2021年4月6日 19時00分:日産スタジアム
予想スタメン |
明治安田生命J1リーグ 8節、敵地日産スタジアムでの横浜F・マリノス対セレッソ大阪の一戦は火曜日開催。前節に引き続き他のカードよりも一足先に行われる。
■2021年の横浜F・マリノス
一昨季のリーグチャンピオン横浜F・マリノス。昨季はACLの関係で22連戦というとんでもないスケジュールとなり9位に終わったが、4季目を迎えたポステコグルー体制がすっかりと定着。今季も1試合延期となっている関係で順位自体は8位だが、3勝2分1敗とまずまずの成績を残している。
近年の横浜FMは毎年の様に多くの選手を獲得してきたが、今季はかなりおとなしめ。
チームを離れたエリキ、ジュニオールサントスの両外国籍選手に代わってエウベルとレオ・セアラは獲得したが、日本人選手は興国高校から加入した4人をはじめ新人選手がほとんど。
とはいえその中でも大分から岩田智輝しているのでチーム力としては上積みされている。
基本の布陣は昨季同様の4-2-1-3。プレシーズンでは3-3-1-3にチャレンジしており今季はこの形で!といった報道が多数出ていたがいつの間にかそんな話もなくなった。
レギュラー格の選手は、GKはオビ・パウエル・オビンナ。流経大卒のルーキーだった昨季は当初栃木に期限付き移籍していたが、10月にACLに向け呼び戻されると11/27の試合でトップチームデビュー。続く川崎F戦で高丘陽平が退場になると交代で出場し小林悠のPKをストップ。その勢いのまま出場したACLでは正GKとして大活躍をみせるという絵に書いたようなシンデレラストーリーでポジションを獲得した。
DFラインは右SBが先日の日本代表でも活躍した松原健、CBはチアゴ・マルチンスと畠中槙之輔の不動のCBコンビ。左SBはティーラトンが出場していたが負傷離脱すると高野遼が2試合、前節は小池龍太が出場した。
そして大分から加入した岩田だが、開幕戦は変速4バックの様な形をとったので3バックの右でスタートしたが、後半からは4バックに戻し右SBでプレー。しかし2節以降はCHでプレーしている。前節は松原健が代表帰りということで休ませたかったのか再び右SBに入ったが、ここのところ中盤での起用が増えている。
そんな中盤は、不動の存在となっているのが扇原貴宏。もう1人を岩田か渡辺皓太で回しており、前節途中出場でようやく喜田拓也が戻ってきた。
トップ下に入るのは、マルコス・ジュニオール。しかしどうやら怪我で離脱しているようで、前節はオナイウ阿道が先発し、途中から天野純が出場している。
3トップは右は仲川輝人、左は開幕戦では興国高校から加入したルーキー樺山諒乃介が抜擢されたが、現在は新外国籍選手のエウベルがポジションを掴んでおり、前節は見事なボレーシュートで移籍後初ゴールを上げている。
CFに入るのは前田大然。開幕当初はオナイウ阿道が起用され、前田は左WGで出場していたが第3節の福岡線以降はCFとして固定された。
そしてこの前田のCF起用が今のチームの大きな核となっている。
横浜FMといえば以前から敵陣制圧型とでも言おうか、敵陣に素早くボールを運び、そこでボールを失えばすぐに守備に切り替えプレッシングを行うという戦い方を取るチーム。
なのでボールロストも多いがすぐに奪い返すので結果的にボール保持率も上がっている。
これを実現するために、DFラインはかなり高く設定されており、背後はCBとGKでカバー。負担は大きいがそれが出来る選手を揃えている。
ざっくりと昨季までと共通しているベースの部分を書くとこういうことなのだが、そこに加わった今季の特徴が先に書いた前田のCF起用による部分である。
今季の横浜FMはとにかくプレッシングが速い。その旗振り役となっているのが前田なのだ。
プレッシングといっても迎撃型や誘導型などいくつかの形があるが、横浜FMのプレッシングはスピード優先でボールホルダーに襲いかかるというもの。
選択肢を削り取るというよりもとにかく時間を与えないというやり方である。
ボールホルダーに襲いかかるということは人が優先されているので、もしそこを外すことができればスペースはある。しかしプレーのテンポをどんどん上げていくのでなかなか普段どおりのプレーするのは難しい。しかし横浜FMはハイテンポのサッカーに慣れているので主導権を握りやすい。ロティーナのセレッソがテンポを落としてプレーすることでゲームを支配していたこととは全く逆の形だが、テンポをコントロールすることで主導権を握ろうとするという部分では共通している。
ボール保持についても少し触れておくと、ボールを運ぶのはサイドからという形が多い。
仲川はもちろん、エウベルもスペースがある状態で前を向くと強くて速い。
アタッキングサードではサイドからクロスという形がメインだが、大外レーンでWGがボールを保持すると、ハーフスペースにボールサイドのCHもしくはトップ下のマルコス・ジュニオールが入ってくる。
4-2-1-3なので2CHが横に並ぶ形がベースとなっているが、ボールサイドのCHはIH的な動きを見せる。
人が変わったので若干のマイナーチェンジはあるが、基本的な考え方は昨季までとはそこまで大きな変化は無い。
不安点とすれば怪我人が少し増えていること。
オビ・パウエル・オビンナも怪我をしたのか前節はベンチ外となっており、アタッキングサードで大きな存在となっているマルコス・ジュニオールも前節は欠場。CBに怪我人が出ていないのは幸いだが、攻守のキーマンがいないのはツラい。
前田は3月19日に肉離れで全治2〜3週とのリリースが出たが、前節も元気にフル出場している。
■プレビュー
横浜F・マリノスの予想スタメンだが、前節は土曜日に試合をしているので中2日での試合となるが、メンバーはそこまで大きく入れ替えないのではないかと思われる。
変わるとすれば、前節休んだ松原と高野が入る両SBと、前節途中出場で復帰した喜田、そしてトップ下に天野の起用があるかというところか。
GKはオビ・パウエル・オビンナの状態がわからないが、おそらく怪我なので引き続き高丘になるだろう。
一方のセレッソ大阪の予想スタメンだが、こちらは前節が金曜日だったので中3日。前節のメンバーがそのまま出てくる可能性が高い。坂元、原川に代わって入った西川、藤田も及第点以上のプレーをみせた。
がしかし…試合前日に急遽新型コロナウィルス感染症の陽性診断を受けた選手が出たことが発表された。
その選手は鳥栖戦にも出場していたとのことなので、無事試合が行われたとしても欠場となる。
また陽性診断を受けた選手以外の3名が濃厚接触疑い者となっており、最大4名が欠場する可能性がある。
現在Jリーグでは陽性診断を受けた選手の名前は発表しないことになっているので現段階ではまだ誰が欠場するのかはわからないが、それ以上に一日でも早い回復を祈るばかり。そしてそれはセレッソの選手だけでなく、ここにきて増えている各チームの選手や関係者。そしてもちろんJリーグに関係する方々以外も同様。何よりも陽性診断を受けた全ての方の早い回復を祈るばかりです。
試合のポイントだが、まずは横浜FMのプレッシングに対してどう対峙するか。
ここまでは人数で解決する方法しかなく、またキム・ジンヒョンからの一山超えるパスも大きな打開策となっていたが、横浜FMのプレッシングは人が基準で、さらにGKにまで行くこともいとわない。そこでボールの逃しどころを見つけることができるかどうかは最初の大きなポイントとなる。
また今季は早いタイミングでの背後を狙う形を多用しているが、ハイラインが特徴の横浜FMにとってそれはいつものこと。チアゴ・マルチンス、畠中の両CBは抜群に強い。
なのでできれば、単純に背後だけでなくサイドを上手く使いたい。ハイライン、ハイプレスという構造上サイドはどうしてもあきがち。昨季の横浜FM戦2試合で3アシストを記録した坂元は不在となるが、同じポジションに入るであろう西川のプレーには期待したい。
またこの試合では最大4選手が欠場する可能性があるので、新しく入ってくるであろうメンバーにも是非このチャンスを掴むべく、活躍に期待したい。
ちなみに横浜FMには2012年7月9日の対戦から3196日間負けていない。
(最後に負けたのは3513日前の2011年8月24日)
2012年の流行語大賞は「ワイルドだろぉ」(スギちゃん)です。
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