2019年8月31日土曜日

明治安田生命J1リーグ 第25節 vs 川崎フロンターレ プレビュー

2019年9月1日 18時00分:ヤンマースタジアム長居

予想スタメン
明治安田生命J1リーグ 第25節、セレッソ大阪は本拠地ヤンマースタジアム長居で2連覇中の川崎フロンターレと対戦。前節の勝利で今季4度目の連勝を飾ったセレッソが今季初の3連勝を目指す一戦となる。


■前回の対戦

前回の対戦は4月5日行われた第6節。敵地等々力陸上競技場で行われ、前半22分に柿谷のゴールでセレッソが先制するも、後半早々の49分に知念のゴールで同点に。その後は両者ゴールネットを揺らすことはできず、1-1の引き分けに終わっている。
第6節対戦時のスタメン
川崎の布陣はいつもの4-2-3-1。小林がコンディションの問題で、レアンドロ・ダミアンがチームはなかなかチームにフィットできないという状況でどちらもベンチスタートとなり1トップには知念が起用されていた。
一方のセレッソは3-4-2-1。この時期のセレッソは3-4-2-1をベースとして戦っており、この試合でも直近の仙台戦から入れ替わった選手は負傷離脱から復帰したデサバト1人のみと当時の定番のメンバーだった。
ただ1つ違っていたのは左右のシャドゥ。これまでは右に柿谷、左に清武という並びになっていたがこの試合では左右を入れ替えていた。

試合が始まると左右入れ替えたシャドゥが早速効果を発揮する。
都倉がDFラインを引っ張りソウザがボランチを引き出したDFとMFの間のスペースに入る柿谷に丸橋から斜めのパスが入ると柿谷はターン。フリーで前を向いた柿谷が踏み込んで狙ったミドルシュートがそのままゴールネットを揺らしセレッソが先制点を挙げた。
この先制点を含めて前半はセレッソが試合をコントロールしていた。
特徴的だったのが非保持の場面で、セレッソはまず1トップ2シャドゥの3人で川崎のDFラインに対してアプローチをかける。これはボールを奪いに行くというよりも攻撃を遅らせるためのもので、これで川崎の攻撃のスピードを落とすと自陣で5-4-1のブロックを組み中を閉める。
さらに1トップの都倉はボランチ番になっており、川崎がサイドチェンジをしようとしても必ずCBを経由し、さらにそこにシャドゥも出てくることで隣のポジションの選手に1つづつボールを繋いでいくステーションパスでしかサイドを変えられないようにしていた。
この時期はまだチームの形も発展途上で勝てていなかった頃なのだが、こうして改めて振り返ると、フォーメーション自体は変わっているもののやろうとしていることなどで今のチームとの共通点はいくつもある。

こうして前半はセレッソが支配していた試合だったが、後半に入ると川崎がペースを握る。
前への圧力を増す川崎に対してセレッソはどうしてもブロックが下がってしまう。そこを使ったのが知念の同点ゴール。田中碧が前に出てきたところで家長からのクロスを胸で知念にパス。このボールでヨニッチは知念と入れ替わる形になってしまいゴールネットを揺らした。
その後も前への圧力を強める川崎に対してセレッソはラインが下がる。さらに時間の経過と共にスライドも遅れるようになり、奈良から鋭い縦パスで最初は知念、次に途中出場の小林がGKと1対1の状況になるもキム・ジンヒョンがセーブ。
終盤はセレッソもカウンターで川崎陣内に運ぶ回数もあったが追加点は決められず1-1で試合終了。
2017年以降の川崎戦は5勝1敗1分に。対川崎の連勝は4でストップしたが、負けなし記録は5に伸びた。

■現在の川崎フロンターレ

2017年、2018年とシーズン後半の追い上げでJリーグ2連覇中の川崎フロンターレ。
今年も例年通り序盤は勝ち点を重ねられなかったが「どうせ後半戦になればまた順位を上げてくるんだろ?」という見方も強かったと思うが第24節終了時点で首位FC東京と勝ち点差8の4位。2位鹿島とも勝ち点差4。後半戦に勝ち点を積み重ねるどころか直近5試合の結果が3分2敗と未勝利に終わっている。さらに悩ましいのはこの5試合の対戦相手が広島(8位)、松本(16位)、名古屋(10位)、仙台(14位)、清水(12位)と上位チームが1つも無いこと(カッコ内は対戦時の順位)。川崎にとっては取りこぼしとも言える試合が続いており、3連覇に黄色信号が点灯しているといえるだろう。

試合にすれば5試合、日数にすれば7月27日の第20節大分戦を最後に1ヶ月以上リーグ戦での勝利から遠ざかっている川崎だがその要因となっているのは失点が増えていることだろう。
この5試合でグリーンシートは松本戦の1試合のみ。その他の4試合は全て複数失点でなんと合計10失点。
流石にこれでは厳しい。

しかしこの5試合でもボール支配率はここまでのチーム平均55.7%をを上回る61%。パス数でもリーグ最多となるここまでの平均パス数663.3本/試合を上回る756本/試合を記録。
シュート数もここまでの平均と同じ14本を記録しており、被シュート数9本/試合もこれまでとは変わらない。
さらにアタッキングサードプレー数、敵陣30mプレー数は増えており、ペナルティエリア内プレー数もほぼ同数である。

こういうスタッツを見ると、ではボールを持ちながら、攻め込みながらもカウンターでやられているのか?と感じるかもしれないがそんなことは全く無く、この5試合でカウンターで失点したのは清水戦の2失点目ぐらい。それもショートカウンターだったので攻め込んでのカウンターという失点は実は1つも無い。
直近5試合、10失点の内訳は
CKからが2、FKから1、FK直接が1、クロスからが2、中央突破からが2、ロングボールでのDFライン裏一発が1、ショートカウンターが1。
セットプレーからの失点が多いがその他はまんべんなく失点している。
夏場になると失点はどうしても増えるし、それでも川崎はセレッソと並びリーグ最少失点のチームの1つ。
しかし直近5試合では背後を取られたり、間で受けられたりする場面も多く、またDFラインでのミスも目立っている。

ではなぜそれが先程のスタッツになっているのかというと、0-0だった松本戦を除くと全ての試合でビハインドの状況に陥っているから。その結果終盤にリスクをかけてでも押し込む。なのでボール支配率やパス数、前線でのプレー数は増えるのだが、結果にはつながらないということなのだ。

ちなみに今季のセレッソは失点した試合で勝利したのは先日のマリノス戦が初めて、つまり今季一度も逆転勝ちがないのだが、川崎も同じく逆転勝ちの無いチームの1つ。同点に追いつくことはあるものの、逆転まで持っていったことは無い。

■プレビュー

セレッソ大阪の予想先発メンバーだが、試合前日に清武の負傷離脱を発表。今季ここまでリーグ戦全試合に先発し、攻撃を牽引してきただけにこの離脱は非常に痛い。
また戦力としてはもちろんだが、ここ数年は怪我による離脱が続いていたので、チームとしても時間や強度を上手くコントロールし、ここまではそれが上手くいっていただけに悔しい離脱となってしまった。
代わりに入るのは田中亜土夢が第一候補となるだろうが、左SHはSHでありながらボール保持では中央に入っていくプレーが求められている。前回対戦時のプレーを思い出すと柿谷の起用も可能性が0では無いだろう。

一方の川崎フロンターレの予想先発メンバーだが、結果が出ていないことに加え、奈良、大島、登里、さらには前節途中に齋藤学も負傷してしまったこともあり、選手を入れ替えながら戦っている感がある。
ただ、齋藤学を先発起用した前節の様にサイドにドリブラーを入れることで攻撃を活性化させようとしているので、今節は長谷川が出てくるという情報もある。そして1トップには前節得点を決めたレアンドロ・ダミアンが入りそうだ。

試合のポイントとなるのは先制点と後半の振る舞い。
奢っているわけではないが、今のセレッソの戦い方だとおそらく前半はここまでの試合と同様にトランジションの機会を減らし、試合をコントロールすることができるだろう。
川崎は5試合勝利なしとはいえ、前半からそれでもリスクをかけてトランジション勝負に持ち込むようなことはしないはずだ。
となるとその前半に先制をしておきたい。ボランチを上げずにボールを保持し背後を狙うことが徹底できれば、攻撃に厚みを作ることができるので、十分チャンスはある。
がしかし、そうなると後半の川崎はかなり前への圧力をかけてくる。
これまでの試合でもそういった展開が続いているが、川崎の前への圧力は他のチームをより上回る。
その中でセレッソはどのように振る舞うか。
前節同様に木本や奥埜のポジションはもちろんだが、ラインを下げすぎないようにどうするのかがポイントとなるだろう。

上位争いに付いていくためにも、そして今季初の3連勝で勝ち点3の獲得。対川崎の無敗記録を伸ばしたい。


1 件のコメント :

  1. 正念場ですね。
    昨年のように個人任せの攻撃で清武のアイデアが無ければ手詰まりといった感じでなく、今季は組織としてオーガナイズされた上で清武の活かし方をという感じなので大崩れはない気もしますが。
    清武の使い方難しいですね。まだベテランという年齢でもなくテクニックは超一級品、しかし怪我でシーズンを通して戦えない可能性も高い。
    俯瞰で見れるようなゲームメイカーはなかなかおらずどこのチームも欲しがる素材。即戦力をバックアッパーとして獲得するのは難しい。セレッソの下部にはそういうタイプはなかなか育って来ないので外からですかね。
    個人的には丸岡や西本のコンバートか、以前、現広島の森島司と共に練習参加もしていた、前橋育英で選手権準優勝ののちインゴルシュタットから新潟に移籍して出場機会を失いつついる渡邊凌磨を獲って再生してほしい。

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