2020年11月14日 14時00分:IAIスタジアム日本平
予想スタメン |
再開後最長となる中10日開けて行われる明治安田生命J1リーグ 第27節。セレッソ大阪は敵地IAIスタジアム日本平で清水エスパルスと対戦する。
■前回の対戦
前回の対戦は再開後2試合目でホーム初戦となる第3節。無観客試合で行われた一戦は2-0でセレッソ大阪が勝利している。
前回対戦時の先発メンバー |
前回対戦時のスターティングメンバーは上記。
中3日での試合となるが、セレッソは前節から2人入れ替え。左CBを木本から瀬古、左SHを清武から柿谷となっている。
一方の清水は前節から5人入れ替え。CBを立田からファン・ソッコ、左SBを奥井から六平、3トップを金子、後藤、カルリーニョス・ジュニオからジュニオール・ドゥトラ、ティーラシン、西澤へと変えている。
横浜FMのコーチだったピーター・クラモフスキーを監督に招聘したということからも清水の狙いはハイプレス及び敵陣でサッカーをすることだということがわかるが、清水は立ち上がりからトップ下の鈴木を前に出し前線2人+ボールサイドのSHの3人で高い位置から網をかけるような守備をしてくる。
試合の立ち上がり早々はセレッソも清水の出方を伺うようにロングボールを多用していたが、10分頃からビルドアップで清水の守備を外してボールを運びはじめ、さらに清水のビルドアップに対してもプレッシングをしかけることで試合のペースを握り始めた。
前半に得点を決めることは出来なかったがセレッソはチャンスを量産。清水の両WGの背後に起点を作ることでSBを引き出し、出てきたSB裏を使うことでCHの1人を引き出す。そうなれば清水のもう1人のCHは最終ラインに入ってしまうため、セレッソは誰もいなくなったマイナスのスペースにグラウンダークロスを入れる形で何度もチャンスを作っていた。
前半にチャンスを量産できたものの決められなかったことで、後半の立ち上がりには自らバランスを崩しオープンになる時間を作ってしまったが、60分ごろから再びセレッソがペースを取り戻す。
64分に柿谷と坂元に代えて清武と片山を投入すると、71分にこぼれ球を拾った丸橋が内側レーンでボールを運んでからのスルーパスで奥埜が抜け出し先制ゴール。
さらに85分には奥埜に代わって入った豊川が清武のスルーパスに抜け出しかけるがコントロールミス、しかしそのこぼれ球を拾った片山がJ1初ゴールを決め追加点。
その後も完全に試合をコントロールしたセレッソが危なげなく逃げ切ったという試合だった。
■現在の清水エスパルス
横浜FMのコーチであったピーター・クラモフスキーを監督に招聘するという大胆な変革を目指した今季の清水だったが、前々節終了後の11/1に契約解除を発表。コーチだった平岡宏章氏の監督就任を発表した。
前回対戦時はまだ第3節だったのでチームの完成度は低かったが、やろうとしていることは見えていた。しかしその後も負けがかさみ前々節終了時点で3勝5分17敗。かなり苦しい戦いが続いていたことは否めない。
とはいえ、同じく苦しいシーズンを過ごしている仙台や湘南に比べると「やりたいこと」「やろうとしていること」がハッキリしており、それに向かっていることが見えていたので個人的にはそこまで悲観的には捉えていなかった。
もちろん結果としてはかなり苦しいものだったが、今季は「降格なし」という特殊なレギュレーションで行われていることもあり、最後までクラモフスキー体制で続けるものだと思っていた。
しかし様相が変わったのは古巣対戦となった9/16の横浜FM戦で3バックに変更したころからか。それでも苦しい戦いは続き、10/31の第25節終了後に契約解除を発表。
クラモフスキー監督の地元オーストラリアでは、チャレンジしているスタイルに適合する選手の獲得を希望したにも関わらず補強が無かったことで自ら退任を申し出たとの報道も出ている。
ということで平岡監督の就任初戦となった前節神戸戦。メンバーとしては、前々節の第25節から1人代わったのみ。キャプテンの竹内が9/23の第18節以来1ヶ月以上ぶりにCHで先発復帰し、3-1で8試合ぶりとなる今季4勝目をあげている。
布陣は4-4-2。Jリーグ公式では前々節と同じ4-2-1-3(4-2-3-1)と表記されているが、両サイドはボール非保持で中盤に戻るのであきらかに3トップではない。またカルリーニョス・ジュニオと後藤の関係もそんなに縦関係には見えなかったので普通に4-4-2という認識で良いだろう。
平岡監督就任後に大きく変わっていたのはボール非保持。プレッシングというよりもまずミドルゾーンで4-4-2のブロックを作ることを優先する様になった。
バックパスなどをスイッチにプレッシングを仕掛けることもあるが、まずはブロックを作ることを優先するようになったのは大きな変化といえるだろう。
そして2トップから守備を始めサイドに追い出してはめ込む形を狙うという比較的オーソドックスな4-4-2である。
そして後藤とカルリーニョス・ジュニオの2トップも献身的に戻ってきて守備をしていた。
ただ、どこにいつ戻るかというのが少し曖昧になってしまっている部分もあり、せっかくサイドではめ込みにいってもCH前にスペースが出来ている場面も散見された。とはいえこの試合は就任2日後の試合という部分もあるだろう。
ボール保持に関してはつい最近まで両サイドがWGをやっていたこともあって幅を取る意識が強いが、基本はボールサイドに人数をかけてコンビネーションをつかって攻めようという形。
その時に2トップが2人とも中央からいなくなってしまうこともあるのが少し気になるところか。
この試合でも3点中2点がセットプレーからだった様に、今季の清水はセットプレーからの得点が川崎Fに次ぐリーグ2番目の13得点をあげている。その要因としては西澤の精度の高いキックという部分もあるだろう。しかし総得点は34点。その他の形でゴールを挙げることが出来ていないとも言える。
前節が就任から2日後の試合。そして今節は中10日で準備をする時間があるのでまたさらに変化する可能性もあるが、前節の内容はこんな様子。
あと平岡監督は長らく育成年代での指導に関わってきたこれまでのキャリアからもわかるように、典型的な育成年代の監督という感じ。
浦和の大槻監督などと同じ様に、ピッチサイドで選手に対してずっと細かい指示を出している姿が印象的だった。
■プレビュー
清水エスパルスの予想スタメンだが、前節は勝っているし準備をする期間も十分あったので前節と同じ11人を並べてきそう。鈴木や中村など途中交代で入った選手も良いプレーを見せていたが、後藤や金子に代えてというまではいかないだろう。
一方のセレッソ大阪の予想スタメンだが、こちらもベースとなるのは前節。木本のところに瀬古という可能性もあるが、ロティーナのこれまでの傾向から考えると木本が引き続き先発となるのではないだろうか。
試合展開はおそらくセレッソがボールを持つ時間が長くなる。
なのでポイントは清水の4-4-2からセレッソのボール保持がゴールを奪うことができるかどうかである。
清水の4-4-2はオーソドックスなのでビルドアップからポジショニングで十分ズレをつくることができるとにらんでいる。
特に2トップ脇から逆サイドのSHにボールを届けることができればズレる可能性が高い。そこからチャンスを作ることができるのではないだろうか。
また、もう1つの狙いどころはSB。おそらく左SBには、セットプレーからだったが前節もゴールを決めている金井が起用される。金井といえばSBにも関わらず高い得点力で知られている選手だが、彼が得点を奪うことができるのは、SBのポジションにも関わらず直線的に斜めに中央に入ってくるからである。
しかしこの金井の動きは諸刃の剣にもなり得る。どうしても攻撃から守備への切り替えの時にいるべき場所にいることが出来ない場面も増えてくるからだ。その結果彼はSBにも関わらずゴールを奪い続けることで試合に出続ける期間はあるものの、J1でシーズンを通じてレギュラーポジションを掴んでいたことは殆どない。
金井のサイドにいるのは坂元。このマッチアップを上手く使いたい。
この試合は清水にとっても今季の悪い流れを払拭する、今季初の連勝がかかった大切なゲームだろうが、チーム力の差を考えるとセレッソにとっては勝たなければならない試合である。
今季も残り8試合。ラストスパートをかける意味でも勝ち点3を持ち帰りたい。
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