2021年11月19日金曜日

明治安田生命J1リーグ第36節 VS.川崎フロンターレ プレビュー

 2021年11月20日 14時00分:ヨドコウ桜スタジアム

予想スタメン

前節から2週間空いて行われる明治安田生命J1リーグ第36節、本拠地ヨドコウ桜スタジアムですでに2年連続のリーグ優勝を決めている川崎フロンターレと対戦する。


■前回の対戦

前回の対戦は3月3日にACLの関係で前倒しで行われた第11節。

今季の2試合目として行われた試合は大久保嘉人の2ゴールで前半をリードして折り返すも後半に2失点を喫し逆転負けとなった。

前回対戦時のスターティングメンバー

両チームのスターティングメンバーは上記。川崎Fは家長、レアンドロ・ダミアン、三笘の3トップに中盤はシミッチがアンカーに入り脇坂と田中がIH。左SBには旗手を起用。

セレッソは大久保が1トップに入り2列目には坂元、清武、高木が並ぶ。

川崎Fは開幕戦と全く同じ11人で、セレッソは開幕戦から奥埜と豊川が外れ藤田と高木が起用された。


立ち上がりはセレッソにとって考えられる中での最高の展開だった。

セレッソはキックオフ直後からガンガンDFラインの背後に長いボールを入れ川崎Fに落ち着く暇を与えないと、三笘を松田陸と坂元で挟み込みボールを奪取。そこから一気に坂元がボールを運び、最後はペナルティエリアの外から大久保が右足を一閃。ボールはチョン・ソンリョンの頭上を越えゴールポストの内側を叩き、ゴールに吸い込まれた。

こうして開始わずか5分で先制に成功したセレッソだったが、その2分後に山根のクロスをレアンドロ・ダミアンがボレーで合わせてゴール。開始10分にもならない間に両チームがスーパーゴールを決めて1-1となる。


ここからは川崎がボールを保持しセレッソは4-4-2のブロックで守るという展開になっていった。

今季からクルピ監督が就任したが、開幕直後のこの時期はまだ去年までの財産が残っている部分もあったのだが、それが4-4-2のブロック。この試合は対戦相手がチャンピオンチームの川崎Fということで、チームとしてもそれをより徹底しやすいという状況だった。

ただし、ボールを運ぶことについての貯金は全くのゼロ。チームとして共有されていないので藤田や清武が1人で時間とスペースをつくらないといけない状態だった。


そんな展開だったが、ここで追加点を奪ったのはセレッソ、というより大久保。22分に松田陸からのクロスを大久保がファーで合わせてゴール。松田陸のクロスは時間もスペースも無い中でかなり厳しい状態でのクロスだったが、ファーサイドまでボールを届けたことでファーサイドでの動き出しが抜群にうまい大久保がねじ込んだ。


こうして前半を1-2とリードして折り返すことに成功したセレッソだったが、後半に入ると47分に再び山根のクロスをレアンドロ・ダミアンが今度は頭で合わせてゴール。再び川崎Fが同点に追いつく。


こうなると川崎Fが圧倒。効果的だったのは、後半から多用していたCBからのサイドチェンジで、セレッソの2トップはアンカーを挟む形で守備をしているのでどうしてもCBはフリーになる。そしてそこから大きくサイドに振られると去年までの遺産で戦っているセレッソは時間の経過と共にどうしてもスライドの精度が落ち、さらに川崎FはCBとSBの間のハーフスペースに時間差で次々と選手が入ってくることで、セレッソは押し込まれる時間が続いていた。

時間の経過と共に厳しくなっていたセレッソだったが、60分ごろから試合は少しずつ試合がオープンに。その結果、セレッソも川崎Fのゴール近くまでボールを届けることができる場面もみられるようになったが、これは川崎Fの罠。オープンになればスペースができるので川崎Fの個人技やコンビネーションが活きる。

三笘が抜群の個人技での突破からレアンドロ・ダミアンとのワンツーで抜け出し62分にゴール。

これが決勝点となり、3-2で川崎Fの勝利に終わっている。


■現在の川崎フロンターレ

今季も序盤から勝ち星を積み重ね11月3日の第34節の浦和戦で引き分けたもののリーグ優勝が決定。4試合を残しての優勝という圧倒的な結果を残した。

しかし、今季は昨季よりも苦しいシーズンだったのではないかと思う。早い段階で優勝が決まったのは、昨季は降格が無く今季のJ1が実質例年よりも下のチームが多い20チームでシーズンが行われたこと、昨季の終盤まで上位を争ったセレッソやガンバが自らでチームを壊す決断を下し、名古屋もACLの過密日程に苦しんだことで、実質的な優勝争いのライバルが横浜FMだけになってしまったからだろう。


苦しんでいたのは夏の時期。その要因はシンプルで、三笘薫と田中碧というチームの主力中の主力である2人が海外へと移籍し、チームの作り直しを余儀なくされたこと。そしてさらにちょうどそのタイミングでけが人が続いたことだろう。特に谷口彰悟の負傷離脱は痛かった。

リーグ戦では優勝が決まるまでに結局第26節の福岡戦の1敗のみだったが、3点以上をとって勝つと言っていた昨季や今期序盤と比べると内容的にはかなり苦しくはなっていた。


しかしそんな苦しい状態も、ポジショニングが上手い橘田健人がアンカーに定着し、旗手怜央もIHでの出場時間を伸ばし、左WGには夏に獲得したマルシーニョが定まったことでなんとか抜け出すことに成功している。マルシーニョは三笘とはタイプが異なり爆発的なスピードで勝負するタイプの選手である。


そして最近の川崎Fだが、直近2試合は1分1敗と勝利が無い。

川崎Fが今季2試合以上勝利が無いのは、苦しんでいた夏の第24節から第26節の3試合で2分1敗に続いて2度目。ただし今回は、前々節の浦和戦では引き分けで優勝を決めており、前節は優勝を決めたあとの試合だということも考慮しないといけないだろう。


しかしこの2試合を見ていると、川崎Fはビルドアップで苦しむ場面も多かった。

以前から指摘しているが、川崎Fはボールを保持するし、パスワークも見事なのだが、ビルドアップに関しては比較的無頓着。個人に頼る部分が思いの外大きい。

なので浦和戦では江坂と小泉が前線から制限をかけコンパクトな陣形を維持したプレッシングに苦しみ、鳥栖戦では人数を合わされ捕まえられるプレッシングに苦しむ場面が多かった。


とはいえ、狭いスペースで相手を背負っても問題なくボールをキープできる家長や、CBを背負ってなんの問題もなくポストプレーをこなすことができるレアンドロ・ダミアンというスペシャルな選手もいる。そして今ではマルシーニョのヨーイドンという飛び道具もある。

なので中途半端なプレッシングでは効果がないし、また布陣をコンパクトにしなければ橘田が上手くスペースを見つけてボールを逃がすこともできる。

さらに怪我で長期間苦しんでいた大島僚太も帰ってきている。

2年連続のチャンピオンチームなので当然だが、かんたんなチームではない。


■予想スタメン

セレッソはJ1残留が確定しており、川崎Fは優勝を決めている。そんな両チームの対戦なので両チームともにこの試合というよりも、どちらも勝ち残っている天皇杯に向けて、そして来シーズンに向けての試合ということになる。


セレッソ大阪の予想スタメンだが、前節は連戦最後ということもあり大きくメンバーを入れ替える決断を下したが、この試合は通常のメンバーに戻すことにはなるだろう。ただし乾貴士が離脱。左SHには清武弘嗣が入ることになるだろう。

そして注目は今季限りでの引退を発表した大久保嘉人。小菊監督就任後に直接話し合ったそうだが、これまでは途中出場でプレーするという形が続いていた。

しかしこの試合は引退発表直後の公式戦。そしておそらくこのタイミングで発表したのは川崎Fとの古巣対戦だったからなのだろう。

となるとここで大久保の先発起用も考えられるか。大久保がスターティングメンバーに入るなら、リーグ戦では9月26日の第30節鹿島戦以来、小菊監督就任後2回目となる。


川崎フロンターレの予想スタメンだが、こちらも前節は大きくメンバーを入れ替えた。しかしこの試合は休養十分。前節休んだ、レアンドロ・ダミアンや家長昭博、谷口彰悟らは戻ってくることになるだろう。

ただし前節途中出場途中交代となったジェジエウは左膝前十字靭帯損傷の大怪我でブラジルに帰国となっている。

そして心配なのは日本代表アウェイ2連戦で連続フル出場となった山根視来。ここはちょっと代わりとなる選手がいないのでスタメン起用が濃厚かとは思うが、同じく日本代表でチームを離れていた谷口や旗手と比べてもコンディション的にはかなり厳しいのは間違いないだろう。


■川崎Fのビルドアップを許すな

先にも書いたが、川崎Fはその他の部分に比べるとどうしてもビルドアップの部分が無頓着に見える。なので狙いたいのはやはりそこ。もちろん自陣でブロックを作るだけだと厳しいからでもある。

やり方としては人数をあわせるというよりもコンパクトにすること。特にFWーMF、MF-DFのライン間をどれだけ狭く出来るか、そしてそこにどれだけ速くプレスバックできるかが鍵になるだろう。

橘田に息をつかせるスペースを与えない、背負って受ける家長やレアンドロ・ダミアンから、身体をぶつけることをいとわない旗手からどれだけ時間を奪えるかが最大のポイントである。

おそらく左SBには登里が起用されることが濃厚で、SBからボールを運ぼうとしてくると思われるので、SBにボールが入った時にどれだけ準備できているかがポイントとなる。


攻撃面では大久保嘉人だ。

リーグ戦は残り3試合。現在J1通算191ゴールなので念願の200ゴールまで9点足りない。

はっきりいってかなり厳しいことは間違いないが、3試合連続ハットトリックで達成できるし、オルンガは1試合で8点とった。大久保も前回対戦では2点を奪っている。

そう考えればまだ諦めるには早いし、たとえ届かなかったとしてもどれだけ近づくことができるか。

2001年のアウェイヤマハスタジアムで退場になった試合で決めたJ1初ゴールから始まったゴールも残すところあと3試合。

1つでも多く歓喜の瞬間を共に喜びたい。


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