2020年10月23日金曜日

明治安田生命J1リーグ 第24節 vs. 浦和レッズ プレビュー

 2020年10月24日 17時00分:埼玉スタジアム2002

予想スタメン

異例のシーズンとなった今季もいよいよ残り10試合を切った明治安田生命J1リーグ 第24節。セレッソ大阪は敵地埼玉スタジアム2002で浦和レッズと対戦する。


■前回の対戦

浦和とはルヴァンカップでも同グループだったため今季は既に2度の対戦を終えておりセレッソの2勝。1-0、3-0で2試合を通じて1点も許していない。


まずは最初の対戦となった8/5のルヴァンカップグループステージから。

セレッソにとっては思い通りに進めることが出来なかった試合ではあったが、豊川の加入後初ゴールで1-0の勝利に終わっている。

ルヴァンカップ対戦時のスターティングメンバー
この試合はルヴァンカップということで、セレッソはリーグ戦前節から松田、ヨニッチ、藤田、清武、奥埜の5人を外し、片山、木本、ルーカス・ミネイロ、柿谷、ブルーノ・メンデスを先発起用。

一方の浦和も、西川周作、橋岡、トーマス・デン、槙野、山中、青木、汰木、杉本の8人を外し、福島、岩武、マウリシオ、岩波、宇賀神、長澤、柴戸、武藤を先発起用するという形でキックオフ。

しかし開始早々に木本が負傷交代となり、5分に木本に代えてヨニッチが投入された。


セレッソはビルドアップのキーマンである松田と藤田が不在ということで、ヨニッチ(本来は木本にやらせたかった)を右に出す実験的なビルドアップを見せる。これによって右SBに入った片山をオートマチックに前に出そうという狙いだった。

しかしルーカス・ミネイロなど中盤のサポートが機能せず、浦和のプレッシングに苦しむことに。思う様な形でボールを保持することができなかった。

なので浦和にとっては狙い通り高い位置でボールを奪い返すことができているという展開になるのだが、浦和のボール保持は大外レーンからのクロスばかり。SHに幅を取らせるという狙いは見えるものの、そのSHが孤立しており、かといって1対1の勝負で優位に立っているわけでもない。なので浦和はクロスを入れるも、セレッソのCBが危なげなく跳ね返すという展開で試合が進んだ。


後半に入るとセレッソは豊川や西川潤を投入し、さらには奥埜のCH起用や、エース清武の投入で少しずつボールを運ぶ場面を作り始めると82分に西川潤からのパスを受けた豊川が絶妙なボールコントロールからシュートに持ち込みゴール。

浦和はクロスは入っているので、高さのある杉本を投入するなど色々手は打ったが戦い方の改善にはつながらずそのまま試合終了。セレッソの勝利に終わった。


2度目の対戦は9/5に行われた第14節。後半一気に3得点を奪ったセレッソが3-0と勝利している。


第14節対戦時のスターティングメンバー
ミッドウィークにルヴァンカッププライムステージ1回戦があり、セレッソにとっては中2日の試合。デサバトが離脱中ということでCHには木本を起用。2トップは都倉と柿谷となった。

一方の浦和は1週間空いての試合なので前節と同じ11人。2トップは興梠とレオナルド、SHは長澤と関根、SBは橋岡と山中が起用された。


前半は柿谷が圧倒的な個人技を見せる場面もあったが、試合展開としては互角。というよりもボールが行ったり来たりする展開だったのでセレッソにとってはあまり望ましいものではなかった。

後半開始から柿谷に代えて奥埜を投入すると、後半開始早々に坂元のクロスを都倉が身体能力の高さを見せつけるヘディングゴールを決めセレッソが先制する。

こうなると強みを発揮できるのがセレッソ。じっくり試合をコントロールしながら坂元のアイソレーションを作り、そこから仕掛けていくという展開を作る。

それが実ったのが74分。必殺技から山中をアンクルブレイクで抜き去りオウンゴールで追加点。

さらに90+3分にはこの試合がトップチームデビューとなった藤尾が相手のミスからボールを奪いゴール。トップチーム初出場で初ゴールという持ってる男ぶりを発揮した。


最初の対戦も2度目の対戦も、守備ではプレッシング、攻撃ではサイドからという共通点はあったのだが、サイドの関係には若干の変化も見て取れた。

違いがあったのはSHのポジショニング。最初の対戦ではSHは大外レーンを担当していたのだが、2度目の対戦の時はSHが内側に入ってその外側にSBが出てくるという形が多く見られた。

最初の対戦はルヴァンカップで、2度目の対戦はリーグ戦。そしてSHは2試合共に長澤と関根だが、その後ろのSBは岩武・宇賀神から橋岡・山中に代わっているのでその影響もあるのかもしれないが、幅を取る選手が変わりボールは比較的中へ中へと入ってくるのでセレッソのゾーンディフェンスの餌食になる場面が増えていた。


■現在の浦和レッズ

前節は6-0で仙台を下した浦和。

立ち上がりは、両チームともに高い位置から守備をしようとするので、ボールを奪った瞬間に自陣で相手のプレッシングを受け、試合の立ち上がりはボールを奪った瞬間が一番ピンチにつながるんじゃないのか?と思わせるほどバタバタした感じもあった。

しかしそんな正面衝突の試合で違いを生み出すのは得てして選手個々のクオリティ。そこで優位に立つ浦和が仙台を圧倒したという試合だった。正面衝突の試合は大差がつきやすい。

とはいえ、前々節の柏戦も含めようやくチームが固まりつつあるということを感じさせる試合でもあった。


前回対戦後の浦和は、札幌、清水と苦しんでいるチームにはなんとか勝利していたものの黒星が先行していた。

そして前回対戦時にSHが中に入ることが増えていたと書いたがその傾向がさらに加速。その流れからついに柏木をCHで起用する柏木の全権委任システムにも手を出し始める。

今季の序盤などでも浦和に関するコラムで「ゲームメイカー不在」といったことを書かれていたこともあったが、個人的にはそもそも今季の浦和はゲームメイカーに頼らないサッカーを目指していたと理解していた。もちろん柏木は素晴らしい選手でプレーメーカーとしての才能は国内屈指である。しかし今季浦和がトライしていたサッカーとは別物だった。

それなのに柏木システム。ということは今季のサッカーは断念するのか?とも感じていたのだが、どうやらそうでは無かったらしい。


現在のチームは両SBが橋岡と宇賀神。CHに長澤とエヴェルトン。SHがマルティノスと汰木。2トップには武藤と興梠という組み合わせになっている。

目立っているところでいえばおそらくマルティノスということになるんだろう。ストライドを活かしたドリブルはスピードがあって独特のリズムを持っている。

ただそんな個々のプレー以上に大きいのが両SHが大外からプレーを始める様になったこと。これで幅を作ることができる様になった。

以前は孤立しうまくいかなかったSHによる幅がうまくいく様になったのは武藤の存在が大きい。

間受けの達人である武藤と色々なプレーができる興梠による2トップがハーフスペースでボールに絡むことでSHが大外にいても孤立しなくなったのでSHで幅を作ることができる様になった。幅を作ることで相手の守備陣形を広げ、中でフィニッシュに持ち込むスペースができた。

なので左SBも山中である必要がなく、宇賀神が先発に定着しているのだろう。


■プレビュー

浦和レッズの予想スタメンだが、快勝した前節がベースになるのは間違いない。前節は前々節と同じ11人だったが今週は1週間空いているので問題ない。ただし、左SBの宇賀神は累積警告で出場停止。代わりに入ってくるのは前節も途中出場でプレーした山中ということになるだろう。


一方のセレッソ大阪の予想スタメンだが、こちらもベースとなるのは前節だろう。しかし前節は中2日ということもあり藤田をベンチスタートにした。今節は藤田の先発復帰が濃厚だ。


試合に勝利するためのポイントとしては1にも2にも試合をコントロールすることだ。

浦和は奪ってから速くというテーマはあるが、特にトランジションに全振りする様な攻撃回数が多いチームではない。しかしスプリントは多い。なのでセレッソとしては試合をコントロールすることでペースを落とし走らせない試合に持ち込みたい。


またできればボールを持ちたいところではあるが、ボールを持っていない時も慌てて取りに行くのではなくいつも通りスペースを埋めることを優先すること。ボールを持っていない時のキーマンは奥埜。浦和はハーフスペースを使いながら幅を使った、両サイドを使った攻撃を狙ってくるとは思うが、横浜FM戦で見せた様な消し方ができれば十分対応できるはずである。


攻撃面に関していえば、DFラインとMFラインの間をうまく使いたい。

浦和は一時の失点を重ねていた時と比べると失点数は激減しており、コンパクトなブロックを作ることができているのだが、それでもボールが横に移動した時に誰がどこをカバーするのかがはっきりしていないのかDFラインとMFラインの間にスペースが生まれることがある。

なのでそこを使うことができるかどうか。前回効果的だった坂元のアイソレーションからの形はかなり警戒してくるとは思うが、それに合わせて、右から左、左から右へと展開する中でSHを内側でフリーにする形でチャンスが生まれるのではないだろうか。


浦和のチーム状況は上向いているが、チームの緻密さ、完成度ともに上回っているのはセレッソ。

埼玉スタジアム2002での公式戦も2017年3月4日のJ1第2節に敗れたのが最後。以降は5連勝中(2017年ルヴァン決勝勝利、2017年天皇杯決勝勝利、2018年スーパーカップ勝利、リーグ戦2018年・2019年勝利)である。


前節のレビューの最後にも書いたが、目の前の試合に集中することさえできれば自ずと結果はついてくる。


1 件のコメント :

  1. 残り10試合となり、いまのチームになにができて何ができないのかも見えてきましたね。
    残りカードを見る限り、大阪ダービーと最終戦(鹿島)以外は勝ち点3取れて不思議ないと思います。

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