2021年10月2日土曜日

明治安田生命J1リーグ第31節 VS. 大分トリニータ プレビュー

 2021年10月3日 16時00分:昭和電工ドーム大分

予想スタメン

久しぶりに1週間のインターバルがあり迎える明治安田生命J1リーグ第10節。セレッソ大阪は敵地昭和電工ドーム大分で大分トリニータと対戦する。

 

■前回の対戦

前回の対戦は3月17日に行われた第5節、本拠地ヤンマースタジアムで行われ1-0でセレッソ大阪が勝利している。

前回対戦時のスターティングメンバー

両チームのスターティングメンバーは上記。

直近2試合で清水、横浜FCに連勝していたセレッソは4試合続けて同じスターティングメンバー。開幕直後のクルピ体制では「(前の試合で圧倒されたなどの)結果が出ない」か、「レギュラー組のコンディションに問題があるか」のどちらかでしか選手の入れ替えは行わない。

一方の大分は前節から9人を入れ替え。残ったのはGKの高木駿とCHの下田北斗だけという大胆な入れ替えだが、ここまで3試合しか戦っていない(セレッソは前倒しで先に戦っていた試合が1試合、さらに大分はG大阪戦がG大阪の新型コロナウイルスクラスター発生により1試合延期になっていたので2試合の差があった)にも関わらず19人の選手を先発起用しているように、選手を入れ替えながら戦っていたのでそこまで珍しいことでもない。

そしてこういう戦い方になるのは今季は開幕前に大幅に選手が入れ替わった影響もあるのだろう。


この試合は大分がやりたいことを出来ているわけではなさそうだったが、大分にとって狙った展開で試合が進むという不思議な試合だった。


過去2年間以上にできるだけ前から守備をしたいという意思を見せている今季の大分。

5-4-1でセットしてセレッソのSBとCHに対してCHと両シャドゥの中盤4人が迎撃的にアプローチをかける形を取る。

しかしこれに対してセレッソは原川や清武が降りてSBを上げるという形で守備の基準点となる人を動かす。その結果セレッソは最終ラインから5と4の間に降りてきた大久保に最終ラインからクサビを入れることができていたので、大分の前からの守備はあまり機能せず。

結局は撤退気味で守る場面が増えた。

しかしセレッソはこの大分の5-4-1撤退守備は崩せない。5-4-1はかなり守備に人数をかける形なので、ただただ縦にボールを付けるだけでは崩しきれなかった。


一方で大分は撤退守備からの疑似カウンターというのが昨季までの得意技なのだが、選手が大幅に入れ替わった影響なのかビルドアップがうまく行かないため、疑似カウンターの形をつくることが出来ない。

降りてきたシャドゥがビルドアップの出口になったりするものの結局同サイドでしかボールを運べず、結局は圧縮されてしまいチャンスらしいチャンスは作れないままだった。


そこで後半になるとセレッソはオープンな展開に持っていくことを決断。

大分も半分は少しそれに乗ったような形になりボールは行ったり来たりする展開になるが、両チームとも得点はおろかにシュートまで持っていく場面が全くなかった。


後半最初に動いたのは大分。大分とすれば0-0のまま進めてどこかで勝負をかけるというプランはあったと思う。内容的には準備したものを発揮できているとは言い難かったが、展開的には望んだ展開だった。

しかしそれでも試合は動かず。このまま0-0で試合終了になるかと思われた試合終了間際の87分。クロスからのこぼれ球を拾った坂元が、目が覚めるほど強烈なシュートを突き刺しゴール。これが決勝点となる。

セレッソとしては力づくで相手のペナルティエリア周辺までボールを運んでいるものの攻撃の形をつくることができていたわけではないのでラッキーといえばラッキー。一方で後ろで守る大分にとってはもうどうしようも無いスーパーゴールだった。


■現在の大分トリニータ

5勝6分19敗で19位に沈む大分トリニータ。過去2年間の大分は予算規模を考えるとセンセーショナルと言っていいほどの戦いを見せてきたが、今季はかなり厳しい戦いを強いられている。

その要因の1つは間違いなく多くの選手がチームを去ったことだろう。

開幕前に小塚和季(川崎F)、島川敏郎(鳥栖)、鈴木義宜(清水)、田中達也(浦和)、岩田智輝(横浜FM)渡大生(福岡)と6人もの主力選手が他のJ1クラブに移籍してしまうと流石に厳しい。


そして前回のプレビュー/レビューでも触れたが、これだけ多くの選手が入れ替わったことで昨季までとは少し戦い方が変わった。もちろん過去2シーズンの活躍から相手に研究された部分もあるが、それ以上に新しい選手ではそのまま過去2年間の戦い方を続けられないという要素の方が高かったのではないかと思われる。


変わった部分を具体的にいえば、ボール保持ではダイレクトに縦にボールを付ける様になった。

過去2年間の大分といえば特徴的だったのが疑似カウンター。低い位置でボールを保持することで相手を呼び込み、それを立ち位置とボールの動かし方で外し、前線にボールを届けたときには既にチャンス。スペースと時間をボールと共に届けるお手本のようなスタイルで、FWはほとんどボールに触らないのだが、触ったときにはもうチャンスになっているという場面が多かった。

しかし今は自陣でボールを動かしながら相手の守備を外せないので、シャドゥが降りてきたり、後ろからトップにクサビを入れたりする場面が増えている。


となるとこれまでの様に相手を引き込むメリットがあまり無い。

その結果昨季までに比べると高い位置で守備をしようとしているのだが、前から守備をするには最終ラインの強度が厳しい。前から守備をするということは守るエリアが広くなるということ。となれば引いて守るよりも選手1人1人により強い守備強度が求められるのだが、それがなかなか確保できていないのが現状。高さと強さのあるブラジル国籍のエンリケ・トレヴィザンが合流してからはなんとか彼を3バックの中央においてとなっているが、彼1人ではまだまだ厳しい。


なので、これまでの大分が挙げている5勝は全て同じようなパターンで、何とかうまく先制し、その後は相手の猛攻を守備ブロックを下げて守り切るという形。

5勝全てが先制しており、5勝全てが前半終了時点でリードしている試合。逆転勝ちは1つも無い。

しかし先制すれば滅法強いというわけではなく、先制した試合10試合に対して5勝1分4敗。半分は追いつかれたり逆転されたりしている。


そしてこの5勝のうち4勝はホーム昭和電工ドーム大分でのもの。(アウェイで勝ったのはニッパツ三ツ沢球技場での横浜FC戦)

このあたりはホームでサポーターの前でという効果があるのかもしれない。


ただ、大分はこの厳しい現状を受けて夏の移籍期間に4人もの選手を獲得。内3人は呉屋大翔(柏から)、梅崎司(湘南から)、増山朝陽(神戸から)とJ1クラブからだと考えると大分にとってはかなり積極的な補強だと言える。


■予想スタメン

大分トリニータの予想スタメンだが、1週間ぶりの試合で次の試合までも時間があるということでベースとなる後ろの選手は代えないだろう。

変化をつけるとすれば前線。前節の呉屋を1トップに起用し長沢をシャドゥに置く形は、個人的には長沢は高さはあるものの後ろ向きでプレーするより前向きでプレーしたほうが良さが出る選手だと思っているので悪くはないアイデアだと思うが、最終的に敗れてしまったのでどうするか。

やはり長沢を1トップに戻して、渡邉新太や野村直輝らと組ませるだろうかか。また欠場や途中出場が続いている町田也真人のコンディションも気になるところではある。


一方のセレッソ大阪の予想スタメンだが、こちらは久々に1週間ぶりの試合ではあるものの、次は中2日で水曜日に埼玉でルヴァンカップ準決勝のファーストレグがある。

そして前節は乾が負傷交代。清武もまだ間に合わないので、そう考えるとこの試合でDFラインを入れ替える可能性もある。戦い方的にも浦和戦よりも真っ直ぐに前に当ててくる大分の方がチアゴの強みを出しやすいが、そのあたりをどう判断するかだろう。

FWはオーストラリア代表に選出されたアダム・タガートがルヴァンカップでは起用できないので、この試合で先発する可能性が高いと思われる。


■大分のCH周りをねらえ

先にも書いたが、大分は先制しその後粘り強く守り切るというのが唯一の勝ちパターン。なのでセレッソとしては絶対に先制は許したくない。

また万が一先制されたとしても、そこでまだ時間があると落ち着かずにブロックを下げて守りを固めるまえにどんどん攻め込んで行きたい。


そんな中で狙いたいのは大分のCH周り。

大分は前から守りたいというチームになってきたので比較的シャドゥも中央に入って前から守備をしようとするようになった。そうなれば狙いたいのはCHの脇。SBには比較的時間があると思われるので、SBから斜めのパスで内側を使いたい。

またボールを取りに来た際のCHの後ろを使うのも効果的だろう。

そうなれば縦関係になる2トップも効果的にプレーできるはずだ。


もしこれで先制することができたり、0-0のまま試合が推移していくならセレッソは何も慌てる必要はない。今のチームは試合をコントロールするといいながらもやたらとオープンにしたがる傾向はあるが、オープンにすることのメリットなんてほとんど無い。


大分トリニータは横浜FCが勝利したことでこの試合で引き分け以上の結果を掴まなければ最下位となる。

なのでこの試合では立ち上がりは積極的に前に出てくることが予想されるので、セレッソとしては逆に裏返すチャンス。

CH周りから3バックの両脇を使って3バックを動かし先制するチャンスは十分ある。




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