2021年7月19日月曜日

7/19 明治安田生命J1リーグ第20節 VS. ヴィッセル神戸 @ ヨドコウ桜スタジアム

スタジアムヨドコウ桜スタジアム主審西村 雄一
入場者数4,539人副審五十嵐 泰之、桜井 大介
天候 / 気温 / 湿度晴 / 30.1℃ / 49%第4の審判員先立 圭吾
VAR高山 啓義
AVAR西尾 英朗

セレッソ大阪C大阪

 

ヴィッセル神戸神戸

 
  • 監督
  • レヴィー クルピ
 
  • 監督
  • 三浦 淳寛

新型コロナウイルス感染予防対策のため、制限付き

(入場者数上限「5000人以下」又は収容率「50%以下」)での試合開催


<監督コメント>

セレッソ大阪:レヴィー・クルピ監督

ヴィッセル神戸:三浦淳寛監督


<選手コメント>

セレッソ大阪:鳥海晃司、坂元達裕

ヴィッセル神戸:古橋亨梧、廣永遼太郎


AFCチャンピオンズリーググループステージを経ておよそ1ヶ月半ぶりのリーグ戦となる明治安田生命J1リーグ第20節。この試合がセレッソ大阪主催ゲームとしてはこけら落としとなるヨドコウ桜スタジアムにヴィッセル神戸を迎えての一戦は1-1の引き分けに終わった。


■メンバー

セレッソ大阪のスターティングメンバーは、ACLグループステージ最終節から1人入れ替え。CBの鳥海晃司に代わってチアゴが入る。

これは瀬古歩夢がオリンピック代表、アダム・タガートが怪我で離脱ということを考えると予想通りの11人だろう。

またベンチメンバーでは中島元彦、山田寛人はベンチ外となり、喜田陽、松田力がベンチ入り。CBの控えには鳥海が入る。左SHでの先発となった為田大貴とこの3人を合わせた4人はACLで評価を上げた選手だと言えるかもしれない。


一方のヴィッセル神戸のスターティングメンバーは2週間前に行われた前節湘南戦からは2人入れ替え。

湘南戦ではイニエスタ、菊池流帆、前川黛也の3人が負傷交代するというアクシデントに見舞われたが、その3人のうち菊池だけが戻ってきた形になる。

イニエスタと前川に代わって入ったのは、前節でも負傷交代時に投入された中坂勇哉と飯倉大樹の2人となる。

また古橋亨梧はこれがヴィッセル神戸でのラストマッチ。イニエスタとビジャに認められ、サンペールに愛されたストライカーはこの試合を最後にセルティックへと移籍する。


■運べないセレッソ

前回対戦時に「バタバタした展開の立ち上がり」と書いたが、この試合でも7分に古橋が抜け出しかけ、8分には大久保が、そして9分にはドウグラスがキム・ジンヒョンをかわすも戻ってきた西尾がカバーするというものすごいテンポでお互いのゴール前をボールが行き来する展開で試合が始まる。

これを見て中継では実況の方が「両チームともに守備から攻撃への切り替えが速い」と評していたが、裏側から見ると「両チームともに攻撃から守備への切り替えが遅い」とも言える。というよりも両チームともにネガティブトランジションの局面に無頓着といった方が近いかもしれない。

なのできっとこういうのが両指揮官がやりたいと考えている「攻撃的なサッカー」なのだろう。三浦監督も「試合の入り方を含めて前半は非常に良かった」と振り返っている。


時間の経過とともに少し試合が落ち着きだすとペースを掴んだのは神戸だった。


神戸のボール保持の形はアンカーのサンペールが最終ラインに落ちて両SBを上げるという形。この形に対してセレッソも2トップが高い位置からアプローチに行ったり、3バック化する最終ラインに対してSHを1枚あげて枚数を合わせるといった対応はせずに4-4-2でセットする形を優先していたので神戸がボールを持つ時間を増やしていった。

とはいえ前回対戦時もそうだったが、神戸も3バック化することでセレッソの2トップに対して数的優位は作れているのでボールは持てるものの両サイドに開いたCBがビルドアップの出口になってボールを運ぶようなプレーは無いので効果的にボールを運べていたというわけではない。

ただ、試合後の坂元のコメントによると「前半は守備のスイッチが入らない時間が続きました。」と振り返っているので、セレッソとしてはこの神戸のボール保持、時にビルドアップの形に対してもっとアプローチに行こうという意思はあったのだろう。しかしピッチ上ではそれをグループとしてどうやって実現しようとしているのかはあまり見えなかった。


なので神戸がペースを握る最大の要因となったのは、神戸のボール保持よりもセレッソのボール保持の局面がうまくいっていなかったからだといえる。


セレッソはACLで見せた松田陸を最終ラインに残した片上げ3バックでビルドアップを図る。

それに対して神戸は4-3-3、4-3と2トップ+トップ下という形で守備に入るのだが、松田陸に対して山口が伺いながら坂元は初瀬がマンツーマン気味に捕まえる。そして逆サイドでは大外レーンの選手を酒井が、インサイドレーンの選手を菊池が、こちらは迎撃型で人を捕まえにくる。

この守り方に対してセレッソは効果的にボールを運べなかった。


困ったセレッソは今度は松田陸が前に出て坂元が内側に入る。そして奥埜がCBの脇に落ちてビルドアップを図るのだが、そうなっても結局神戸は迎撃型で対応できるので状況は変わらない。

というよりも坂元を始めとする前線のアタッカーが全員密集の中でプレーしないといけなくなるのでボールを運ぶという部分ではより悪化した。


ボールを運べないとなると前線の2人、清武と大久保は下がってきてボールを受けようとする。

しかしそうなると攻撃に奥行きが作れない。奥行きが作れない=相手のDFラインを下げることができていないということなので、ライン間が狭くなり、内側に入った坂元や為田、そして清武らがプレーするスペースも狭くなる。悪循環である。

それを察した奥埜が前半の終盤から今度は前線に飛び出す動きを見せ始め、奥埜の万能さと運動量にあらためて驚かされることになるのだが、結局ボール保持の形、ボールの運び方は定まらないまま前半の45分間を消費することとなる。


セレッソにとって攻撃できない前半45分間で試合を動かしたのは神戸。30分に酒井の折り返しから古橋が決めて先制する。

冒頭にビルドアップの部分ではあまりスムーズではないと書いた神戸だが、アタッキングサードで狙っていることは比較的わかりやすい。


ボール保持でアンカーのサンペールが落ちて3バック化する神戸だが、そこから中盤の構成はトップ下の選手が下がってきて2人のIHが前にでていく。これはイニエスタが出場している時も同じ。トップ下と左IHの山口がポジションを入れ替えることもあるが、基本的にはIHが前に出てトップ下が下がる形の3-1-4-2になる。

この形で狙うのがハーフスペース。ボールサイドのFW、IH、SBでポジションを入れ替えながら最終的にペナルティエリア内のハーフスペースにボールを運んで折り返しを狙う。なのでこの先制点はまさに神戸にとってはやりたいことができた狙い通りの得点だろう。

ただし、ビルドアップがスムーズでないのとチームの志向からか試合展開がバタバタしがちなので、アタキングサードでの仕掛けがどうしても単発になってしまうという面もある。


■カオスと力押し

ハーフタイムでセレッソは2枚替え。清武と為田に代えて加藤陸次樹と高木俊幸を投入。4-4-2の2トップにする。


2トップにしたことで奥行きを作る選手が生まれ、大久保がライン間でボールを受けることが増えた。前半途中から狙っていたが、SBから斜めにライン間を狙うというパスが増えた。

とはいえビルドアップの形が改善されたわけではない。例えば最終ラインが2トップ脇からドリブルでボールを運んで相手を引きつけることで守備を動かそうとかという狙いは前半同様ほとんどない。もしかすると瀬古がいればそういうプレーが増えたのかもしれないがこの試合では不在。そして西尾も本来であれば右CBをやりたい選手である。というよりもセレッソのやり方的に例えば「左CBにドリブルでボールを運ぶ役割がある」ということが決まっているわけではなく、それぞれのポジションに入った選手が各自でそれぞれのできることをやってるという形なのでしょうがない。人が変わればやり方も変わる。


そんな中でも後半に入ってセレッソが敵陣に攻め込む時間が増えたのは果敢に縦にチャレンジするパスが増えたからだろう。

それに対して1点リードしている神戸は前半同様の形で入った。その結果前線でセカンドボールチャンスが生まれカオスな状況が生まれやすくなった。当然その分セレッソは人数をかけるので後ろはギリギリになるのだけど、それでもOK。とにかく後ろは個人でなんとかするから「強く押す」みたいな形。スペースと時間を前線に届けようとか、どこにスペースが生まれるようにボールを動かそうとかという狙いは特にないので、チャンスになるには速いテンポ、狭いスペース、短い時間の中で選手個々のイメージがピッタリ一致したり、偶然味方の前にボールが転がってきたりという運的な要素にも依存するが、縦にチャレンジする回数を増やすことで確率は変わらないけど当たる回数は増える可能性が高まる。

これがクルピ監督の思い描く「攻撃的」であり、今季ここまで何度か書いているが「毎回抽選サッカー」である。


54分にはその毎回抽選が裏側に出てドウグラスに抜け出されるがキム・ジンヒョンがセーブすると、直後に神戸の飯倉が52分のプレーで大久保と接触したことが原因なのかプレー続行が不可能に。


58分に神戸は飯倉に代えて廣永遼太郎を投入する。神戸はこれで2試合続けてのGKの負傷。かなり厳しい。

ちなみに廣永は東京、岡山、富山、広島と所属したもののいずれもセカンドGK以下でプレー経験がほとんどないが、柿谷や水沼らがプレーした2007年U-17W杯のメンバーだった選手である。


さらに神戸は64分に中坂が足をつったか井上潮音と交代。サイドからセレッソがどんどんボールを入れるようになっていたのでこの交代から神戸は山口とサンペールが中央で並ぶ4-4-2になる。


ここからセレッソが「当たり」を目指して抽選を繰り返し、加藤の2度のチャンスなどはあったが当たりは掴めず。


81分に神戸はサンペール、古橋、ドウグラスに代えて増山朝陽、佐々木大樹、アユブ・マシカという推進力のある選手を投入。

88分にセレッソは大久保とチアゴに代えて松田力と鳥海晃司を投入。クルピ監督の試合後のコメントによるとチアゴはコンディション面での問題のようだ。


そしてこの交代後初めて獲得したCK。

丸橋のキックは一旦ニアで跳ね返されるが、そのボールを再び丸橋が拾ってクロスを入れると代わったばかりの鳥海がフリーで合わせてゴール。セレッソが89分に1-1の同点に追いつく。

このCKの時はセレッソも神戸も選手を多く選手を入れ替えてからの初めてのセットプレーということで、三浦監督がベンチからボードみたいなものを出して指示を送っていた。おそらくマークの確認だったと思われる。

しかし最終的にクロスが一旦CKをニアで弾いた後のやり直しという形になったことで中のマークが混乱したのだろう。人数は揃っていたが、鳥海は完全にフリーになっていた。

鳥海はこれがJ1初出場で初ゴール。しかもそれをヨドコウ桜スタジアムでの初ホームゲームで決めた。


試合はそのまま1-1で終了。ヨドコウ桜スタジアムでの初ホームゲームは1-1の引き分けに終わった。


■その他

前回は神戸がアディショナルタイムに同点に追いついたが、今回はセレッソが試合終盤に追いつく形でドロー。試合展開や戦い方など異なる部分も多くあるが、どちらもパッとしない内容で痛み分けとなった。

クルピ監督は「正直、後半はセレッソのほうが数多くチャンスを作ったので、引き分けが妥当ではないとは言いませんが、勝利に近かったのはセレッソだったのかなと。」振り返っているが、実際のところ後半のチャンスも単発だったし、当たるか当たらないかみたいなものばかりだったので、引き分けが妥当なところか。

ただクルピ監督としては、チームとして相手のやり方に対してボール保持でも非保持でも起こり得ることを想定して戦い方を考えるというやり方をしないので、「抽選の機会は作れていたのだからこういう試合でこそ勝ちたい」という思いもあるのだろう。

これでリーグ戦7試合連続勝利なし。厳しい状況が続いているが、ACLを経たことでひとまず戦い方は定まった感はあるので、それをブラさないためにもできるだけ早めに勝利がほしいところではある。



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