2020年11月20日金曜日

明治安田生命J1リーグ 第28節 vs. サンフレッチェ広島 プレビュー

 2020年11月21日 16時00分:ヤンマースタジアム長居

 

予想スタメン

 明治安田生命J1リーグ 第28節、セレッソ大阪は本拠地ヤンマースタジアム長居でサンフレッチェ広島と対戦する。

 

 ■前回の対戦

 前回の対戦は7月18日に行われた第5節。エディオンスタジアム広島での一戦は1-2でセレッソ大阪が勝利している。

 

前回対戦時のスターティングメンバー

 両チームのスターティングメンバーは上記。

 広島はそれまでの3-4-2-1から3-1-4-2に変更。この布陣は、直前第4節鳥栖戦の途中から使っており城福監督によれば「ボール保持を高めたい」という目的があった様子。

 元セレッソの永井が広島加入後初先発となっている。

 一方のセレッソはいつもの4-4-2。CBには瀬古、FWには都倉が起用された。

 

セレッソの2CBに対して広島は2トップを採用。ということはきっちりマッチアップが出来ているので広島はそこからプレッシングをスタートさせる。

しかしセレッソは立ち上がりからことごとくそのプレッシングを回避。

セレッソのSBに対してはIHではなくWBがジャンプして捕まえに来るのでWBの背後を使う形を多用。広島はわざわざ2トップにしてプレッシングをかけてきたのだが、取りたい場所でボールを取れないので5バックで重心を落して守るという展開になっていた。


そんな中で生まれたのが20分の先制ゴール。

坂元が左WBにはいった清水と1対1の状況を作ると必殺技で突破。するとカバーにきた青山も間に合わず、右足で入れたクロスが佐々木に当たりゴールネットを揺らした。


広島はHTに2枚替え。永井、清水に代えてドウグラス・ヴィエイラ、藤井智也選手を投入する。

布陣を3-4-2-1に戻すかと思われたが変えなかった。

すると後半立ち上がりの50分にセレッソが追加点。高い位置でのプレッシングからボールを奪い返し最後は藤田が流し込む。


0-2となりセレッソがこのまま試合をクローズさせるかと思われたが、得点後プレッシングに行ったところを裏返され、最後はヨニッチがドウグラス・ヴィエイラを倒してしまいPK。1点を返され1-2となる。


これで勢いを取り戻した広島に対してセレッソは少し試合をオープンにしてしまうが、そのまま逃げ切り試合終了。1-2でセレッソの勝利に終わっている。


■現在のサンフレッチェ広島

12勝7分9敗でちょうど中間の9位にいるサンフレッチェ広島。とはいえ直近5試合は2勝3分で無敗となっている。


布陣はやはり3-4-2-1。

現在出場機会を得ているメンバーを整理すると、

GKは林。開幕は大迫でミスでの失点が続いたことから前回の対戦時も林になっていたが、その後再び大迫がポジションを奪い返すも、川崎F戦の5失点以降は再び林が出場を重ねている。

3バックは野上、荒木、佐々木で変わらず。

WBは右がハイネルから茶島になり、左は柏と東が併用。ここのところ再び柏が出場機会を増やしている。

CHは川辺と青山で不動。

2シャドゥは森島を中心に、ここのところ出場機会を増やしているのが浅野拓磨の弟で昨季は水戸でプレーしていた浅野雄也やエゼキエウ。

1トップは一時は永井が出場機会を増やしレアンドロ・ペレイラはベンチスタートが多かったが、ここに来て再び出場機会が増えている。


戦い方としては、ボール非保持ではプレッシングをやりたがるので人への意識が強いが、割り切って5バックでリトリートして守ることもできる。

ボール保持ではミスマッチの使い方が上手い。簡単に言えばそんなところだろう。


もう少し踏み込むと、まず非保持では人への意識が強いことがベース。1トップ2シャドゥで中央を切りWBが前にジャンプしてプレッシング。CBにもシャドゥでアタックに行き時間を与えないという形を取ることもある。

その分食いついてスペースができてしまうことも結構あるが、最初から最終ラインに5人いるので1人がいなくなったところで4枚残るからカバーできるという計算なのだろう。


ただしリトリートを選択した時は3バックはできるだけペナルティエリアの幅からは出ない。

中央に入ってくるボールはCB3人で跳ね返そうというプランである。


ベースとなっている部分はかつてJ2で猛威を奮ったスタイル、片山や岩政がいたころの岡山や、松本、あとは城福監督も率いていたころの甲府なんかと比較的近いものがある。(もちろん選手の能力は当時のこれらのクラブよりも高い)


こういったスタイルなので、プレスを外され引っ張り出されてスペースを使われたり、またはリトリートした時のCBまわりのスペースを使われたりするという構造的な弱点もあるのだが、変に色気を出して出来ないことをしようとしないため約束事が徹底しやすいのか、大崩れすることは少ない。


ボール保持に関してはミスマッチの使い方が上手いと書いたが、前線に選手の入れ替えが増えているように、前回対戦時とは少し雰囲気が変わっている部分でもある。

前回は比較的シンプルに、サイドの突破力と中央のパワー、それに変化をつける森島という形でクロスからの攻撃が多かったのだが、現在のスタイルはもっとボール保持。

中央のCHが縦関係になり、シャドゥが間に立ってパス交換。ドリブルからのカットインや、パスを使ってコンビネーションからの抜け出し。WBも内側に入ってきてフィニッシュに絡むことも増えている。なので今出場機会を増やしているのがいわゆる「気の利いた」選手なのだ。


そんな中で持ち味を出しているのが浅野雄也。

ゴール自体は第20節の鳥栖戦以降無いが、背後に出ていくタイミングがよく相手に脅威を与えていると言えるだろう。


以前から城福監督はボール保持を高めたいとかパスワークでみたいなことをよく言ってたので、おそらくこういうスタイルがやりたい形なのだろう。


■プレビュー

セレッソ大阪の予想スタメンは、前節から大きく変化は無いだろうがCBには瀬古が戻ってくる可能性が高いと思われる。そうなればCHに藤田ではなく木本が入る可能性もある。


一方のサンフレッチェ広島の予想スタメンだが、前節の横浜FC戦は中2日での試合だったので何人か選手を入れ替えていたが、今節はきちんと1週間空いている。

ということで前々節に快勝した名古屋戦のメンバーがベースになるだろう。

エゼキエウは前節同点ゴールを決めているが、浅野が先発となるのではないだろうか。


戦い方のポイントとしては、まずはプレッシング回避。CBの時間も削ろうとするプレッシングを仕掛けてくる可能性もあるが、キム・ジンヒョンをうまく使いながらスペースにボールを届けたい。

あとプレッシングに熱心なのだが、スペースに関しての感覚は薄いので長いボールで攻略することもできるはず。

豊川・奥埜の2トップには高さは無いが身体の強さはあるのでスペースを使って勝負したい。


あとリトリートした時はCBを動かさないようにする分、CHが振り回されることが多い。

なので坂元や丸橋のところからマイナスのボールで勝負できるはずである。


一方広島の攻撃に対しては、いつもどおりのゾーナルの徹底で相手をかなり制限することはできるだろう。

ただしここのところ立ち位置のミスではないところでの失点が増えているという事実もある。

そこは基本に立ち返って、スペースを管理した上での対応をもう一度徹底したいところである。


今朝の報道で色々と思うところもあるが、今季のセレッソは歴史上最も洗練されたクオリティの高いチームであることは間違いない。

残された目標に向かって進んでいくためにも勝ち点3を確実に奪いたい試合であり、相手である。


1 件のコメント :

  1. そうですね。
    おそらく今後のセレッソがこれほど戦術的な見どころの多いチームになる可能性は相当低いのではないかと思います。少なくとも今後10年ぐらいは…

    くだんの報道が出てしまったので言ってしまうと、以前「今のセレッソに一番必要なストライカー像」って話が出たときにフォルランのこと思い出していました。なかなかうまくいかんもんですね…

    返信削除

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