2021年7月11日日曜日

7/9 AFCチャンピオンズリーグ グループステージ MD6 VS. 傑志 @ ブリーラムスタジアム

スタジアムブリーラム スタジアム主審アリ サバ アルカイシ
入場者数副審ヘイダー アブドゥルハサン アリ ウバイディー、アフメド アルラシュディ
天候 / 気温 / 湿度曇り / 26℃ / 95%第4の審判員アリ シャバン

傑志傑志

  • スターティングメンバー
  • GK 86 パウロ セザール
  • DF 2 ロー ツチュン65'
  • DF 3 ダニ カンセラ
  • DF 6 パク ジュンヒョン
  • DF 15 ロベルト
  • DF 21 トン キンマン82'
  • MF 10 クレイトン
  • MF 19 フアン ヤン74'
  • MF 37 ラウル バエナ
  • FW 8 マシュー オア
  • FW 9 デヤン ダムヤノビッチ
 

セレッソ大阪C大阪

  • 控えメンバー
  • GK 23 グオ ジエンチャオ
  • DF 5 エリオ
  • MF 14 ホー チュンティン
  • MF 16 ナン チュウクパン
  • MF 20 イチカワ ソウゴ
  • MF 24 ジュー インジー
  • MF 67 セバスチャン バドル
  • MF 95 チャン シンイチ82'
  • FW 28 チェン チンルン74'
  • FW 88 アレックス アカンデ65'
 
  • 監督
  • チュー チークウォン
 
  • 監督
  • レヴィー クルピ

<監督コメント>

セレッソ大阪:レヴィー・クルピ監督


<選手コメント>

セレッソ大阪:清武弘嗣


AFC公式HPスタッツ


AFCチャンピオンズリーググループステージ最終節となるMD6。既にノックアウトステージ進出を決めているセレッソ大阪とこの試合に勝利すればノックアウトステージ進出となる傑志との一戦は0-0の引き分け。セレッソ大阪はグループJの首位突破が決定した。


■勝利条件

普段は90分で相手よりも1点でも多く点を取ることを目指して試合を行っているが、グループステージ最終節では少し話しが変わる。この試合ではノックアウトステージ進出が唯一無二の目標。目指すべき勝利条件が異なってくる。

そんな勝利条件を整理しておくと、既にグループステージ突破を決めているセレッソにとっては、この試合は「グループステージ敗退」はなく、あるのは「グループステージ1位突破」と「グループステージ2位突破」だけ。

「グループステージ1位突破」の条件は、勝利・引き分け・1点差での負け。2点差以上の負けで「グループステージ2位突破」となる。

なので試合中のスコアでいえば、0-0はもちろん傑志に1点リードされている状況であってもセレッソがリードしている状況ということになる。


一方の傑志は、前節ポートとの対戦が引き分けに終わったことで試合前の段階で、勝ち点10、得失点差+3。他のグループの試合が終わっていない関係でまだ曖昧な部分もあるが「グループステージ1位突破」に必要なのは2点差以上の勝利。「グループステージ2位突破」に必要なのは1点差勝利。引き分け以下に終わった場合は他のグループとの兼ね合いもあるが、既に全日程を終えている浦項スティーラーズが勝ち点11、得失点差+4で得失点差でも下回っていることから、傑志は引き分け以下に終わった場合はグループステージ敗退となることが濃厚である。

ということで傑志にとっては0-0までは負けている状況と同じということになる。


■メンバー

傑志のスターティングメンバーは前節から1人のみ入れ替え。前節の前半終了間際に負傷交代した5番CBのエリオが外れ、21番のトン・キンマンを起用。トン・キンマンは右SBに入り、右SBの15番ロベルトが左CBに入るが、これは前節の負傷交代時と同じ並びとなる。

そしてMD2で前回対戦したときのスターティングメンバーは前節はスターティングメンバーと同じだったので、前回対戦時からも1人のみ俺変わっていることとなる。


一方セレッソ大阪のスターティングメンバーは前節から1人のみが残った10人を入れ替え。残ったのは前節45分したプレーしなかった西尾隆也で、その他は控え組がプレーした前節から大きく変わり今節はいわゆる主力組がプレーすることとなる。

その中でも西尾とコンビを組むCBには鳥海を起用。鳥海はMD3で負傷交代となりこのグループステージではプレーするのが難しいかと思われたが無事復帰。その関係で、イエローカードを1枚ずつもち、2枚目を受けるとラウンド16で出場停止となるチアゴと瀬古をベンチスタートにすることができた。


■クレイトンのポジション

キックオフ直後のプレーで左SBの3番ダニ・カンセラからトップにボールを当て、この処理を西尾がミスしたことからサイドに展開しペナルティエリア内にボールを送り込んできた傑志。勝利だけがこの試合の目的だということもあり前がかりな姿勢を見せていた。

それを象徴していたのが10番クレイトンのポジショニングだろう。

傑志の布陣は4-1-4-1がベースでクレイトンのポジションは右のIH。前線からアプローチに行くときはダムヤノヴィッチと同じ高さまで出て4-4-2になることもあるが、自分の列を超えられたときは中盤に下がる。そして前回対戦時にも書いたようにここからマンツーマン気味にマッチアップする対面の選手を捕まえるというやり方になっている。


しかし勝つことだけが求められるこの試合ではクレイトンをできるだけ高い位置に残そうとしている意図がうかがえた。

4-4-2になりアプローチに行き、そこを超えられると中盤に落ちようという素振りは見せるがアンカーの19番ファン・ヤンの脇までは戻ってこないことが多かった。

傑志のエースであるダムヤノヴィッチは高さもありゴール前で仕事はできるが、1人でボールを運んでゴールを決めてしまうというタイプではない。なのでボックス内にいるダムヤノヴィッチにボールを供給する役割としてクレイトンをできるだけ前に残しておきたかったのだろう。


しかしそうなると傑志は19番ファン・ヤンの脇が開くので2番の右SHロー・ツチュンが絞り気味のポジションを取らざるを得なくなる。

となると傑志の右サイド・セレッソの左サイドでは頻繁に為田・丸橋に対して右SBの21番トン・キンマンが2対1となる状況が生まれてくる。

セレッソが立ち上がりから左サイドからのクロスで何度もゴールに迫っていたのはこのためだった。


セレッソとして惜しまれるのはこの時間に先制できなかったことだろう。立ち上がりにあった大久保の2つのチャンスや為田のシュート。そして右サイドからは坂元の必殺技からのクロスを清武が頭で合わせるもシュートは決められなかった。


傑志は流石にこのままではヤバいと思ったのか15分ごろからはクレイトンがきちんと中盤に戻ってくるようになる。


ただ、悩ましいのはこうなればカウンターからクレイトンが運んでゴール前で待つダムヤノヴィッチにボールを届けるという形を作りにくくなること。

直前には中盤のセンターを埋めているのでボールを奪ってもカウンターで出ていくことができないのだ。

ということで傑志の攻撃ではロングボールでサイドを走らせる形が増えていく。

ダムヤノヴィッチという高さのある選手が中央にはいるが、ここに直接ロングボールを当ててもセカンドボール隊となるだろうラウル・バエナとクレイトンは間に合わない。なのでサイドを走らせるしかないのである。

しかしサイドからの単純なクロスではなかなか勝負できないし、両SHも1人で仕事を変えることができるまでの選手ではない。さらにボールを持ったとしてもチームとして特に何かができるわけでもない。ということで傑志の攻撃は停滞することになり、結局前半のシュートは0本。試合の立ち上がりから積極的に攻め込みたいという姿勢は見せていたのに0本だった。


とはいえ、クレイトンが中盤にきちんと下がるようになってからはセレッソも試合序盤のように簡単に攻め込むことはできなくなっていた。

傑志は前回対戦ではアンカーの19番が清武を捕まえるという形をとっていたが、今回はそこを変更。中盤はフラットに5人が並ぶ形になり、トップ下から色々とポジションを動かす清武に対してはIHラウル・バエナが戻るかもしくはCBロベルトが前に出るかを受け渡す形で対応していたのが印象的だった。

ただ、やはりベースは人を捕まえにかかるマンツーマンの守備なので怪しい場面はある。35分の松田陸のシュートがその象徴で、坂元が幅をとって後ろから松田陸が内側に入ってくると誰が捕まえるのかがハッキリしない。シュートは惜しくも枠の左に外れたが、これもビッグチャンスではあった。


前半はそのまま0-0で折り返し。セレッソにすればこの試合での0-0はリードしている状況なので慌てる必要はない。

もちろんチャンスを決めていればもっと楽にはなったが、落ち着いて試合を進めることができていたのではないかと思う。


■何も起こせない傑志


後半開始からセレッソは西尾に代えてチアゴを投入する。

イエローカードを1枚持つチアゴを投入したことはかなり驚いた。もし残り時間でイエローカードを受けてしまえばラウンド16が出場停止になってしまうからである。前半だけで3本のCKがあったのでチアゴを入れることで得点のチャンスが増えることは理解できる。また西尾も流石に連戦の疲労からか少し危なっかしいプレーがあったことも事実である。しかしそれでもセレッソにとってはこの試合での0-0はリードしているに等しい状態。ここでもし1点をとって1-0で勝利したところで、2-0から3-0になる程度の差しかない。なのでなぜここでリスクを犯す必要があるのかはよくわからなかった。

もし考えられることがあるとすれば、今後のリーグ戦を考えてのものだろうか。

この試合が終わると帰国し1週間後にはリーグ戦があるが、瀬古はオリンピック代表としてチームを離れることが決まっている。

そんな中で鳥海は戻ってきたが、進藤は離脱中。ということでしばらくCBはチアゴ、西尾、鳥海の3人で戦うことになる。

それを踏まえて連戦の西尾を休ませることが1つ。もう1つは今大会が移籍後初出場にしてある程度計算できる目処がたった鳥海をチアゴとともにプレーする機会を作りたいというところか。


後半も前半の中盤以降と同じ展開が続く。傑志はもう引いて守ることがメインになってしまい、もはや出ていくことができない状態になっていた。

傑志はダムヤノヴィッチ、クレイトン、ラウル・バエナ、パウロセーザルが全試合出場中、そのほかの選手もこの試合が5試合目という選手がずらりと並んでいる。スターティングメンバーの平均年齢もセレッソの29.5歳に対して傑志は33.8歳とかなり高く流石に疲労の色が隠せない。


解説の加地亮さんがサイドチェンジをすればといったことをおっしゃられていたが、崩すための手としてはそれも有効だろう。実際にこの試合では大きなサイドチェンジは少なかったように思う。

ただ、サイドチェンジはリスクでもある。引っ掛けられるとカウンターに持ち込まれる可能性があるからだ。特に傑志は両SHがほぼSBの外ぐらいまで戻ってマンマーク気味に守っているので引っ掛けられる可能性もある。

なので0-0とはいえ実質リードのセレッソにとってはそんなリスクを負う必要はないと思う。

それよりも崩す形であれば、ロティーナ監督時代に札幌や仙台などマンツーマン気味に捕まえにくるチームに使っていたポジションを入れ替えるローテーションアタック。この試合でいえば松田陸が内側に入って坂元の内側のレーンを飛び出してくる動きが有効だったので、その頻度を増やすのが有効かなと感じた。とはいえ何度も書いているように0-0はリードなのでこのままでも特に問題はない。


セレッソは62分に大久保と為田に代えてアダム・タガートと高木俊幸を投入。傑志も直後の65分にロー・ツチュンに代えてアレックス・アカンデを投入する。

アレックス・アカンデもこの試合が5試合目。うち先発は1試合のみなのでスーパーサブ的な選手なのだろう。前回対戦時にはダムヤノヴィッチに代わって1トップに入ったが今回は右サイド。唯一先発した広州戦でも右サイドでプレーしていた。


セレッソは72分に鳥海に代えて瀬古歩夢を投入。瀬古も使うらしい。そして傑志は74分にアンカーのファン・ヤンに代えて28番のチュン・チンルンを投入しラウル・バエナがアンカーに移動する。

そして80分に前回股関節か内転筋かを痛め途中交代していたアダム・タガートが同じ箇所を痛めたようで加藤陸次樹と交代。さらに82分に傑志はマシュー・オアに代えてチャン・シンイチを投入。


終盤にかけて勝ちたいが足が動かない傑志は少しラフなプレーが増え、怪我に繋がりかねない危ない場面もあったが、終始セレッソがゲームを掴んだまま試合終了。0-0の引き分けに終わり、セレッソのグループステージ首位突破が決まった。


■その他

無事グループステージ首位突破が決定。力関係から考えれば順当とも言える結果だが、中2日での6連戦、慣れない環境での隔離生活とかなりハードな環境を勝ち抜いたチームは素晴らしいと思う。

9月の予定となっているノックアウトステージの対戦相手は、翌日にG大阪が敗退してしまったことで名古屋と同グループだった浦項が濃厚。

そして元々R16は一発勝負だったが、準々決勝以降もセントラル開催での一発勝負が決定している。


正直なところ、今回のACLグループステージはこれまでにない恵まれたグループで、セレッソと他のチームには力の差がかなりあったので書くことがほとんどない試合ばかりだった。

しかしこのグループステージを通じてチームが得たものは多くあったので、次回はそれをまとめてみようと思う。



2 件のコメント :

  1. 連戦でのブログアップお疲れさまでした。

    チアゴ投入で1点とれても1-0が2-0、3-0になる程度・・・
    それで終盤失点してきたので、相変わらず攻めたいんやな~と思ってました。

    序盤で決めきれていたら展開も変わってた・・・
    そこも決めきれずリーグ戦で1ヶ月程未勝利なのも相変わらず。

    安定して戦えたと見るべきか、結局リーグ戦から熟成出来なかったのと見るべきか。

    このACLは得られたものもありましたが、次のブログ更新楽しみにしています。

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  2. おつかれさまです。
    社長も手応えを感じたと言っているようでした。
    おっしゃるとおり格下ばかりの恵まれたグループでいわば当然の結果を出しただけ、むしろそんな相手に6戦全勝出来なかったことに危機感を覚えてもいいんじゃないかと思うぐらいでしたが社長や監督の認識は違うようですね。
    ガチガチのフルメンバーで天皇杯1回戦レベルの相手とリーグ戦やってなんとか勝てるぐらいの力しか無いことと、過密日程も続く後半戦に向けてむしろ不安しかないですが。

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