セレッソ大阪 | 3 | 1 | 前半 | 1 | 2 | サガン鳥栖 |
2 | 後半 | 1 | ||||
延長前半 | ||||||
延長後半 | ||||||
PK戦 |
フォーメーション |
セレッソ大阪 | サガン鳥栖 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 番号 | 位置 | シュート | シュート | 位置 | 番号 | 選手名 |
キム ジンヒョン | 21 | GK | 0 | 0 | GK | 1 | 赤星 拓 |
茂庭 照幸 | 3 | DF | 0 | 1 | DF | 15 | 丹羽 竜平 |
藤本 康太 | 4 | DF | 0 | 0 | DF | 5 | キム クナン |
酒本 憲幸 | 17 | DF | 0 | 0 | DF | 20 | 呂 成海 |
児玉 新 | 22 | DF | 1 | 0 | DF | 3 | 磯崎 敬太 |
扇原 貴宏 | 2 | MF | 0 | 0 | MF | 8 | 水沼 宏太 |
山口 螢 | 6 | MF | 0 | 1 | MF | 6 | 岡本 知剛 |
シンプリシオ | 7 | MF | 2 | 0 | MF | 14 | 藤田 直之 |
ヘベルチ | 37 | MF | 1 | 1 | MF | 10 | 金 民友 |
ケンペス | 9 | FW | 1 | 2 | FW | 22 | 池田 圭 |
柿谷 曜一朗 | 13 | FW | 5 | 4 | FW | 11 | 豊田 陽平 |
松井 謙弥 | 1 | GK | GK | 12 | 奥田 達朗 | ||
山下 達也 | 23 | DF | 0 | DF | 2 | 木谷 公亮 | |
吉野 峻光 | 15 | MF | 0 | 0 | DF | 4 | 小林 久晃 |
枝村 匠馬 | 16 | MF | 1 | MF | 7 | 船谷 圭祐 | |
横山 知伸 | 18 | MF | 0 | MF | 28 | 高橋 義希 | |
播戸 竜二 | 11 | FW | FW | 9 | トジン | ||
杉本 健勇 | 41 | FW | 0 | FW | 25 | 早坂 良太 |
11 | シュート | 9 |
---|---|---|
12 | GK | 8 |
5 | CK | 2 |
12 | 直接FK | 6 |
3 | 間接FK | 1 |
2 | オフサイド | 0 |
1 | PK | 1 |
セレッソ大阪 | サガン鳥栖 | |
---|---|---|
柿谷(27') オウンゴール(76') 柿谷(86') | 得点 | 金(20') 豊田(70') |
扇原→枝村(65') 児玉→吉野(74') 茂庭→山下(83') | 交代 | 岡本→高橋(56') 水沼→早坂(80') 呂→小林(90'+1) |
キム ジンヒョン(89') | 警告 | 藤田(63') |
退場 |
セレッソのメンバーは丸橋のサスペンションを受けて空いた左SBには順当に児玉が入るが、驚いたのは右SB。先月初旬に左膝の靭帯を痛めて全治7週間と診断された酒本が入った。
正式なリリースは無いが、高橋は練習にも出ていなかったので故障だと思われます。
一方の鳥栖は右SBの丹羽がサスペンションから戻ってきておりベストの布陣。
■マッチアップ
マッチアップ |
■鳥栖の守備
鳥栖の守備1 |
CBは放置して2トップはセレッソのダブルボランチをマークし、その後ろで高い位置から4-4のブロックを作る。
鳥栖の守備2 |
セレッソのCBはビルドアップの能力は低いのでこのCBを捨ててという形は、今シーズンも鹿島や柏にヤラれた形なんだけど、鹿島や柏にヤラれた時からセレッソは少し変わっている。
■セレッソの攻撃
山口がボランチの位置に下りてくる |
ということでここ数試合と同じように山口がボランチの位置に下りてくる事で相手の2トップに対して数的有利を確保してボランチを自由にする。
まあ本来ならCBを使えば良い所なんだけど、それが上手く行かず鹿島や柏に面白いようにヤラれてしまっていたので、ここ数試合はこのやり方になっている。
攻撃の幅が狭くなる |
特にこの試合は丸橋がサスペンションで不在で、代わりに入っている児玉はSBとしての能力は丸橋と遜色ないものがあるものの、中盤のサイドで組み立てに参加するというプレーは無いのでいつも以上に攻撃の組み立ての部分で幅が使えていなかった。
■鳥栖の攻撃
一方鳥栖の攻撃はサイドからが中心。
低い位置でボールを奪った場合は一旦2トップに長いボールを当てることもあるが、そこからボランチを経由してサイドに展開してクロスという形が多い。
試合が動いたのは前半20分で、スローインからサイドに寄ってくる池田を藤本がマークした状態でボランチの扇原と左SBの児玉が縦に抜ける水沼を全く捕まえておらず、シンプルに縦に抜けだされて折り返しを金民友に決められて鳥栖が先制。0-1となる。
豊田は原則ファーサイドにおりその豊田をCBの1人が必ず捕まえている状態にしているので必ず穴が空く。それをボランチかSBでカバーしなきゃいけないんだけど、それが出来ていなかった。この時は単純に連携ミスだと思っていたけど、どうやら鳥栖はこれを狙っているらしい。
同サイドにSHを寄せる鳥栖 |
まあこれは豊田という高さに絶対的な自信のある選手がおり、そこに合わせる、またそこのこぼれだまを池田に狙わせるという事なんだと思うんだけど、こうなるとセレッソのCBはこの2トップを空ける事もできないのでCBが揃ってファーサイドにポジションを取る事になり、SBとCBの間にスペースが出来る。
こうなればセレッソはSHが下りてSBが絞るか、ボランチの1枚にカバーをさせるかになるが、鳥栖はそうさせないように逆サイドのSHが同サイドに流れてきて水沼と金民友が同サイドでプレーするシーンが多く見られた。
先の失点シーンだけでなく、同じスローインでも再びこの間を狙われたシーンや、サイド攻撃でもニアゾーンを使われる事があった。
■試合展開
柿谷がサイドに流れ始める |
そして27分にセットプレーから追いつく。
ヘベルチのFKが相手の壁に当たって得たCK。
ヘベルチのCKをシンプリシオがニアでスラしファーの柿谷が合わせて同点。
鳥栖は11人全員でゾーンで守るが、ああいうニアでスラしたボールは何人いようがゾーンではどうしても守りにくい。セレッソは当然鳥栖の守り方を知っているのでニアに、シンプリシオ、山口、藤本を走りこませていた。
しいていうならシンプリシオに前に入られてしまった豊田が前で跳ね返さなきゃいけない場面かと。
またその直後には酒本のアウトにかけたクロスをファーサイドで詰めた児玉が合わせるもシュートは枠外となり、このままセレッソペースになるかと思われたが鳥栖も強度の高いディフェンスでセレッソの中盤に簡単にプレーをさせずその後は一進一退の状況のまま前半終了。
セレッソとしては後ろでボールは持てるのでそれほど嫌な展開では無いが…
■後半
後半の立ち上がりも前半と同じような展開。
56分〜 |
65分〜 |
扇原は鳥栖が狙っていたCBとSBの間のスペースの対応が上手くいっていなかったので、より後ろのスペースを守れる山口を落とした形か。
しかしこの辺りからセレッソの中盤にも疲れが見え始め、鳥栖にボールを運ばれる場面が少し増えてくる。最後の局面では何とか跳ね返していたがちょっとイヤな流れかなとおもっていたら…
相手のハイボールをシンプリシオが後ろにヘディングしてしまい金民友に抜けだされてしまう。マイナスのクロスから池田のシュートは何とかブロックするもそのこぼれ球が豊田の足下に転がりゴール。70分に1-2と再びリードを許してしまう。
しかもこのタイミングで児玉が足をつったかで痛めてしまう。
74分〜 |
■ヘベルチと吉野
この交代でセレッソは息を吹き返した。
枝村、吉野とSHにフレッシュな選手が入った事でSBのサポートに入れる。
攻撃の時に幅を作ることが出来るようになる。
藤本の大きなサイドチェンジを酒本が収め、そこに素早く吉野がサポート。
ここでポイントをつくれると左サイドはがら空きで、そこにヘベルチがオーバーラップを仕掛けてクロス。こうもキレイに左右にふられてしまうと中央でマークを掴むのは難しくなるのも当然で、ヘベルチのクロスをフリーのケンペスが当たったか当たってないか微妙なところながら呂成海に当たりゴールに吸い込まれて2-2の同点となった。
吉野とヘベルチの関係 |
これがまたハマった。
吉野はサイドで開いてボールを受けてくれるので、ヘベルチが縦だけでなく中へも入って行く事が出来る。
ヘベルチが中に入れば吉野は開いたままで、縦に出れば吉野は中へ、とこの2人のポジションチェンジを鳥栖はなかなか捕まえられない。
80分〜 |
83分〜 |
そして86分。再び藤本から酒本への大きなサイドチェンジから枝村のサポートでポイントを作り、今度はワンツーを使っての縦への突破からのクロスをペナルティエリアの中で磯崎が手で止めてしまいPK。
そのPKを枝村から譲ってもらった柿谷が落ち着いて決めて3-2とついにセレッソが逆転する。
このまま終わるかとおもった89分に山口が与えたFKからのクロスをキム・ジンヒョンがパンチングで逃れようとしたのが呂成海にクリーンヒットしてしまいPK。
まあ故意では無いプレーだったけど、あれだけ思いっきりパンチが入ってしまったら仕方が無い。
このプレーで鳥栖は呂成海から小林に交代している。
しかしこの豊田のPKをキム・ジンヒョンがセーブ。
豊田はいつも相手を見て蹴るのでその情報も十分入っており、キム・ジンヒョンは最後まで動かずにガマンできた。
そしてこのまま試合終了。セレッソが3試合連続の3-2での逆転勝利となった。
■その他
これで今シーズン初の3連勝で順位は12位のままで変わらないものの降格圏の16位新潟とは勝ち点差8と広げ、天皇杯次第ではACLの可能性のある4位の清水までも勝ち点差6と近づいた。
こういう数字面でも大きな勝利だったけども、個人的に大きいと思うのは、鳥栖がボランチの所から守備をしてきたのにそれを跳ね除けて勝利したこと。
何度も書いている鹿島や柏にヤラれた時はもう手も足も出ない状態になってしまっていたのに、横幅の問題などがあるものの、同じ様なやり方で来たにもかかわらず勝ち切った。
あとこの試合のポイントは吉野の投入とヘベルチの左SB。
まずヘベルチの左SBだけど、後出しで申し訳ないですが、ちょっとやりそうな気はしてました(笑)。扇原が下がっている場面で後やり方があるとすれば横山を入れて藤本を左に回すぐらいだと思うんですが、ヘベルチ体も強くスピードがあってキックも正確なんで、丸橋を左SBにコンバートする人なんだからやりかねないなあと(笑)。まあ単純に左足で蹴れるのがヘベルチぐらいだったってのが大きいのでしょうけど(笑)。
また吉野については、彼は練習でもサイドで開いてボールを受けて中にドリブルしそこからスルーパスやサイドチェンジってプレーをよくやってるんだけど、それが上手く幅を作る事にもつながっていたし急造でどうしても中に入っていってしまいがちなヘベルチと上手くマッチできていたなあと。
そういえば10年は清武がこういう開いて受けて中にドリブルってプレーをよくやっていた事を思い出しました。
最後に鳥栖についてですが、
開幕でやった時に池田がある程度結果を残せればJ1でも十分できるんじゃないかとは思いましたが、ここまでゴール数は2点ながら相手からするとかなりイヤな選手になっていました。
あと何より岡本と藤田のダブルボランチが素晴らしいですね。ビルドアップでは引っかかる場面もありましたが、途中で書いたSHが片方に寄る特殊な形もこのダブルボランチが上手くバランスを取ってたのが印象的でした。
岡本はU-17の時に柿谷や水沼と一緒に出てたのでかなり印象に残ってる選手だったんですが、久しぶりに見てやっぱりいい選手でした。
岡本は広島からのローンのようなので、来シーズン以降もこのダブルボランチを残すことができるかどうかは重要だろうなと思いました。
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