2019年8月11日 18時00分:ヤンマースタジアム長居
予想スタメン |
世間ではお盆休みの中での試合となる明治安田生命J1リーグ 第22節 。本拠地ヤンマースタジアム長居でのセレッソ大阪対サガン鳥栖との一戦は普段よりも1時間早く日没前の18時キックオフで行われる。
■前回の対戦
開幕から得点が奪えず第11節から(実質的には第10節から)監督交代となった今季のサガン鳥栖。前回の対戦は新監督キン・ミョンヒ監督が正式に就任し3連勝と一気に調子を上げたところでの第14節。結果は0-1でアウェイのセレッソ大阪が勝利した。
鳥栖のシステムは4-4-2、先発メンバーはそれまで右SHで出場を続けていた松岡がトゥーロン国際大会の日本代表に選出されたため右SHに東京V時代にロティーナの下でプレーしている安在を起用。左SHにはクエンカ、2トップは金崎と豊田でトーレスは負傷のためベンチ外となっている。
一方のセレッソもベースは現在も同じ4-4-2。ただし瀬古がU-20ワールドカップに出場していたのでCBには木本。そしてボランチはデサバトと藤田のコンビとなっていた。
カレーラス前監督の時に取り組んでいた後方からのビルドアップとキン・ミョンヒ監督となり豊田が先発復帰したことで加えられたかつてのロングボールを組み合わせてボールを前進させようとする鳥栖に対してセレッソは自陣でブロックを作る形で対抗。
さらにセレッソはこのころには既にボール保持時にもボランチは前に出ていかないというやり方をとっており、それがネガトラ対策にもなっているので、鳥栖のロングボールに対してもセカンドボールはことごとくセレッソが回収。
ということで鳥栖にとってはボールを持つことはできるが運べないという状態。
一方のセレッソのボール保持については、鳥栖は前線からプレッシングを仕掛けてくるのでボランチを1枚落とすor松田が1枚残る3バック化で対抗。この3バック化に対して鳥栖はさらに3人めとしてSHを出してくるのだが、セレッソはそれをきっかけにできたスペースを使ってボールを前進。なので試合を通じてボール保持率は鳥栖が上回るが、実際にシュートまで持ち込めているのはセレッソの方が多いという展開になっていた
39分にセレッソが奪ったゴールもまさにプレスに来た鳥栖を外しての形。
松田が残る3バック化で松田に対してクエンカがアプローチに来たところで藤田にボールを預けると、食いついた2枚のボランチの背後に流し清武が前向きでボールを受けることに。そこから丸橋に展開し折返しをメンデスというパーフェクトなゴールだった。
失点後の鳥栖はかなり前がかりになるもののセレッソの守備ブロックはスペースを与えず。後半のクロス地獄も跳ね返し続けそのまま0-1でセレッソ大阪が勝利している。
■現在の鳥栖
前回のセレッソ戦の前は、「監督交代から3連勝、順位も14位まで浮上」という鳥栖だったが、セレッソ戦から3連敗。次の第17節で清水に勝利したが、そこからの4試合は2分2敗。第14節のセレッソ戦からの8試合で1勝2分5敗と再び勝てなくなり、順位は再び降格圏となる17位に低迷している。厳しいのは得点が取れなくなったこと。第17節の清水戦こそ大量4得点を奪ったが、それ以外の7試合では無得点が3試合あり合計5点。しかし失点は多く、8試合で14失点。無失点は1試合のみで1失点だったのもセレッソ戦のみ。残り6試合は全て複数失点している。
ということで苦しい状態が続いていた前節大分戦は、1週間の中断があったこともあり変化をつけてきた。
布陣を4-4-2から4-3-3へと変えたのだ。
GKは高丘から大久保へ(その後清水へ移籍)、DFラインは右から小林、パク・ジョンス、高橋秀人、原で三丸はベンチに。(高橋悠治は累積警告で出場停止)
中盤にはアンカーに松岡(6月にトップ昇格)でインサイドハーフに福田と原川。3トップの右に左利きのアン・ヨンウ、左に右利きの金崎、としてCFにはフェルナンド・トーレスを起用。
クエンカ、豊田はベンチで鹿島から期限付きで獲得した金森、全北から期限付きで獲得したチアゴ・アウベスも早速ベンチに入れていた。
もう忘れているかもしれないので念の為に言っておくと、チアゴ・アウベスは2017年開幕後に清水に加入すると直後から大活躍した悪魔の左足を持つ選手である。
カレーラス前監督がプレシーズンで使っていた形は4-3-3だった(結局うまくいかず開幕は3バック)が、当然今回の4-3-3はその時の形とは全く異なる。
非保持(守備)の形は、まずインサイドハーフが前に出て両ワイドがSHに下がる4-4-2でのプレッシング。鳥栖のベースとなるハイプレスはこの形で行われる。
この時に出てくるのは右インサイドハーフに入る福田。福田を前に出すことで1列目の強度を上げたいという狙いもあるのだろう。大分戦では同点に追いついた2点目は福田が高い位置でボールを奪ったところから始まっていた。
そしてこのプレッシングがかわされたり、出来ない場合は中盤で5人が並ぶ4-5-1でセットする。
ボールを奪った後は基本は縦に速く攻めようとする。そして両サイドが逆足になっていることからもわかるように、アン・ヨンウ、金崎ともに中央に入ってくることも多く、攻撃のスピードに乗った形であればトーレスと両サイドの3人で一気に攻めきる。
ここで止められて時間がかかると、中に入った両サイドが空けた外側にSBが上がってくる。
この4-3-3は対大分のプランなのかどうかはわからないが、この形で連敗をストップしている。
■プレビュー
セレッソ大阪の先発メンバーだが、前節は3-0の大敗となったが前半の内容などを考えるとおそらく前節と同じ11人が並びそう。柿谷、ソウザらはベンチからのスタートになるだろう。一方のサガン鳥栖の先発メンバーだが、4-4-2に戻すのか、4-3-3を継続するのかというところだが、前節3試合ぶりの勝ち点を取ったということもあり、おそらく4-3-3となるのではないだろうか。
高橋悠治は引き続き出場停止となるのでフィールドメンバーは同じ10人。変わるのはGKだけで、清水に移籍した大久保に代わり高丘が先発復帰となるだろう。
ということで試合のポイントになるのはまずは鳥栖のプレスとセレッソのプレス回避。
セレッソは今のやり方を行う以上、鳥栖のプレスは回避しなければいけない。行けばピンチになるからいけなくなるという展開が理想だ。
気温も高くなり厳しいコンディションとなるが、ポジションを守り冷静にボールを繋いで背後を狙いたい。
また鳥栖がブロックを作る展開となっても同様。そうなった時もどれだけ背後を狙えるか。
得点を重ねるにはボールが出る・出ないにかかわらず背後を狙い続けることが必要だ。
そしてもう1つは90分間試合をコントロールし続けること。
基本的にはリスクを犯さずブロックを作るからこそそうなってしまう面もあるのだろうが、コントロールができなくなる試合が目立つようになっている。
より強いチーム、良いチームになるにはここをもう1つ進化させたい。
もう連敗するわけにはいかない。
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