2021年11月7日 16時00分:三協フロンテア柏スタジアム
予想スタメン |
前節から中3日で迎える明治安田生命J1リーグ第35節、セレッソ大阪は敵地三協フロンテア柏スタジアムで柏レイソルと対戦。ようやくこの試合がカップ戦も含めたアウェイゲーム4連戦の最後となる。
■前回の対戦
前回の対戦は2月27日に行われた今季の明治安田生命J1リーグ開幕戦。
柏が前半に退場者を出したこともあり、セレッソが大久保、坂元の2ゴールで危なげなく逃げ切っている。
前回対戦時のスターティングメンバー |
両チームのスターティングメンバーは上記。
クルピ監督の初戦となったセレッソは今季加入した原川力、大久保嘉人を起用。さらに新外国籍選手のチアゴがまだ入国できず、緊急獲得したダンクレーもまだプレーできる状態ではない。さらに進藤も怪我からの復帰段階ということでCBに2年目の西尾隆矢を起用。
いまではすっかりレギュラーポジションを確保したが、この試合が西尾のJ1初出場となる。
一方の柏の布陣は上の図では4-1-2-3となっているが実際は中盤をダイヤモンド型にした4-4-2(4-3-1-2)。江坂任がトップ下に入り呉屋大翔とクリスティアーノの2トップとなる。
得点はもちろん実は戦術面においても昨季はチームの核であったオルンガが抜けたことでどういった戦い方を取るかがこの試合最大の注目点だった。
試合の立ち上がりは柏ペースだった。
ペースを握った要因は柏のプレッシング。江坂が1列前に出て呉屋、クリスティアーノと共に3人で守備のファーストラインを作りCHへのパスを制限。SBに出たところを瀬川、椎橋のIHで一気にアプローチをかける形を取る。
これに対してセレッソはボールを運べない。セレッソはクルピ監督になったことでビルドアップが全く手つかず状態。セレッソの最終ラインはプレスに来る柏に対して対抗できなかった。
しかし12分にキム・ジンヒョンから清武へのポイントに落とすパスが出たことをきっかけに、セレッソは清武、坂元、大久保が柏の中盤3人の背後でボールを受け始めると、ボールを運ぶことができるようになる。
すると柏は徐々に苦しい展開に。柏もビルドアップの部分が整備できていないので、前でボールを奪うことができないとなかなかボールを運べないからだった。
そんな中で柏のCB上島が最終ラインの背後に抜け出す大久保を後ろから引っ張って倒してしまいファール。決定機阻止、DOGSOでレッドカードが出され上島は退場となる。
これで柏は4-3-1-2を維持できなくなり呉屋をベンチに下げ4-4-1に。これでセレッソは立ち上がりに苦しんでいたビルドアップが一気に解消された。
すると42分に松田陸のクロスから大久保嘉人がJ1通算186得点目となるゴールでセレッソが先制。85分には加藤のシュートのこぼれ球を坂元が詰め2-0とし試合終了。
セレッソも柏もチームの課題として残り続けるビルドアップ面での課題が出ながらも、セレッソが危なげなく勝利を奪った。
■現在の柏レイソル
開幕前はオルンガがいなくなったことで「得点力ダウン」という部分がクローズアップされていたが、実際にフタをあけてみるとそれ以上にボールを運べないという課題を抱えていたことが明らかになった柏レイソル。
オルンガは得点力はもちろんだが、アバウトなボールであっても前線に蹴っていれば抜群のスピードを活かしてロングカウンターに持ち込むことができていたのだ。
ということで今季前半戦はかなり苦しむことになった柏。
シーズン半分を迎えた第19節終了時点では残留圏ギリギリの16位あたりをさまよう状態となっていた。
また夏の移籍期間ではチームの中心だった江坂が浦和へ、今季の得点源として期待されていた呉屋が大分へと移籍。浦和から武藤雄樹を獲得したもののこのまま厳しい状態が続くかと思われた。
しかし第20節の湘南戦で勝利を挙げるとここからの9試合で6勝1分2敗と一気に勝ち点を積み重ねることに成功。これで一気に楽になった。
再び直近の6試合では1勝1分4敗と黒星を重ねているが、降格圏とは勝ち点7差の14位と少し余裕がある状態になっている。
序盤に苦しんでいた時に3バックに変えていた柏だが、現在の布陣は4-4-2。
しかしボール保持ではCHの1人が最終ラインに下がり、両SBが高い位置に、そして片方のSHは前線に、片方のSHは中盤センターに下がってくる形の3-4-2-1になる。
なかなかボールが運べなかった中で、こうして形をずらすことで何とか改善策を作ってきたのは流石ネルシーニョ。誰もが知る経験があり、かつ柔軟性もあるというのは本当にすごい。そして3-4-2-1になればシャドゥのポジションで経験も実績もある武藤が輝くことができる。
守備に関してはやはりデュエルの強度がこのチームの持ち味。さらに4-4-2から3-4-2-1への可変でCHの選手が片方のSHにも入るため特徴である強度の高さがさらに上がっており、やはり最大の武器は前で奪ってからのショートカウンターであることには変わりない。
特に本来CHの選手が非保持ではSHのポジションに入るようになってからは、相手SBへにボールが入ったところでプレスをかけショートカウンターを狙うという形が多い。
しかしこの強度の高さを逆手に取られる場合もある。象徴的なのが第33節の浦和戦。何度もCHの裏を使われ失点を重ね、最終的には1-5と大敗を喫している。
■予想スタメン
柏レイソルの予想スタメンだが、連敗中ではあるが前々節に大敗し前節に少し選手を入れ替えているので今節は大きくメンバーを変えることはしないか。布陣はデュエルの強度を活かすためにも相手に合わせてミラーゲームに持ち込むだろうから4-4-2になるだろう。
変化があるとすれば仕組みは同じで右SHがマティウスサヴィオから戸島祥郎になるかというところか。
一方のセレッソ大阪の予想スタメンだが、こちらはどこまでメンバーを代えてくるかは読みにくい。ただし前節終盤に足を痛めていた奥埜は休ませるはず。さらに原川もこの5連戦でプレーしたのがルヴァンカップ決勝のみ、他の4試合がベンチ外だったことを考えると、CHは藤田直之と喜田陽のコンビになるか。
残留が正式に決まったことで少しメンバーを入れ替える余裕も出てきたが、次が1週間後なので小菊監督がどういう判断を下すかに注目したい。
■強度を高めて、相手の強度をいなせ
まず柏の3-4-2-1への可変に対してだが、柏よりも厄介なボール保持をする浦和や徳島に対しても4-4-2で対抗してきたことを考えると、中央を消しながらの4-4-2でのプレッシング/ブロックで十分対応できるはず。
柏は3-4-2-1でうまくいかなければ中盤を3人にしてIHがビルドアップの出口になろうとする形も持っているが、前節の徳島も同じように変化し、セレッソはそれにもきちんと対応したので問題ないはずだ。
そしてボール保持では柏のプレッシングを上回ることができるかどうか。
柏はおそらくSBをボールの狙い所として設定してくるはず。それを踏まえてセレッソはSBの立ち位置をどうするか。ボールをどう動かしどう逃すかを含めて準備しておきたい。
そして狙うのはCHの背後。基本的に柏のCHは前向きのベクトルを持って守備をしてくるのでその背後は十分狙えるはずだ。
小菊監督としてはこれまでリーグ戦で2連勝が最高。この試合に勝利できれば初の3連勝となる。
1つでも上の順位で終わるために、そしてリーグ終了後の天皇杯に向けて残り4試合。1試合も無駄にできない。
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