2020年12月14日月曜日

12/12 明治安田生命J1リーグ第32節 VS. 柏レイソル @ ヤンマースタジアム長居

スタジアムヤンマースタジアム長居主審木村 博之
入場者数7,889人副審三原 純、西尾 英朗
天候 / 気温 / 湿度曇 / 15.2℃ / 50%第4の審判員越智 新次

セレッソ大阪C大阪

 

柏レイソル

 
  • 監督
  • ロティーナ
 
  • 監督
  • ネルシーニョ

新型コロナウイルス感染予防対策のため、制限付き(入場可能数の「50%以下」又は
入場可能数が「20
000 人以上のスタジアムは30%程度からの段階的な緩和」)での試合開催

※入場可能数や適用時期は主管クラブが決定



<監督コメント>


<選手コメント>


3連勝で迎えた明治安田生命J1リーグ第32節、本拠地ヤンマースタジアム長居でのセレッソ大阪対柏レイソルの一戦は0-0のスコアレスドロー。勝ち点1を獲得するにとどまった。

■メンバー

両チーム共にスターティングメンバーは現状でのベストメンバーと言える予想通りの11人。

セレッソ大阪は前節と全く同じ11人が並び、ベンチにはU23でプレーしている西尾が初のベンチ入り。デサバト、柿谷、都倉はベンチ外となっている。

一方の柏レイソルは、ちょうど1週間前に行われた前々節と全く同じ11人。ベンチではシーズン中盤はポジションを確保していたものの出場は10/18の第23節が最後、ベンチ入りも10/24の第24節を最後にメンバーからも外れていた三丸が復帰している。

■柏の5バック(3バック)↔︎4バック可変

セレッソが大分戦以降現在の布陣となってから5バック(3バック)と4バックを状況によって使い分ける「5バック(3バック)↔︎4バック可変」だということは何度も触れているが、柏も同じように状況によって使い分ける「5バック(3バック)↔︎4バック可変」。なのでしばらくは同じやり方を続けているものの、Jリーグ公式やFootball LABで試合によって布陣の表記揺れがある。

柏の可変の仕組みは攻守(ボール保持/非保持)で分けるというもの。ボール非保持では北爪と瀬川が最終ラインに下がって5バックを形成。高い位置ではオルンガ、クリスティアーノ、江坂の3人が1トップ2シャドゥの関係となり5-2-3の形で高い位置からプレッシング。押し込まれるとクリスティアーノと江坂は下がって5-4-1の布陣になる。

一方でボール保持では左WBの位置にいた瀬川が前に出て、古賀が左にずれる4バックのような形になる。
ここから右WBにいた北爪も上がってくるが、基本的には瀬川の方が先に高い位置に出てくる。

ただしこのボール保持の形を取れるのは、その名の通りボール保持の状況を作った時。柏は基本的に攻撃の組み立てが始まるのがCH。なのでCHにボールが入ってボール保持の状況を作ることができると4バック化。CHにボールが入る状況を作るためにDFラインで最もパス能力の高い古賀が左にずれる形になっている。
しかしチームとしてビルドアップの形を持っているわけではないのでCHにボールを入れることができない、ボール保持の状況が作れないこともある。
そんな時はオルンガ、クリスティアーノ、江坂の3人を最終ラインの背後に走らせるロングカウンター。
この3人は3人だけで攻撃を完結できる、そして得点を量産できる能力の高さを持っているので、長いボールを蹴って彼らを走らせるのには躊躇が無い。
しかしそうなれば瀬川が出ていく時間がつくれないことになるので、4バック的な形にはなかなかなれない。
このあたりが柏の布陣が試合によって表記揺れが起こる原因なのだろう。

■セレッソの5バック(3バック)↔︎4バック可変

一方のセレッソの5バック(3バック)↔︎4バック可変を改めて。
セレッソもこの布陣を取った最初の大分戦では柏と同じように攻守(ボール保持/非保持)で別れているとなっていた記事もあったが、実際にはもう少し細かい。

基準となっているのはボールの位置。ボール非保持でも同サイド(古賀の位置)にボールがある時は松田が右SH、木本が右SBの位置に立つ4-4-2になる。

しかし逆サイドにボールがある時は松田は最終ラインに下がって5バックになる。

セレッソがこれで狙っているのは柏のCHのところにボールを簡単に入れさせないということ。2トップでコースを切りながら、そして左にずれる古賀のところには松田も前に出して簡単にボールを出させない。
柏も同じ様に1トップ2シャドゥの3枚でCHにボールを入れさせない様にはしてるが、どちらかといえばCHの枚数を合わせて入ったところをガツンとと奪いにいくという形だが、セレッソの場合はコースを消しスペースを圧縮して窒息させようというもの。
その場合、逆サイドにボールがある時は清武が出ていくのでサイドチェンジを警戒して逆サイドの松田は下がる。
元々普通に4-4-2でやっていた時はSH(清武)が出て行った時もそのまま4-4-2だったが、広島戦でここで制限をかけられず逆サイドまで展開される場面が多かったことからこの形となった。

ということでセレッソのこの形によって柏はボールを持ってもセレッソのブロックの外。CHにボールを入れることがほとんどできなかった。
なので三原が最終ラインに下がってボールを受ける場面が増えるが、ここでボールを受けても攻撃は遅くなりセレッソにスペースを消された状態でボールを持って戦うことになる。
また前線の3人を活かす縦に速く攻めようとしても三原の位置が低いのでオルンガにボールが届いた時には、ヨニッチと瀬古か木本の2人で対応できるという状態になっているのでフィニッシュまでは到底持ち込めない。

前半の柏にあったビッグチャンスの1つは14分の抜け出したオルンガとキム・ジンヒョンが交錯した場面だと思うが、この場面は「奥埜がふんわりあげたボールを北爪がヒシャルジソンにヘディングで落とし、そこへのアプローチも間に合わなかった」というボールの失い方が悪く、CH(ヒシャルジソン)が前向きでボールを持てる状況をつくられた場面だったので、クリスティアーノ、オルンガとボールが渡った。
要はこの様な状況をセレッソは作られたくないのである。

このオルンガが抜け出した場面、キム・ジンヒョンも出るかどうか躊躇したので最終的には交錯してしまったが、キム・ジンヒョンもボールをセーブした後に交錯しているのでここはノーファールでも問題ないだろう。
ただ、この後プレーを止めてセレッソボールのドロップボールで試合が再開されるのだが、柏の選手が蹴ったボールが主審に当たってセレッソの選手にボールが渡った時に主審が笛を吹いて試合を止めている。この状況だと普通に考えたら柏ボールのドロップボールで再開だと思うのだが、なぜセレッソボールで再開となったのかはよくわからない。

後もう1つは32分の山下のヘディングから一気にオルンガが抜け出してシュートを放った場面。
ここは最初のオルンガを走らせるパスはヨニッチがキッチリ対応しクリアするのだが、そのボールを山下がダイレクトでヘディングで一気に前にボールを送ったという形。このあたりは実に山下らしいプレーだったと思う。
足下のプレーは得意ではないのでセレッソでは出場機会を減らし柏に移籍することとなったが、能力的にはまだまだ一戦級でできる選手。今の柏のやり方にはフィットしているので、いい移籍だったと思う。この試合ではセレッソにとって高い壁であり続けた。

■ビルドアップから


この試合でセレッソが見せていたビルドアップで特徴的だったのは瀬古をフリーにするプレーだろう。
片山を高い位置に出し、藤田が最終ラインに降りることで開いた瀬古がフリーになるという形はセレッソの最初のゴールキックから見られた。
この形は柏がやっている古賀を左に出す形と同じといえば同じなのだが、両チームの対応の違い、考え方の違いで瀬古のプレーの方が目立っていたと言えるだろう。
柏は5-2-3で守備をスタートさせるので片山を前に出すことで北爪をピン留めできる。またクリスティアーノは中を絞るし、ヒシャルジソンが出ていくと内側にいる清武へのパスコースを開けてしまうことになる。最初のゴールキックで瀬古がボールを運んだ後、2本目のゴールキックでは一旦北爪が前に伺う様な形をとったが、そこでキム・ジンヒョンは清武にロブボールを蹴ったのですぐに止めている。
このロブボールはヒシャルジソンがヘディングで跳ね返すことができたが、もし後ろに落とされると北爪が前に出た分、その後ろにいる大南が清武と片山の2人に晒されることになるなるからだろう。ある意味瀬古のところはOKとしたんだと思う。

なのでセレッソのビルドアップは瀬古がドリブルで持ち上がる形が中心。そこから右サイドに展開して坂元、松田、奥埜で崩そうというものになっていた。
しかし柏の3バックのうち強さのある山下と大南は絶対にゴール前から動かない。古賀は動くがこの2人は決して動かないぞというのが徹底されていたので、なかなかゴール前でチャンスを作るというところには至らなかった。

セレッソとしてはブルーノ・メンデスを走らせるなど山下と大南をもっと動かすようなプレーをしたかったところだったが、そういう形はあまり出せなかった。

後、こういう試合で何とかしたかったのはセットプレー。
柏はFKの時のラインの設定が高い。なのでFKでは一旦フェイントを入れてまずそのラインを動かしてから蹴るというやり方が準備されており、ほとんどのFKでその形は使われていたが、合わせることはできなかった。

■アクシデント


後半開始から柏は三原に代えて小林を投入してきた。
これは前半に三原のところでボールを奪われてショートカウンターを受ける場面があったり、組み立ての部分でいいプレーができていなかったからだろう。
三原はミッドウィークの大分戦でも90分プレーしていたこともあるだろうが、柏のビルドアップというか組み立ては仕組みというよりも個人に任せられている範囲が大きいので、セレッソの守備対応の中で自分がプレーできるポジショニングを見つけられないと選手を入れ替えるということになるのだろう。

こうして始まった後半。開始早々のセレッソのFKで木本とキム・スンギュが交錯。これで木本がプレー続行不可能となる。
かなり激しい接触だったので脳震盪を考慮しての判断だと思われる。試合中にベンチに戻っていたので実際にどういう状況だったのかはまだわからないが、もし脳震盪であれば復帰には経過観察が必要となるため、リーグ戦残り2試合は木本抜きで戦うことになりそうだ。

ということで51分にセレッソは木本に代えて丸橋を投入。片山が右に回り丸橋は左に入る。
片山の入った位置は5バックになった時にオルンガとマッチアップしないといけないので、基本は松田が前、片山が後ろという立ち位置になっているが、ビルドアップでは大分戦や横浜FC戦での並びである松田が後ろで片山が前にいた方ができることが増える。
ということで時折この2人がポジションを入れ替える場面もあった。

■大南を動かす

ロティーナ監督のハーフタイムコメントで「スペースをうまく使おう」というものがあるが、当然ハーフタイムでの指示はもっと具体的だったのだろう。セレッソは後半に入ると北爪と大南の背後を狙い、大南を動かすプレーを多用するようになっていた。
木本が痛めてしまったFKもその形からだった。

瀬古をフリーにしてビルドアップの出口とするのは前半と同じ。そこから清武が下がってきて大南を引っ張り出す。
ここにあまり来なければターン。それに飛び込んできて一発でかわしたところからが木本が痛めたFKである。
対峙するようであれば、北爪の背後を丸橋、もしくは右サイドから斜めに坂元が飛び出してくる。
52分の丸橋、54分の坂元がこれにあたる。

そして60分にセレッソはブルーノ・メンデスに代えて豊川を投入。よりスペースを狙う意識を強める。

ここからはセレッソがペースを握っていると言える展開だった。
もちろん柏にはオルンガをはじめとする一発があるので警戒は必要だが、セレッソが押し込んでいるので出所は遠く準備もできている。

66分の清武から背後に飛び出した松田へという場面は、最終的に瀬川がこれぞ瀬川という感じでスプリントで戻ってきてヘディングでクリアするのだが、松田もシュートではなくヘディングでの折り返しを選択していたら完全に背後は取れていただけに瀬川よりも先にボールにさわれていただろう。
そして73分の片山のボレーのこぼれ球に豊川が反応した場面は、キム・スンギュがスーパーセーブ。
最終ラインを動かしている分前半よりもゴールには近づいているのだが、ネットは揺らすことができなかった。

柏は78分に北爪に代えて高橋を投入。
前半は右サイドからの攻撃がほとんどだったセレッソが後半は明らかに左サイドを狙っているのでフレッシュな選手をということなのだろう。
そして続け様に82分に江坂に代えて呉屋を投入。
ほとんど形は作れておらず一発狙いになっていたので、それならストライカーをということなのだろう。

攻め続けているセレッソは86分に坂元に代えて西川、前線で変化をつけられる選手を投入。

89分に西川の中央でのキープからサイドに展開し、松田のクロスを清武が折り返し、豊川が飛び込むもオフサイド。

5バックで人数をかけて守る柏の壁を最後まで崩せずそのまま0-0で終了。
悔しいスコアレスドローに終わった。

■その他

この試合は柏のやり方的にこういった展開となる可能性もあるだろうなと予想できたが、残念ながらその予想通りの試合になってしまった。
やはり立ちはだかったのは今季開幕からの課題であるストライカー不在だった。
そしてこういう試合は、「困った時のセットプレー」で何とかしたかった。
なのでセットプレーのキックも一旦フェイントを入れるというのを準備してきたのだろうが、そこも叶わなかった。

ただ、これで勝ち点1は獲得。残り2試合残っているので1試合1試合、勝利を目指して戦っていくしかない。



0 件のコメント :

コメントを投稿

新着記事

人気の投稿

セレッソ大阪公式Twitter

楽天

楽天トラベル