2021年4月1日木曜日

明治安田生命J1リーグ 第7節 vs. サガン鳥栖 プレビュー

 2021年4月2日 19時00分:ヤンマースタジアム長居

予想スタメン

代表ウィーク開けの開催となる 明治安田生命J1リーグ 7節 。セレッソ大阪は他のカードに先駆けて4月2日の金曜日にサガン鳥栖と対戦する。


■2021年のサガン鳥栖

今季ここまで4勝2分の無敗。そして未だ無失点で3位と好調のサガン鳥栖。

クラブは資金的に難しい状況にあることから、今季開幕前には森下龍矢(名古屋)、原輝綺(清水)、原川力(C大阪)という主力中の主力を始めとする16人もの選手がチームを離れたが、新加入選手及び若手選手の成長でチームは躍進をみせている。


新加入選手でありながら既に重要な選手となっているのが、清水から加入のファン・ソッコ、群馬から加入の飯野七聖、横浜FMから加入の仙頭啓矢、千葉から加入の山下敬大。

ファン・ソッコは実績十分の選手なのでもはや説明は不要かと思うが、群馬から加入の飯野は抜群のスピードと運動量そして積極的な仕掛けで森下の穴を埋め、そして横浜FMでは出場機会を得られずシーズン途中に古巣の京都に期限付き移籍していた仙頭はかつての盟友小屋松とのコンビ復活でチームにクオリティをもたらせ、千葉から加入した山下は先日U-24日本代表対U-24アルゼンチン代表との試合で瀬古歩夢のパスから先制ゴールを決めた林大地と共に3得点でチーム内得点王となっている。


さらに忘れてはいけないのが若手の成長。

今季から10番を背負う樋口雄太、19歳ながらJ1リーグ戦出場が60試合に達した松岡大起、そして2種登録の高校2年生ながら昨季途中からポジションを掴むと今季もまだ高校3年生なので2種登録選手なのだがもはや不動の存在となった中野伸哉選手、そして主に途中出場としてプレーすることが多いが本田風智と、若手が試合経験を積むことでみるみる成長をみせているのだ。

ちなみにこの4選手は全員下部組織出身(樋口はU-18から鹿屋体育大学経由で加入、中野選手は現在も鳥栖U-18所属)。ちなみに昨年の高円宮杯全日本U-15選手権では鳥栖U-15が、日本クラブユース選手権(U-18)では鳥栖U-18が共に優勝している。


今季躍進をみせている鳥栖だが、昨季の対戦時を思い起こせば現在の結果はそれほど驚くことでもないだろう。

鳥栖は昨季から、プレッシングもできるし、きっちりとブロックを作ることもできる、またボールを持てば後ろから丁寧にビルドアップを行い、相手の守備を動かすこともできるチームだったからだ。開幕戦と優勝決定後という対戦順に恵まれた部分もあったが、実際昨季の川崎Fが唯一一度も勝てなかったのが鳥栖だった。

しかし結果だけみると昨季は13位。順位的には奮わなかったのだが、その原因は明白。とにかく点が取れなかった。

失点数はリーグで7番目に少ない43失点だったが、得点はワースト3位の37得点。先制点を奪えば一度も負けていないのだが、先制点を奪った試合も11試合しかなく、しかのその半分近くの5試合は同点に追いつかれている。複数失点で勝ったのは1試合のみ。そしてなんと15試合も引き分けに終わっていた。さらに8月中旬にはチーム内でクラスターが発生。昨季はただでさえ過密日程だったが、チーム活動がストップしたことでさらに日程は過密になった。


今季のチームだが、基本的には昨季の路線を継続、というよりも進化させたチーム。

なので当然、プレッシングもブロックを作ることも、ボールを後ろから運ぶことも出来る。

布陣は3-1-4-2。昨季も4-4-2とはいえボール保持では右SHの樋口が内側に入って森下が大外レーンを前に出ていくという3バック化する形をとることが多かったので大きく変わったというわけではないが、今季は最初から3-1-4-2、そして非保持では5-3-2の形になる。

そしてメンバーはかなりの固定傾向で、GKには朴一圭、3バックはファン・ソッコ、エドゥアルド、中野選手。アンカーには松岡が入り、IHは樋口と仙頭。WBは右に飯野、左に小屋松。2トップには林と山下が並ぶ。

メンバーが固定傾向なのはどうしても予算的な問題があるからだろう。ちなみに選手を大幅に入れ替えているルヴァンカップでは0-3、1-5とここまでの2試合共に大敗している。


ボール保持については、先日の湘南戦での記事でも3-1-4-2は4-4-2に対して配置の優位性を作りやすいということを書いたがもちろん鳥栖もそれを活かしてくる。

湘南戦ではビルドアップの出口となる4-4-2の2トップの脇に田中聡が出てくる形にセレッソはかなり手を焼いたが、鳥栖ではここに出てくるのが中野選手。中野選手は左右両足で正確なキックがあり、また相手をひきつけてから出すというビルドアップの上手さも持っている。

さらにアンカーの松岡がファン・ソッコとエドゥアルドの間に落ちて3バック化し、中野選手は左のアウトサイドレーンに移動。さらに左WBの小屋松が内側に入り、左IHの仙頭が落ちてくるという可変もある。

とにかくこの左サイドは複雑に動き、Jリーグでありがちな「アドリブ要素の強い流動的」ではなくポジションと役割が整理されているので、可変で移動しても密集してごちゃごちゃしてしまうことがなく、それだけに相手にとっては非常に厄介になっている。

またGKに朴一圭がいることも大きい。横浜FMでも素晴らしいプレーをみせていたものの、ACLに絡む外国人枠の関係で高丘陽平とトレードの様な形になったが、間違いなく鳥栖のキーマンの1人である。朴一圭が確実につなぐことができるので、可変がより効果的となっている。

こうして左サイドは複雑な動きになっているが、逆サイドの右はかなりシンプル。スピードのある飯野の槍で勝負する。

なので左サイドはパスやコンビネーションで崩そうとするが、そこで詰まればサイドチェンジして飯野の槍で縦に仕掛けるというのがチームの設計である。

また山下と林の2トップはとにかくCBと勝負し続けてくれるのもチームにとって多くなポイントで、彼らが奥行きを作ることで、小屋松、仙頭、樋口がプレーするスペースを広げている。


ボール非保持については5-3-2でセットするが、最初に狙うのはプレッシング。基本的には人を捕まえる守備をする。ただしそんな中でも状況や相手のやり方によって使い分けが行っており、2トップがCBに襲いかかることもあれば、セットして迎撃型で捕まえに行くことも出来る。迎撃型の場合前線は2-3で中央を閉め2トップ脇も2人のIHが睨みを効かしており、SBに出たところをスイッチにして一気に捕まえに行くことが多い。


そして運ばれてしまうと5-3-2でリトリート。左WBに小屋松が入り、3バックの左に中野選手なので押し込まれると厳しい面もあるが、その横にはエドゥアルドとファン・ソッコがおり、また試合終盤になればDFを入れて中野選手をWBに移動させる交代策をとるころもできるのも、ここまで無失点を続けている要因だろう。


■プレビュー

セレッソ大阪の予想スタメンだが、Aマッチウィーク明けの試合となるものの坂元達裕、原川力、高木俊幸が負傷離脱。坂元はここまでフルタイム出場、原川も前節負傷交代するまでフルタイム出場を続けていた選手なので少なくとも2人はメンバーが入れ替わる。

原川のポジションには藤田直之が入る形でほぼ間違いないだろう。ここまで先発こそ奥埜が負傷欠場となった川崎F戦のみだが、ここまでの7試合中6試合に出場していることからもわかるように主力組の1人ではある。キャンプ終盤に負傷したことで原川にレギュラーポジションを渡した格好になっているが、プレシーズンのトレーニングマッチではほぼ主力組のCHとしてプレーしていた。

坂元のポジションはもう少し流動的か。最も可能性が高いのはプレシーズンにはサブ組の右SHで全試合プレーしていた松田力。開幕後はFWで途中出場する機会が多いが、当初の予定では坂元のバックアッパーの一番手だった。

しかしクルピ監督は2010年に指揮を取っていた時に、当時の不動の存在だった家長が出場停止になるとシーズン途中から左SBで定位置を掴んだ丸橋をその代役に任命し、トップ下で起用したこともある。

もしかすると思わぬサプライズ起用があるかもしれない。

また高木も含めた3人が離脱となったことでベンチにも新しく入ってくる選手も出てきそうだ。


一方のサガン鳥栖の予想スタメンだが、こちらもメンバーを固定する傾向が強いチームだが、前々節の柏戦で松岡大起が脱臼で負傷交代。前節その松岡に代わって、アンカーに入った島川俊郎が今節も引き続き先発となるか。

また前節は林を休ませ、山下と本田の2トップとなっていたが、今節は山下と林の2トップに戻してくるだろう。


鳥栖は第4節に清水エスパルスと対戦し結果は0-0のスコアレスドローに終わったが、この試合でロティーナ監督は鳥栖のビルドアップでケアしなければいけない場所、捨ててもいい場所、そして鳥栖の嫌がることを明確に示した試合となった。

なので、今なら効果的な鳥栖対策を徹底できる可能性もある。

しかしおそらく今のセレッソはその様な戦い方は選ばない。正面衝突を選ぶ可能性が高い。

となると、まず最初のポイントとなるのは鳥栖のビルドアップとどう対峙するか。

今のチームは闇雲にボールを奪いに行くだけでなく4-4-2でセットすることもできるので、この試合はおそらくセットする形になるだろう。そこで鳥栖の左サイドに対するセレッソの右サイドがどれだけ人に引っ張られすぎずにスペースを埋めることができるかが重要になる。

ここで後手を踏んでしまうとかなり難しい戦いを強いられることとなる。


一方のボール保持では、人への意識の強い鳥栖の守備をひっくり返すことができるかどうか。

人への意識が強い分、それがどうしてもスペースを生んでしまうこともある。

そこを的確に狙うためにも、セレッソとしてはできれば清武はあまり下がらずに前で仕事をさせたい。


この2つを実現するために重要となりそうなのが藤田のプレー。

攻守において慌てずプレーするころで清武のところにいい形でボールを届けたい。


ちなみに、この試合で鳥栖は開幕から7試合連続無失点というJ1新記録がかかっているのだが、セレッソホームの鳥栖戦でセレッソが無得点に終わったのは2012年の1試合のみである。




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