2020年11月23日月曜日

11/21 明治安田生命J1リーグ第28節 VS. サンフレッチェ広島 @ ヤンマースタジアム長居


スタジアムヤンマースタジアム長居主審佐藤 隆治
入場者数6,625人副審山内 宏志、三原 純
天候 / 気温 / 湿度晴 / 14.7℃ / 46%第4の審判員谷本 涼

セレッソ大阪C大阪

 

サンフレッチェ広島広島

 
  • 監督
  • ロティーナ
 
  • 監督
  • 城福 浩

新型コロナウイルス感染予防対策のため、制限付き(入場可能数の「50%以下」又は
入場可能数が「20
000 人以上のスタジアムは30%程度からの段階的な緩和」)での試合開催

※入場可能数や適用時期は主管クラブが決定



<監督コメント>


<選手コメント>


試合前日からロティーナ監督が今季限りで退任するという報道が各社から相次ぎ出てくる中で迎えた明治安田生命J1リーグ第28節。本拠地ヤンマースタジアム長居でのセレッソ大阪対サンフレッチェ広島の一戦は0-1で敗戦。今季3度目の連敗を喫し、4試合続けて勝利から遠ざかることとなった。

■メンバー

セレッソ大阪の先発メンバーは前節から3人入れ替え。奥埜、デサバト、丸橋が外れ、都倉、瀬古、片山を起用。都倉はFW、瀬古はCB、片山は左SBに入り、前節はCBだった木本がCHに入った。
外れた3人の内、奥埜と丸橋はベンチスタート。またベンチでは丸橋、小池と左SBが2人入っているにも関わらず、デサバト、柿谷が外れているのでこの2人に関してはコンディション面での何かトラブルがあった可能性もある。
都倉の起用については広島対策という部分が大きいだろう。広島はハイプレスを仕掛けてくることが十分予想されるので長いボールを使うことを踏まえての選択だと思われる。

サンフレッチェ広島はプレビューでの予想通りの11人。中2日での連戦だった前節からは5人が代わっているが、前々節とは同じ11人が並んでいる。
ベンチメンバーも7人中6人は前々節と同じだが、3種年代にRIP ACEで藤尾翔太とともにプレーしていた土肥が外れ、柴崎が10/14の第22節以来となるベンチ入りとなった。

■ロティーナ就任後ワーストの前半

試合終了後のフラッシュインタビューでも会見でもロティーナ監督が「私がセレッソに来てからワーストな前半でした。」と振り返ったように前半はかなり厳しい内容となった。
この試合に向けて準備してきたこと、やろうとしていることが出来なかった、ハマらなかったという訳ではないのだがとにかく機能しなかった。

機能しなかったことの1つがビルドアップ。

セレッソは松田とCHの立ち位置を調整しながら広島のプレッシングを回避しようとするが、それに対して広島はマッチアップをはっきりさせる形をとる。2CBに対してはレアンドロ・ペレイラと浅野。松田に対しては森島。そして最終ラインに落ちるCBに対してはCHが徹底してついていく。

しかしセレッソとしてももちろんそれは想定済み。そのために都倉を前線で起用しているし、マンツーマン気味に人にアプローチに行く分できたスペースに清武や豊川が降りてくることで裏返そうとする。
しかし肝心の都倉の空中戦は2勝5敗。降りてくる清武や豊川に対しては広島にとってもそこが生命線になるのでファール覚悟でかなり強く当たってくる。
そんな広島の戦い方に対してチームはどんどん冷静さを欠きナーバスになっていった。

そうなっていった要因の1つにはボール非保持での展開も影響していただろう。

セレッソは特に相手が3バックの時、相手のCBの両サイドの選手にボールが入るとSHが1つ前にアプローチに出ることがよく見られる。
この動き、一見すると「食いついた」隙にも見えるが実は罠である。

セレッソの守備において実は一番面倒なのは相手が延々やり直す選択をすること。
セレッソの守備はゴールに近い場所から順にスペースを管理する守り方なので、ゴールに一番遠い場所にいる3バックの両サイドはノーマルな状態であれば最も制限をかけにくい場所となる。ということは延々と相手ボールが続きかねない。
なので後ろの組織が整っている時にはあえてSHが一つ前にプレッシャーをかけに行くことで誘い水を向け、大外のWBや中央にボールを出させるのだ。
ただしこれが可能なのは、WBにボールを出されてもサイドで圧縮できる、中央に出されてもそこで引っ掛けることが出来るからである。

しかしこの試合ではそれが出来ず逆サイドに何度も展開された。
ゴール前でヨニッチや瀬古、木本が跳ね返すことでキム・ジンヒョンが大忙しという状況ではなかったが、ストレスを感じていたのは確かだろう。

そんな中で生まれたのが24分の失点。
青山からのタイミングのいいパスで松田が東に背後を取られると折り返し。そのボールは瀬古がヘディングするもこぼれ球を拾ったレアンドロ・ペレイラが豪快に叩き込みゴール。先制点を奪われる。
この場面、まず瀬古の対応はミスである。あのボールを繋ごうとして中に返したんだと思うが普通にクリアでよかった。本人も十分それはわかっているだろうから失点直後にあれだけ悔しがったんだろう。
そして松田が背後を取られた場面もミスである。東はそこまでスピードが特徴の選手でもないが、一旦両足を揃えて前向きで止まったタイミングで背後に出されたのでスタートが遅れた。

ただこの2つのミスとなったのもここまで上手くいっていないからこそ起こったことだと言えるだろう。
思うようにボールを奪えず、ボールを運べず。そしてここのところ続いている組織が崩された訳ではないにもかかわらず失点していることも影響しているのだろう。

前半終了までこの流れは変わらず。広島にとっては狙い通りの、セレッソにとっては全く思うようにプレーできていない展開。
こういう展開になったのは21分のショートコーナーなど広島もこの試合に向けて色々準備してきていることが伺える場面がいくつかあった様にもちろん広島側の要因もあるだろうが、普段できていることが出来ない自分たちにも要因があることを感じさせる前半だった、

■後半の改善


後半開始からセレッソは2枚替え。都倉と松田に代え西川と丸橋を投入する。
西川は前線に入り丸橋は最終ラインの左に。そして片山が右に回った。
セレッソの場合、どんな布陣であっても状況や相手のやり方に応じて色々形を変えるのでここからの布陣は3バックなのか4バックなのかというのは微妙で難しい部分でもあるのだが、ロティーナは試合後のインタビューで「システムを変えた」と発言しているので一応3バックとした。
システムはあくまで体系や組織という意味なので、特に外国人監督だとシステム=フォーメーションではなかったりするのだが。

ちなみに4枚だと解釈すると上記となる。

後半から変わった点は2つ。

ボール非保持で坂元が片山の外側に落ちるようになったこと。
これは先に書いたSH(清武)が3バックのサイド(野上)に出ていった時に中央で制限できずミスマッチを使われていたのでその対応のため。

もう1つはビルドアップの改善。
ヨニッチが1つ前に出てレアンドロ・ペレイラを引っ張り、片山と瀬古に時間を作る。さらにCHの木本や藤田が落ちる動きを見せることで片山と瀬古が1トップ2シャドゥの横までドリブルでボールを運ぶようになった。

この様な形のどちらもが4バックのままでやることもあるし、ボールを運んだ後は片山が右サイドをオーバーラップすることもあるので4のままとも言えなくもないのだが、人とシステム(仕組み)は変わり、これにより前半から一転しセレッソがペースを取り戻し始める。

ペースを取り戻し始めたセレッソはさらに動く。
58分に豊川と瀬古に代えてブルーノ・メンデスと奥埜を投入。木本がCBに下がり奥埜はCHに入る。
プレビューでも書いたが、広島はプレッシングするが、リードした状況になればリトリートも厭わない。もちろんセレッソもそれを承知しているので立て続けの交代策となったのだろう。

こうしてセレッソがどんどん広島陣内でプレーし始めようかという61分。レアンドロ・ペレイラがつまらない遅延行為で2枚目のイエローカードを受け退場。広島は10人になる。あまりにつまらないこのレアンドロ・ペレイラの2枚目のカードは罰金もののプレーだったと思う。

■攻めるセレッソ、守る広島


広島はセレッソのCKのタイミングで浅野に代えてドウグラス・ヴィエイラを投入。森島は中盤に下がって5-3-1に。
交代にもたついていたがセットプレーでの高さを考えると絶対に必要な交代だろう。

ただこのCKでセレッソはショートを選択。広島はセットプレーをマンツーマンで守り、元々レアンドロ・ペレイラはストーンの役割だったこともありマーカーという部分では退場になっても影響はなかったのだが、ここで選手を入れ替えたことでマーカーにも影響が出て少し混乱していたので、ダイレクトに入れてしまってもよかったのかもしれない。

圧倒的にボールを保持し、攻め込むセレッソ。大外の坂元の1on1からの大外クロス、ブルーノ・メンデスがサイドに流れる動き、奥埜や片山が後ろから背後に飛び出す動きは可能性を感じさせるものだった。
しかし69分には清武が個人技でゴールに迫るも林がセーブ。74分には丸橋のクロスからのこぼれ球をペナルティエリア内で坂元が狙うもクロスパーに当たって枠外に。75分の坂元のクロスにファーサイドの大外で丸橋が折り返すも詰めることはできず。
その中でも74分坂元のシュートはフリーだっただけに決めたい場面だった。

76分に広島は茶島に代えて井林を投入。
セレッソは坂元の1on1から大外へのクロスで丸橋と茶島の空中戦の強さのミスマッチを使っていたのでそこをカバーする交代である。
というかセレッソは先に書いた74分とさらに直後の75分にも同じ形でチャンスを作っていたので、それまでに決めておきたいところだった。

セレッソは84分に藤田に代えて高木を投入。
清武がCHに下がって高木は左の大外に。坂元が何度も見せていたサイドからアウトスイングのクロスを大外に上げる形はチャンスになっていたので、左サイドからもということだろう。

しかしここから何本もクロスを打ち込み、終盤にはヨニッチ、木本も前線に並べるパワープレーを敢行するもゴールは割れず。

広島は90分に森島と青山に代えて永井と柴崎を投入。

そのまま逃げ切られ0-1でセレッソ大阪はサンフレッチェ広島に敗れた。

■その他

まさにうまくいかなかった試合だった。
川崎Fに2度目の敗戦を喫し目標を失ったチームは以降状態を落としていたが、そんな中で追い打ちをかけるように試合前日にはロティーナ監督の去就に関する報道。選手にとっては難しい状態の試合だったと思う。
そんな状態で、結果が出ておりチームとしてやろうとしていることが前向きにできている広島の圧力を正面から受けることになってしまった。

また結果論だが、こういう展開になるならブルーノ・メンデスと都倉は逆の方がよかったというところも、うまくいかなかった試合だったことを象徴していた。

今季は開幕から目標に向かって前向きに進んできたチームにとって目標を達成できなかったことへの影響も確実にある中で、さらに追い討ちをかけるように梯子を外されるような報道が出てくという、つい先日までからすると考えられないような難しい状態に陥ってしまっている。

とはいえこのチームは、クラブ史上初めて開幕前から優勝を目指すと公言できるチームだったわけなので何とか持ち直して欲しいと思う。

ロティーナ監督の去就報道についてはまた別の機会に。



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