セレッソ大阪 | 2 | 0 | 前半 | 0 | 1 | モンテディオ山形 |
2 | 後半 | 1 | ||||
延長前半 | ||||||
延長後半 | ||||||
PK戦 |
フォーメーション |
セレッソ大阪 | モンテディオ山形 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 番号 | 位置 | シュート | シュート | 位置 | 番号 | 選手名 |
松井 謙弥 | 1 | GK | 0 | 0 | GK | 16 | 中村 隼 |
藤本 康太 | 4 | DF | 1 | 0 | DF | 2 | 小林 亮 |
丸橋 祐介 | 14 | DF | 1 | 0 | DF | 4 | 西河 翔吾 |
酒本 憲幸 | 17 | DF | 1 | 1 | DF | 5 | 前田 和哉 |
山下 達也 | 23 | DF | 1 | 0 | DF | 14 | 宮本 卓也 |
扇原 貴宏 | 2 | MF | 2 | 4 | MF | 31 | ブランキーニョ |
山口 螢 | 6 | MF | 2 | 2 | MF | 15 | 宮阪 政樹 |
シンプリシオ | 7 | MF | 0 | 1 | MF | 19 | 秋葉 勝 |
ヘベルチ | 37 | MF | 2 | 1 | FW | 30 | 山﨑 雅人 |
ケンペス | 9 | FW | 0 | 3 | FW | 9 | 中島 裕希 |
柿谷 曜一朗 | 13 | FW | 0 | 0 | FW | 39 | 林 陵平 |
荻野 賢次郎 | 30 | GK | GK | 1 | 清水 健太 | ||
舩津 徹也 | 5 | MF | DF | 25 | 岡根 直哉 | ||
吉野 峻光 | 15 | MF | 0 | 1 | DF | 6 | 山田 拓巳 |
枝村 匠馬 | 16 | MF | 1 | MF | 8 | 船山 祐二 | |
横山 知伸 | 18 | MF | 1 | MF | 17 | 廣瀬 智靖 | |
播戸 竜二 | 11 | FW | MF | 22 | 永田 亮太 | ||
杉本 健勇 | 41 | FW | 2 | 2 | FW | 24 | 比嘉 厚平 |
13 | シュート | 16 |
---|---|---|
12 | GK | 10 |
6 | CK | 4 |
12 | 直接FK | 10 |
1 | 間接FK | 5 |
1 | オフサイド | 5 |
0 | PK | 0 |
セレッソ大阪 | モンテディオ山形 | |
---|---|---|
杉本(59') 藤本(89') | 得点 | 前田(50') |
ケンペス→杉本(46'HT) ヘベルチ→枝村(46'HT) シンプリシオ→吉野(84') | 交代 | 小林→山田(61') 山崎→廣瀬(61') ブランキーニョ→比嘉(73') |
扇原(90'+6) | 警告 | 西河(38') 小林(49') 西河(90'+5) |
退場 | 西河(90'+5) |
天皇杯3回戦は前田、宮本、船山、ブランキーニョと元セレッソの選手が4人もいる山形との対戦。
山形は宮崎での練習試合も見たけど、小林監督時代と比べて全く異なるサッカーをやっていたのでかなりインパクトがあった。当時はアンカーに宮坂を置いた中盤をダイヤモンドにした4-4-2でやっていて、開幕してからもその形が多かった様な気がするけどいつの間にかボックス型の4-4-2に変わってた。
って事で山形のメンバーは直前の熊本戦からは、GKの清水が公式戦初出場らしい中村に、右SBに小林で左SBに石川ではなく宮本が回り、CBに西河と前田と後ろのメンバーが大幅に変わっており、左SHに熊本戦は途中投入だった山﨑が入っていた。
一方セレッソのメンバーは、キム・ジンヒョンが代表で不在でGKに松井、鳥栖戦で足を痛めて交代した茂庭の位置には山下が入り、鳥栖戦ではサスペンションだった丸橋を左SBに戻した最低限の交代だけのほぼベストな布陣。
ちなみに鳥栖戦の反省なのかベンチに両SBができる舩津が入っていた。
■山形の守備
戦力、J1とJ2、9月以降のリーグ戦でも4勝1敗と2分4敗という状況を考えてもセレッソはいつも通りのやり方でくる。なのでそれに対して山形がどういう形で守るか、そしてそこからどういう形で攻めるかがポイントになる。
キックオフ直後の山形 |
がしかし、これは試合への入り方を意思統一するという目的でやっているだけで、力関係を考えてもこんな無謀な形を90分やっていくつもりはさらさら無い。ということで前線から追いかけたのは立ち上がりの5分ぐらいだけの話しで、5分をすぎるとセレッソが後ろでボールを持つと山形はスッとブロックを作るようになる。
山形のブロック |
ブロックのスタート地点、2トップの位置はセレッソのボランチの前、そこからかなりコンパクトなブロックを作る。
山形が普段こういうブロックを作っての守備をどれだけやっているのかは知らないんだけど、このやり方についてしっかり準備できている様で、ブロックの外側、セレッソのボランチとCB、山形のMFラインの前にいる場合のセレッソのSBがボールを持っても決して深追いするような事はなくブロックを崩さない。そしてブロックの中に入ってきたボールについてはコンパクトになっているので激しく潰しに来るという事が徹底されていた。
■セレッソの攻撃
山口が下りてくる |
そこで先ず行ったのは、ここ数試合と同じように山口がボランチのラインに降りてくる。
山形はMFのラインを崩す事は無いので、山口のこの動きでまず4-4-2の2を剥がしはじめる。
ただここから先もかなり強固なんですよね。
ブロックの中にボールを入れられない |
となると、山形のラインはかなり高いので裏のスペースを使いたい所なんだけど、ケンペスも柿谷もヘベルチも裏へ抜けるようなプレーはほとんど無かった。
唯一裏であったのは酒本がハーフウェイ辺りからロングシュートを狙ったぐらい。
両サイドを使ってブロックを広げる |
ただ、ボールをサイドに展開する前に後ろに人数をかけており、SBにボールが入っても縦に行くだけだったので、よほどいいクロスが入らなければ山形の中央は人数が揃っている分なかなか難しいという状況になっていた。
しかし山形の4-4のブロックの中で右サイドのところは少しあやしい。
前のブランキーニョのプレスバックはほとんど無く、1対1でも小林に対して丸橋の方が優勢だったので可能性があるとすれば丸橋の所か。
ただ、それでもさっき書いたように中には人数がいるので本当は丸橋が単純に縦ではなくって、間で受ける選手に斜めのパスを入れたいところなんだけど。
■山形の攻撃
山形のカウンター |
基本的には2トップがサイドに流れてボールを受けそこにブランキーニョや山﨑が絡むという形が多かったが、危険だったのはCBの前を使われた時。
セレッソは山形の2トップは剥がせていたのでボランチが4-4のブロックの前でボールを持てる。けど、その中へボールを入れる時に引っ掛けられる。
そこからはじまるカウンターの時にセレッソのボランチが相手の中盤に当たりに行くんだけどここでかわされるとセレッソの2CBが無防備な状態で対峙してしまう。
実際最後松井がセーブしたが、29分にはブランキーニョのスルーパスから中島がGKと1対1になる場面を作られてしまう事もあった。
ただ、山形はセレッソと打ち合いの状態には絶対したくなかったんだろう。
カウンターを受けるようなリスクは徹底的に排除してカウンターでもあまり無理はせずに、行けなければすぐにゆっくりとしたボール保持に切り替える。
またもう少し縦パスやドリブルでテンポアップしてもよい場面でも、多少強引にでもミドルシュートやロングシュートを打ってくる場面が多く見られた。
■山形が先制
ハーフタイム〜 |
ケンペスは狭いブロックの中でほとんど何もさせてもらえなかったし、またヘベルチは中に入ってきても間で受ける事ができないのでよくひっかかってたので、中央でボールを受ける事ができる枝村に代えてきた。
しかしここでゲームが動く。
50分、ブランキーニョのCKに前田が合わせて山形が先制。
飛び出したのに触れない、しかも前田の裏に出てしまうという松井のミスなんだけど、山形にとっては大きい先制点が入った。
■セレッソの左サイド
先制を許した事でセレッソは少し前への意識を強める。
ヘベルチに比べて枝村は中央で受けることができるので、前半に比べるとまだ攻撃の形になりそうな場面は増える。
セレッソ左サイドからの攻撃 |
ということで杉本が体をはって縦に入れれる場面もなく、枝村もブロックの中でのプレーを続けられてできている訳では無かった。
が、しかし枝村が入った事でブロックの外だとしてもよくボールを受けてくれるので、前半から怪しさがあった山形の右サイド・セレッソの左サイドでボールを運べる場面が増える。
そして59分、丸橋が枝村と絡んで運んだボールを最後山口とのワンツーで深い位置まで入り込みファーへのクロスを上げる。それをセカンドストライカーの様に後ろから入っていった杉本が頭で合わせて同点に追いつく。
■試合展開
61分〜 |
さんざん丸橋にやられた右サイドのテコ入れとして、山田を小林に代えて投入し左SBに、そして左SBだった宮本を右SBに回し、左SHだった山﨑に代えて廣瀬を右SHに入れてブランキーニョを左にまわしてきた。
73分〜 |
そこで73分に山形はブランキーニョに代えて比嘉を同ポジションのまま入れる。
これで山形は3人の交代枠を使い切る。
そして試合が膠着状態に。
84分〜 |
しかしそんな中…唐突に89分藤本がもの凄いロングシュートを突き刺して2-1とセレッソが逆転する。
枝村や吉野が入ってボールを回す事ができるようになり、時間も終了間際だったので山形の守備ブロックが前半に比べてかなり低くなっていたという面はあるものの、藤本がシュートを打った場所は守備ブロックの外なので山形としてはあそこに当たりに行く事はできない。
もう山形にしてみたら交通事故の様なスーパーゴールだった。
その後CBの西河をパワープレー要員として前線に上げるも藤本との競り合いの時にヒジを出して2枚目のイエローで退場。西河は前半からヒジを使ってブロックするシーンが見られていた。
また山口と比嘉がヘディングの競り合いで両者出血というアクシデントがあったもののそのまま試合終了。
2-1でセレッソの勝利となった。
■その他
この勝利で12月シリーズに進む事が決定。
しかし山形のブロックにはかなり苦労しました。
s
途中でも書いたように今のチームにはこれまでの香川・乾・清武・倉田の様なセレッソのシャドーはいないんですよね。
彼らがやっていたのは、ゾーンの間、俗にいう三角形の中心でボールを受ける、そして前を向く事でゾーンをずらす、そしてそこでショートパスやドリブルを使う。
これで相手のブロックを崩してきたんですよね。
この受けるプレーで中央偏重になってしまっていてもとりあえずシュートまでは持って行くことができていましたし。
丸橋から三角形の中心にいるシャドーに斜めのパスを入れて相手を動かす。というのがセレッソの攻撃のスイッチになっていました。
途中クルピからは柿谷に引いてボールを受けるように指示が出ていましたが、柿谷はこのプレーはあまり上手くないし、ヘベルチも2列目の選手とはいえどちらかと言えばボギョンタイプなんで動いて受けるというプレーも上手くない。
唯一枝村には少し可能性がありますが、受けて前を向くという部分に関しては歴代のシャドーに比べて物足りない部分があります。
また終盤に入ってきた吉野も、ブロックの外からドリブルで進入することで相手を動かそうというプレーはあるものの、三角形の中心で受けるプレーに関してはちょっと違う。
まあ彼らには違った部分で別の良さがありますし、この三角形の中心でボールを受けるという能力は、その能力を世界のメガクラブであるマンチェスター・ユナイテッドが欲して香川が移籍するぐらいなのでかなり特殊能力なんですけど、これまでは毎年複数人いただけにいなくなってちょっと寂しさを感じてしまいました。
香川が元々そういう素養をもっていた所に、さらに乾と出会ったことでお互いに高め合い、それをみた移籍してきたばかりの清武が「あの2人はヤバいッス」って言いながら自分にも取り入れ、さらに乾と清武に触発されて倉田が自分なりの解釈で受け方を掴んでいったという流れがあっただけにね。
試合には直接関係ないけど、この試合を見て出来ればこれからはこのセレッソのシャドーをユースから作りたいなあと感じました。
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