2021年10月24日 19時00分:ヨドコウ桜スタジアム
予想スタメン |
国際AマッチウィークとACL出場チームの日程前倒しの影響でリーグ戦としては3週間ぶり、公式戦としてもおよそ2週間ぶりの試合となる明治安田生命J1リーグ第33節。セレッソ大阪は本拠地ヨドコウ桜スタジアムに横浜F・マリノスを迎えての一戦となる。
■前回の対戦
前回の対戦は4月6日に行われた第8節。日産スタジアムで行われた一戦は1-0で敗戦。
横浜FMに2011年8月24日以来3513日ぶりの黒星を喫している。
前回対戦時のスターティングメンバー |
両チームのスターティングメンバーは上記。
当時の横浜FMの監督はまだアンジェ・ポステコグルー。この試合は火曜日に行われたこともあり中2日での連戦となった横浜FMは前節から数人の選手を入れ替えているが、マルコス・ジュニオールは怪我で離脱中だった。
一方のセレッソ大阪は、前節の鳥栖戦が金曜日だったので中3日。ただし試合前日に新型コロナウイルス感染判定の陽性者が出たため、丸橋祐介、瀬古歩夢、大久保嘉人、松井謙弥がメンバー外。さらにクルピ監督も濃厚接触疑い者としてベンチから外れ現監督の小菊昭雄コーチ(当時)が指揮をとることに。また坂元達裕と原川力は怪我で離脱中だった。
試合展開としては横浜FMが圧倒的にボールを保持する形で試合が進む。
横浜FMのコンセプトとしてはボールを保持しながらできるだけ敵陣でプレーする時間を長くしようとすること。
縦にガンガンボールを付け、失ったらそこから即時奪回のハイプレスをしかける。そうなるとどんどんプレーのテンポは速くなるが、それこそが横浜FMのリズムでもある。ただ、今シーズンに入ってからはそこまで無理をしてスピードを上げることは少なくなり、相手を見てサッカーをするようになりつつあった。
そんな横浜FMに対してセレッソは4-4-2のブロックで対抗しようとする。
しかしセレッソはボールを奪い返しても横浜FMのプレスを外すようなボールを保持する仕組み、ボールを運ぶ仕組みは無く、かといってロングカウンターで勝負できるFWもいない。
なのでやり方としては高い位置でボールを奪い返してのショートカウンターぐらいしかないのだが、そうなると試合全体のリズムもどうしても速くなってしまう。
試合序盤のセレッソは何とか両SBを早いタイミングで前に出し、横浜FMの3トップの背後に立たせることで何とかしようとする姿勢が伺えたが、時間の経過とともにその前に出したSBの背後を狙われるようになり、横浜FMが圧倒的にペースを掴むようになっていった。
何とかセレッソも無理をしないことで0-0のままで試合を進めることには成功したが、後半も半分をすぎた頃から試合は徐々にオープンに。そうなってからはセレッソも清武の個人技を中心にチャンスを作り始めるが、横浜FMはオナイウ阿道、水沼宏太と、速くなっていく試合のスピードに対応できる選手を投入すると、試合終了間際の87分にCKからのこぼれ球をオナイウ阿道が詰めてついにゴール。
この試合を通じて40本ものクロスを入れられながらも、セレッソは跳ね返すことができていたが、最後の最後についにゴールを割られてしまった。
■現在の横浜F・マリノス
アンジェ・ポステコグルーがセルティックの監督に就任し、松永英機氏をはさみ現在はケヴィン・マスカット監督が率いている横浜F・マリノス。
大きなくくりとしては同じスタイルといえるが、ちょっと違いもあるなとも感じている。
横浜FMはもともとが敵陣制圧型、敵陣にボールがある時間をできるだけ長くするという戦い方をしていたが、それだとトランジションにかかる負担があまりにも大きくもったいない勝ち点の落とし方をしてしまうこともあるからなのか、今季前半戦は少しずつこれまでよりもトランジションに頼らない、少しずつ相手を見て試合をコントロールする時間を伸ばすような形に変化していっている印象をもっていた。
個人的には当時これをかなりポジティブに捉えていて、そうなると爆発的な得点力を発揮する試合は減ることになるだろうが、戦い方の幅が広がることでより結果を残すことが出来るチームになるのではないかと感じていた。
しかしケヴィン・マスカット監督就任以降は、その傾向は低下。より縦に速く、より敵陣に。どちらかといえば相手より自分というチームになってきている印象を持っている。
直近の数試合を見てもそれを感じさせる試合が続いている。
もちろん監督が変わったので戦い方に変化があるのは当然だろう。
例えば第30節の横浜FC戦では5-4-1で守りロングカウンターを狙う横浜FCに対しても愚直に敵陣制圧を目指していたし、第31節の湘南戦では5バックで後ろのレーンを埋め、前線の3-2で2CBと2CHのビルドアップ隊に対してプレスをかけられたことで苦戦。そして前節第32節の札幌戦ではマンツーマンの札幌に対してトランジションゲームを挑んで苦戦している。
とはいえそんな中でも、湘南戦、札幌戦では勝ちきっているところが横浜FMの強さとも言える。
消耗の激しい速いテンポの試合になっても、どんどん前線のタレントを入れ替えることができるので、最後まで圧力を下げずに戦い勝ち切ることが出来るのだ。
ただ、前節札幌戦の試合後のコメントでマスカット監督が「札幌に2点目を取られていたらもっと難しい試合になっていた」と語っているように「結果的に上手くいった感」があるのも否めない。
それが裏目に出たのが第29節の名古屋戦ではないかと感じていて、失点シーン自体はどちらも崩されたわけでも無いところからだったが、先制点前後の時間帯では押し込もうとする横浜FMに対して名古屋はサイドを使って比較的かんたんにボールを運ぶことができていたし、失点後は名古屋が消しているスペースに対して闇雲に縦パスをつけるような場面も目立っていた。
そして2失点を喫したことで1点は返したものの届かなかったという試合になってしまっていた。
■予想スタメン
セレッソ大阪の予想スタメンだが、セレッソはこの試合の後に中2日で天皇杯準々決勝、ルヴァンカップ決勝という名古屋との連戦が待っている。
そしてこの3試合をすべて同じスタメンで挑むことはちょっとむずかしい。なのでどこかで誰かを休ませたいということになるのだが、それをどの試合で決断するのかが大きなポイントだろう。
ただ、リーグ戦直近5試合の成績をみると1勝4敗とかなり厳しい結果。
となるとこの試合で入れ替えるのは難しいか。またルヴァンカップ準決勝セカンドレグで復帰した清武と乾の併用もこの試合では見送る可能性もあるのではないかと思っている。
横浜F・マリノスの予想スタメンだが、こちらは次の試合が10日後なので特に日程面で考慮する必要は無い。ただし、この試合ではマルコス・ジュニオールが累積警告で出場停止。さらにはマルコス・ジュニオール不在時に同じポジションに入ることが多い天野純も札幌戦で負傷しており、まだ別メニュー調整中との情報もある。
となるとトップ下に入るのは渡辺皓太か。またCFには前節同点ゴールを決めた杉本健勇が入るのではないかとの情報もある。
■プレスとブロックを使い分けろ
この試合でセレッソがまず狙いたいのは横浜FMのビルドアップに対して制限をかけること。
マスカット監督になってからの横浜FMは2CBと2CHでビルドアップを行い、SBは高い位置でWGのサポートに入ることが多い。
なので大切なのはセレッソの2トップのポジショニング。ここで上手く制限をかけることができるかどうかが重要になる。
そして横浜FMはサイドからボールを運ぶこともあるが、基本的に優先順位の1番手はハーフスペースへのクサビのパス。
ルヴァンカップのセカンドレグではSHを絞らせることでここを閉めてみせたが、同じやり方でもいいし、別のやり方でもいいのでここを最大限ケアしたい。
間受けの名人マルコス・ジュニオールが不在なので、4-4のブロックできっちり中を閉めれば対応できる可能性は十分ある。
そして横浜FMはスムーズにボールを運べないと前線の選手は前に行きたがるので間延び傾向になることも多い。そうなっても相手がそれに乗ってくれば打ち合いを制する自信があるからだろう。
なのでセレッソとしてはそれには乗らないこと。
間延びするということはスペースがあるということ。そこにボールを逃しながら試合をコントロールすること。
これは2017年から2020年まで対横浜FM戦で9勝1分と圧倒的に勝ってきたやり方でもある。
前回の対戦でおよそ10年ぶりの敗戦を喫した訳だが、前回対戦時のチームは2017年以降のチームがたどってきた流れとは別のところにいたチーム。小菊監督が正式に就任し2017年以降の流れを取り戻した今なら、勝ち点3を奪うチャンスは十分ある。
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