのサマーブレイクを挟んで迎える明治安田生命J1リーグ 第21節 。セレッソ大阪は敵地味の素スタジアムでFC東京と対戦する。


■前回の対戦

ルヴァンカッププレーオフステージでも対戦したため、今季既に4度目の対戦となるFC東京。
ここまでは1勝1分1敗で2得点2失点と完全に五分となっている。

最初の対戦は5月25日の第13節。ホームヤンマースタジアム長居での対戦は1-0でセレッソが勝利。ここまで無敗で来ていたFC東京に初黒星をつけた試合だった。
セレッソの布陣は4-4-2。4-4-2自体は5/4の第10節から使っているが、第11節で都倉が負傷。そして第12節の大阪ダービーを挟みこの試合から奥埜が前線で起用されることになった。
一方のFC東京も久保建英が右SHで永井とディエゴ・オリヴェイラが2トップで並ぶ4-4-2。直前のルヴァンカップでチャン・ヒョンスがラフプレーを行った影響でCBは森重と渡辺が起用された。

ペナ幅で4人が守り、決してゴール前から動かない東京の4-4ブロック。
入れ替わられることを警戒して2トップは高い位置から守備をすることが無いので、セレッソは2-2でビルドアップを行う。
そしてこの試合から奥埜が前線で起用されはじめたことは最初に書いたが、同時にダブルボランチも藤田・デサバトのコンビになっている。今と同じようにこの2枚のボランチはCB前に固定されていて前へと飛び出していく場面はほとんど無く相手の2列目を引き出す役目。そこからハーフスペースのSHを起点にしてサイドを取ってクロスで勝負しようとしていた。
しかし東京のCBもゴール前から動いてしまうことは全く無いので、クロスは入れることが出来ていたがシュートまで持ち込む回数は少なかった。

ということでセレッソがフィニッシュまで持ち込むことは出来ていなかったのだが、それ以上に東京には攻撃の形を作らせていなかったので試合はどちらかといえばセレッソペースだったと言えるだろう。
東京のファーストチョイスである2トップを走らせる攻撃に対しては2CB+2ボランチの4人でケア。
さらに守備への素早い切り替えでCBからボランチへのパスコースを消してしまうことで東京の攻撃は左サイドでのボール保持攻撃がほとんど。これに対してセレッソは4-4-2の横圧縮でスペースを消してしまうので、特に右サイドが沈黙。久保がいい形でボールを持つこともほとんど無く、また室屋のオーバーラップもほとんどなかった。

セレッソが先制ゴールを決めたのは78分。これまで何度も繰り返しいれていたクロスがようやく実った形で、松田のクロスに対してブルーノ・メンデスが森重の前へと飛び出しヘディングシュート。これがネットを揺らしセレッソが先制する。
その後アディショナルタイムにはディエゴ・オリヴェイラに絶好のチャンスが巡ってくるもキム・ジンヒョンがセーブ。セレッソがそのまま逃げ切り勝利している。

そしてそこから約1ヶ月後の6/19・6/26に行われたのがルヴァンカップのプレーオフステージ。
FC東京ホームのファーストレグでは1-0でFC東京が勝利し、セレッソホームのセカンドレグは1-1の引き分けとなった。

まずファーストレグ。この試合はFC東京がほぼベストメンバーを組んだのに対し、セレッソはターンオーバー。当時怪我人続出だったボランチと、正直なかなかバックアッパーがいない右SBの3人は固定されているが、8人の選手を入れ替えている。
そして両チームのリーグ戦から変わったところを。
まずはセレッソ。ビルドアップで重要な役割を担っているボランチと右SBが変わっていないので、ビルドアップのやり方は同じ。ということで変わっていたのはその次。この試合では2トップに高木と柿谷を起用しており、藤田とデサバトが引き出す/高木が背後を狙って下げる、そして4-4の間で柿谷が受けるという役割がハッキリとわかれていた。そしてこの間で柿谷は躍動。残念ながら何度も作ったチャンスをものにできなかったので結果は残せなかったが、柿谷は今季最も良いプレーができていたのがこの試合の前半だったと思う。

一方のFC東京は久保がレアル・マドリードへと移籍したことで空いた右SHにはナ・サンホを起用。そして左SBには7月に名古屋に移籍する太田が起用されていた。
この後のリーグ戦ではナ・サンホは左SHに入ってディエゴ・オリヴェイラ、永井に続く3本目の槍となるスタイルが出来ていくのだが、この試合ではまだその前。右SHでは縦への意識がみられたものの、室屋との関係性も良くなく正直あまり機能していなかった。
一方の太田はまずまずのプレー。久保がいた時は久保が中に入る分、東は左に開いていることも多く太田が上がるスペースと時間がなかったのだが、この試合ではナ・サンホが右で開き気味の分東が中に入り太田が上がるスペースと時間があった。
という感じでこの試合でもセレッソが試合をコントロールしつつあったのだが、前半終了間際に先制したのはFC東京。それもナ・サンホの入る右サイドで、左SBの片山が室屋に食いつくという「戦術的なミス」によりナ・サンホはサイドの深い位置へと進出。この折返しを永井が決めてFC東京が先制した。

この先制点によってFC東京は下がってカウンター狙いを徹底。その結果、前半猛威を奮った柿谷が4-4の間でボールを受ける回数も激減。
そのまま東京が逃げ切った。

そしてセカンドレグ。
今度はどちらもターンオーバー。さらに東京はユ・インスが左SHに入る4-2-3-1にしていた。
試合はファーストレグを1-0で勝利していたこともあり、かなり重心を下げた戦い方を選択する。
そんな中でも先制したのはセレッソ。FK崩れの形だったが、柿谷と清武の関係でハーフスペースを攻略すると、最後はその折返しをブルーノ・メンデスが決める。
しかしその直後にごちゃごちゃっとした展開から矢島が決めて同点に。
試合はそのまま1-1で終了。セレッソは悪くない内容で試合を勧めながらも、2試合続けてワンチャンスをものにされルヴァンカッププレーオフステージ敗退となった。

■現在のFC東京

最初の対戦から約1ヶ月後にプレーオフステージ、そして今回の対戦まで約1ヶ月ということなので、東京の基本的な考え方は変わっていない。
ただし、課題としてあったのは久保がいなくなってどうするのかという部分。大森に戻すのか別の方法を取るのかというところだった。

この解決方法として出てきたのがナ・サンホの左SH起用。
先程のルヴァンカップファーストレグ、そしてその直後の第16節仙台戦では、そのまま久保の抜けた右SHで起用されたが、ここではあまり機能しなかった。
しかし第17節横浜FM戦で左SHで起用すると永井、ディエゴ・オリヴェイラに続く3本目の槍として大ハマリ。
第18節のガンバ戦でも活躍を見せこのままポジションを確保するかと思われた。
しかし第19節の川崎戦では不発。川崎のプレスを受けたことでいい形で2トップ+3本目のナ・サンホにボールを届けることが出来なかったからなのだが、槍としてプレーするためチームが前後で分断してしまうことに。ボール保持を安定する役割を担うこともできず、チームも0-3の完敗を喫してしまった。
その結果、前節清水戦では東を左SH、大森が右SHという久保建英以前の形へと変更。
この試合はアウェイで0-2と快勝した。

ということで一旦は決まりかけたものの、まだ久保がいなくなった後の形を模索中というところか。
またこの夏の移籍期間で三田が復帰しているので、三田を起用する形もあり得るだろう。

■プレビュー

FC東京の先発メンバーだが、SH以外はほぼ固定されているのでいつものメンバーが並ぶことになりそうだが、SHの東ともう1人のSHが、ナ・サンホなのか大森なのか、それとも三田なのかというところ。
対セレッソということ、さらに左SBでは小川が欠場しオ・ジェソクが入るのではないかとの情報もあることをを考えると、ボール保持の面から右SHに大森か三田の可能性が高そうか。

一方のセレッソ大阪の先発メンバーだが、基本的には固定されている11人がそのまま。変化があるとすればデサバトの先発復帰ぐらいだろう。
あとはこの2週間での状況を踏まえ、柿谷、ソウザがベンチ入りする可能性もある。

試合展開だが、おそらく今回もFC東京はあまり前から来ないだろう。
これまでの対戦からみると、長谷川監督はセレッソに対して前から行って入れ替わられることをかなり警戒している。ここでいきなりやるとは考えにくい。
となると、これまでの対戦通りお互い一発背後をちらつかせながらもほとんどの時間は相手のブロックをどう動かすかという対決になりそう。
もちろん背後は狙う、おそらく東京はその傾向がより大きいが、それ以外の時間も長くなりそうだ。
なのでセレッソとしてはポイントになるのはボランチ2人と清武でブロックの間を取れるか。それとクロスといったところか。
チャン・ヒョンスはいなくなったが中央を固める渡辺、森重の2CBも強さは十分ある。この2人を動かすことはかなり難しいが、SBまわりからチャンスを作りたい。

東京はラグビーワールドカップの関係で後半戦に怒涛のアウェイ連戦が控えているので、ここからはじまるホーム3連戦は是が非でも3連勝したいと考えているだろう。
がしかし、セレッソもそれを打ち砕くクオリティは十分備えている。実際にチャンスは作れている。あとは決めるだけだ。
ここで首位東京を叩き上位進出のきっかけにしたい。

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