2020年12月5日 14時00分:札幌ドーム
予想スタメン |
いよいよ今シーズンのリーグ戦もラスト4試合。明治安田生命J1リーグ 第31節、セレッソ大阪は敵地札幌ドームで北海道コンサドーレ札幌と対戦する。
■前回の対戦
前回の対戦は9/9に行われた第15節。ヤンマースタジアム長居で行われた一戦はクラブのJ1通算1000ゴール目を含めた奥埜の2得点で2-0でセレッソ大阪の勝利に終わっている。
前回対戦時のスターティングメンバー |
両チームのスターティングメンバーは上記。
セレッソは普段通りの4-4-2。デサバトが離脱しており木本がCH。2試合続けてベンチだった丸橋が先発復帰、この試合の前節浦和戦では都倉と柿谷の2トップでスタートしたが、この試合では奥埜が3試合ぶりにFWでの先発となった。
一方の札幌は7試合勝利から遠ざかっている(2分5敗)という中で迎えた一戦ということもあり、この試合の前節からは5人を入れ替え。さらに布陣も普段の3-4-2-1から3-1-4-2に変更。
鈴木武蔵が第9節を最後にベルギーに移籍して以降は布陣もなかなか定まらず、この試合の少し前には0トップもやっていたが結果が出ず。
その結果、ジェイとドウグラス・オリヴェイラの2トップに。そしてこの試合では右WBに左利きの金子、左WBに右利きの上原と逆足のWBを起用している。
セレッソの4-4-2に対して札幌は3-1-4-2。アンカー田中が奥埜を捕まえて下がれば全てのマッチアップが出来上がるという形をとってきた。札幌は普段からマンツーマン気味に人を捕まえる守備がベースとなっているが、この試合ではまるでバスケットボールのフルコートマンツーの様に完全に人数をあわせて高い位置から捕まえに来た。
しかし前線からの守備で得点まで持ち込んだのはセレッソ。
4-4-2で2トップがボールが進む方向の制限をかけ、福森に入ったところで坂元がアプローチ。福本があわてて右足で中央に返そうとしたボールを藤田がインターセプトし最後は奥埜がゴールに流し込んだ。
ビハインドとなった札幌はさらにフルコートマンツーでのプレッシングを徹底してくるが、そうなるとセレッソは長いボールを使い始める。
同数で前線からプレッシングをかけるということは札幌のDFラインとセレッソの前線のマッチアップも同数になっている。ということで都倉をターゲットに長いボールを使って一気にゴール前に運びチャンスを作っていた。
ただ展開としては札幌が少しづつボールを持つ時間を長くしていく。
しかしセレッソは4-4-2のブロックでスペースを与えない。さらに札幌はサイドで押し込んでから福森に戻してクロスという形を多用するが、ここに奥埜がアプローチに出ていくことで福森から時間とスペースを奪っていた。
そして追加点もセレッソ。
坂元が右サイドでボールを受け必殺技を繰り出せる状況を作っておいて、その外側を松田がオーバーラップ。坂元のキックフェイントのフェイントからのスルーパスで松田がサイドを抜け出し折返しを清武がボレー。そのボールを奥埜が頭で押し込んだ。
札幌は何度も2トップをめがけてクロスを入れ続けるが、最後までセレッソが跳ね返し続けることに成功。
相手の守備ブロックを動かし、開いてる場所を作ってそこから侵入しようとしていたセレッソに対し、札幌は最後までブロックの外側を叩き続けたという試合だった。
■現在の北海道コンサドーレ札幌
前回対戦時は7試合勝利から遠ざかっていた札幌。最終的には9試合にまで伸び、さらにその後何とか鳥栖に勝利したものの再び3連敗と勝てない時期が続いていた。
しかし10月にはいるとようやく調子を上げ始め、11月に入ってからの黒星は11/11にアウェイでFC東京に負けたのみ。11/3には川崎Fにも勝利した。
川崎F戦は菅野のビッグセーブ連発はあったものの、フルコートマンツーで前から捕まえに行くというやり方が上手くハマった試合だった。
そしてこの川崎F戦から、前回のセレッソ戦で見せた逆足WBが復活。
菅が離脱した影響もあるのだろうが、川崎F戦以降の5試合は全て右WBに左利きの金子、右WBに右利きのルーカス・フェルナンデスという組み合わせになっている。
5試合続いていたことからもわかるように、このアイデアは相当気に入っている様子。
また当初この逆足WBは「インスイングのボールをファーサイドに上げる」といったプレーが多かったが、少しづつ中央にダイレクトにゴールを狙うプレーも増えてきている。
しかし前節の広島戦では少し弱点も見えた。
この逆足WBでメリットが出てくるのは両サイドが共に高い位置を取れた時に限定されるということ。
この試合では広島も3-4-2-1で、さらに守備では札幌同様にマンツーマン気味に人を捕まえに来るためWBのところへのアプローチが早いためWBが前に出られず、しかしビルドアップの逃げ道として低い位置でボールを渡されるので、結局蹴ってしまってボールを失うという場面が多く見られた。
その結果、セットプレーからの2得点でリードしている状況ということもあって、試合途中に菅を投入して順足のWBに修正。最終的には同点に追いつかれ2-2で試合は終わっているのだが、ウーゴ・ヴィエイラが入ってくるなど試合終盤に可能性を感じさせたのは札幌の方だった。
ただ、大きいのは荒野が離脱してしまっていること。
動き回って無理が効く選手で、鈴木武蔵がいなくなってからはカウンターを行う上では大きな存在だったので、いなくなった今は攻め手の1つを失ったといえるだろう。
■プレビュー
北海道コンサドーレ札幌の予想スタメンだが、ここまで5試合続いていた逆足WB。シャドゥに入っていた荒野がいなくなり、前節は終盤順足に変えたことを考えると金子をシャドゥに起用して右にルーカス・フェルナンデス左に菅というこれまでの組み合わせに戻すか。
前節はジェイが試合直前でメンバーから外れ、1トップにドウグラス・オリヴェイラ、シャドゥにアンデルソン・ロペスという組み合わせになっていたが、ジェイが戻るとの報道もあるものの金子がシャドゥに入るようであればアンデルソン・ロペスが1トップでジェイはベンチスタートのなるのではないだろうか。
一方のセレッソ大阪の予想スタメンだが、前節4バックの横浜FC相手でも片山を右SHで起用する3バック⇔4バックを状況によって使い分けるシステムを使った。それを踏まえると札幌は3バックなので当然このシステムを継続するだろう。
試合はマンツーマン気味に人を捕まえてくる札幌を立ち位置で如何に動かすことができるかだろう。
そのポイントとなるのは、坂元、片山、松田の右サイド。ここは札幌の駒井、菅、福森もしくは、宮澤、福森、菅とマッチアップする。
セレッソはこの右サイドの3人のローテーションで相手の守備を動かしたい。それができれば中央のキム・ミンテも動くのでブルーノ・メンデスや清武のところで間違いなくチャンスが生まれる。
それともう1つ。前回の対戦で先制点を奪った形、大分戦でも少しやっていた高い位置からの守備も効果的だろう。
GKが菅野になってからの札幌のビルドアップは基本的にGKが関与しない。
なのでミシャシステムで4バック化したCBに対して2トップで上手く制限をかけることができればサイドでハメることができるはずである。
「僕たちがやってきたことが間違いではなかったということを証明したい」と語った清武。
「ロティーナ監督の退任が決まって、そこから残り試合を全部勝ち続けたいと思った」と語ったキム・ジンヒョン。
このチームはそれができるだけの力を持っている。
0 件のコメント :
コメントを投稿