スタジアム | ヤンマースタジアム長居 | 主審 | 東城 穣 |
入場者数 | 5,498人 | 副審 | 西橋 勲、川崎 秋仁 |
天候 / 気温 / 湿度 | 晴のち曇 / 4.9℃ / 42% | 第4の審判員 | 野田 祐樹 |
メンバー
C大阪
鳥栖
- 監督
- ロティーナ
- 監督
- 金 明輝
新型コロナウイルス感染予防対策のため、制限付き(入場可能数の「50%以下」又は
入場可能数が「20,000 人以上のスタジアムは30%程度からの段階的な緩和」)での試合開催
※入場可能数や適用時期は主管クラブが決定
<監督コメント>
<選手コメント>
今季のホームラストゲームとなる明治安田生命J1リーグ第33節、セレッソ大阪がヤンマースタジアム長居にサガン鳥栖を迎えての一戦は1-2で敗戦。天皇杯出場権を獲得できる2位の可能性が消滅した。
■メンバー
セレッソ大阪のスターティングメンバーは前節から2人入れ替え。負傷の木本、ブルーノ・メンデスが外れ、丸橋、豊川が入った。
この2人はベンチからも外れているので代わってベンチに入ったのは鈴木と柿谷。鈴木は10/24の第24節以来、柿谷は11/29の第30節以来のベンチ入りとなる。そして前節は途中出場の西川潤もベンチから外れたため喜田がベンチ入り。喜田は9/16の前倒しで行われた第25節以来となる。
またメンバー表上では松田がMF登録・片山がDF登録になっているが、実際の立ち位置は逆。4-4-2では松田が右SBで片山は右SH。5枚になるときは片山が松田の外側に落ちる形になっていた。
サガン鳥栖のスターティングメンバーは前節から5人入れ替え。エドゥアルド、内田、原川、小屋松、レンゾ・ロペスが外れ、宮、中野くん、高橋秀人、金森、林を起用。
メンバー表的には3バックになっていたが高橋秀人がCHに入る4-4-2。左SBには17歳で2種登録選手の中野伸哉くんが入っている。
ちなみに中野くんはJリーグ公式サイトでは167cm/49kgとなっており、49kgはJリーグで最も体重が軽い選手になるんじゃないかと思うが、おそらくこれはサガン鳥栖U-18に入った時の体重。鳥栖のHPでは173cm/63kgになっている。
そしてこの中野くんは高校2年生ながら今季9試合目の先発。さらに11/14の第27節以降の7試合だと6試合目の先発となり、唯一先発を外れた前節も後半開始から出場。同じポジションには昨季まで徳島でプレーしていた内田もいるが、左SBとしては最も安定したプレーを見せている選手だと思う。
■ビルドアップの差
この試合でもボールの位置によって4-4-2と5-3-2を使い分けるセレッソ。しかしこの試合の立ち上がりは鳥栖がメンバーを入れ替えていたこともあるがセレッソの敵陣からの制限をビルドアップでうまく外して運ぶことができない場面も多かったのでセレッソが4-4-2の立ち位置ままでいる時間も長かった。
一方のセレッソはスムーズなビルドアップからボールを運び、3分に丸橋のクロスが流れペナルティエリア内に入った片山にボールが渡るという場面があったがシュートは打てなかった。
鳥栖が苦労していたビルドアップだが、
これに対してセレッソの2トップは中を締めた形で立つ。これでは、鳥栖のCH2枚はセレッソの2トップと2CHに囲まれている形になっているのでCHにはつけられず、開いたCBにパスをつけることになる。
するとセレッソはこれをきっかけにプレッシングを開始。宮にボールが出れば坂元が距離を詰め、中野くんには片山が寄せる。そしてボールを受けにくる高橋、小屋松にはそれぞれ奥埜、松田が寄せ、藤田はカバーリングポジションに。
こうなると宮は一か八かで長いボールを蹴るしかなくなり、2トップへのハイボールはヨニッチ、瀬古に跳ね返され、低いボールだと藤田に引っかかる。という場面が多かった。
■エラーが続いた失点
しかしそんな展開の中で22分に失点。
樋口のFKがそのままネットに吸い込まれ鳥栖が先制する。
15分ごろからは中盤でボールを失う場面が増え、鳥栖がボールを保持しアタッキングサードへ入っていく場面もあったが、ボールサイドによって4-4-2と5-3-2を使い分ける守備でしっかりと守備ブロックの前でプレーさせていたので決定的な場面は作らせていなかったのだが、1本のセットプレーで失点してしまった。
FK自体は十分キム・ジンヒョンが対応できるように見えたボールだった。しかしセレッソゴール裏のバックスタンド側から強い風が吹いていたのでちょうど逆風となり、キム・ジンヒョンの予想以上に変化したのかもしれない。ただキム・ジンヒョンであればこのボールには十分対応できただろうし、対応してほしかっただけに個人の単純なエラーだと言えるだろう。
そしてこのFKを与えてしまった片山のファールは何でもないボールに対するかなり不用意なもの。これも片山の単純なエラーだと言える。
さらに片山のエラーは松田のポジショニングミスで小屋松に背後を取られたのがきっかけ。そう考えると、エラーが3つ重なったんだから流石に失点してしまってもおかしくない。
エラーで失点するとリズムが悪くなる。
直後には鳥栖のハイボールに対して松田とヨニッチが重なってしまい、最終的にはヨニッチがブロックしたが、金森がヘディングで落としたボールを小屋松にシュートを打たれる場面も作られた。
ここから高橋秀人の負傷交代を挟んで35分を過ぎるぐらいまでは鳥栖がリズムを掴む。セレッソは藤田を最終ラインに落とすなど色々手を咥えていたが、なかなかリズムを取り戻せなかった。
■セレッソがリズムを取り戻す
35分を過ぎた頃からセレッソが再びリズムを取り戻す。
冒頭に書いた通り鳥栖のビルドアップに対してセレッソのディフェンスは最初から効果的だったので、中盤で引っ掛けられるような失い方をしなければそう簡単に押し込まれるような形にはならなかったからだろう。
最初にチャンスになったのは38分の坂元が右サイドの背後に飛び出して宮と入れ替わった場面。
ペナルティエリアの内か外かギリギリのところで後ろから引っ掛けられ倒されるのだがPKはなし。リプレイで見ると確かに引っかかっているのだが、ペナルティエリアの外だった。
そして42分には清武も右サイドに流れてきて同サイドで人数をかけ崩し片山がシュート。
そして44分に背後に飛び出した坂元が左サイドで起点となり、そこから清武へ。清武がドリブルでペナルティエリア内に侵入し、折り返したボールを豊川がニアサイドに流し込みゴール。セレッソが前半のうちに同点に追いついた。
前半のスタッツとしては、シュート数はセレッソ6本と鳥栖が7本。枠内シュートもセレッソ4本に対し鳥栖が6本というスタッツになっているが、ペナルティエリア内でのシュートはセレッソが4本で鳥栖が1本。そして鳥栖の7本のシュートのうち3本はセレッソのDFがブロックしている。
なのでリズムを失った時間帯は相当あったし、失点は余計だったが、内容的には悪くはない前半だったと言える。
■決められない
松田は前半ミスが目立っていたのでこの交代となったのだろう。鈴木孝司ではなく柿谷なのはペースを取り戻してからは背後で起点を作っていたからだと思われる。
鳥栖の方は前半で2回の負傷交代を行っているので、後はハーフタイム+もう1回しか交代カードを切るチャンスがない。
今季は5人の交代ができるので人数的にはそこまで影響はないだろうが、回数的にはここで交代させるしかないということなのだろう。
ビルドアップで長いボールを蹴らされる場面が多かったので、レンゾ・ロペスが欲しくなるのは理解できる。
しかし開始早々、1分経ったぐらいのところで今度は豊川がどこか痛めたようでプレーできない状態に。
49分に高木と交代する。これでセレッソは柿谷と高木の2トップとなる。
豊川はどのタイミングでどこを痛めたのかがちょっとわかりにくいのだが、左足にテーピングを巻いてプレーしているので筋肉系のトラブルか。下がった後もベンチにいたのでそこまで大きな負傷ではないと思うが。。。
後半は完全にセレッソペースで試合が進んだ。
両チームの違いは前半の最初に書いたビルドアップとそれに対する守備。
例えばレンゾ・ロペスも献身的に守備をしようとするのだが一発で奪いにいくようなアプローチが多い。もしそこで奪うことができればチャンスになるかもしれないが実際はほぼ奪えない。となるとボールの方向に制限をかけられず一気にボールを運ばれる。
ただ、セレッソはゴールを決められない。
柿谷、奥埜、清武、坂元と決まってもおかしくないチャンスはあったのだが決まらない。
この試合で勝ち点3だけが必要なセレッソは、右SBの片山がクロスに飛び込む場面があるなど徐々に前がかりになり、そうなれば当然カウンターを受けそうになる場面も出てくるのだが、それでも決められなかった。
セレッソからすれば後半はかなりチャンスを作れていたので88分まで引っ張った。しかし決まらない。となれば変化をつけるしかない。この試合は勝ち点3だけが必要な試合だからである。
そしてこの交代直後に訪れたのがこの試合最大のビッグチャンス。
高木のクロスを柿谷がコントロールして鈴木に浮き球のパス。しかしこのボールをトラップした鈴木はシュートを枠に飛ばすことができなかった。少しコントロールが後ろに流れてしまった。
そして迎えたアディショナルタイムの90+1分。小池から高木へのパスを森下にインターセプトされカウンター。最後はチアゴ・アウベスに決められ痛恨の失点1-2となる。
あの状況に持ち込めばチアゴ・アウベスはゴールを奪うだけのクオリティがある選手だということは過去の経験からも痛いほど知っている。
そしてそのまま試合終了。ホーム最終戦は1-2の敗戦となりこれで2位以内の可能性は消滅。ロティーナ監督とのプロジェクトは後1試合で終わることが決まった。
■その他
ロティーナ監督の試合後のコメントにもあるように「勝たないといけない試合を落として」という試合だった。
最後に目立ってしまったのが途中出場の2人というのも切ない。
小池のパスがインターセプトされたのだが、単にパスが短くなったというよりも足元に出した小池とスペースに出ていこうとした高木の意図があってなかったという感じだった。
とはいえ、こういう事は前半からもあった。しかしここでカウンターに持ち込まれた、フィニッシュまで持ち込まれたのはチームとして前がかりになってしまっていたから。奥埜が戻って一旦は森下に対応するもその後誰も帰れなかったのでフィニッシュまで持ち込まれたのである。
そして鈴木のビッグチャンスは決めて欲しい場面ではあった。ただあれがファーストタッチ。そういう部分ではちょっとかわいそうな面もある。特にこの試合は気温が低く、両チームともにミスが多かっただけに。
後半のセレッソは9本のシュートがありその中の7本がペナルティエリア内。しかし枠内シュートは0本。
2位に入れなかったのはさっきのカウンターと同じで、この試合がというよりもそれまでに原因があり、この試合が最後にこういう結末になってしまったのもそこに原因があるのだが、この試合は単純に、本当にもったいない試合だった。
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