清水エスパルス | 3 | 1 | 前半 | 0 | 0 | セレッソ大阪 |
2 | 後半 | 0 | ||||
延長前半 | ||||||
延長後半 | ||||||
PK戦 |
スターティングメンバー |
清水エスパルス | セレッソ大阪 | ||||||
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選手名 | 番号 | 位置 | シュート | シュート | 位置 | 番号 | 選手名 |
櫛引 政敏 | 1 | GK | 0 | 0 | GK | 21 | キム ジンヒョン |
河井 陽介 | 17 | DF | 0 | 1 | DF | 4 | 藤本 康太 |
ヤコヴィッチ | 19 | DF | 1 | 0 | DF | 7 | 新井場 徹 |
平岡 康裕 | 3 | DF | 1 | 0 | DF | 17 | 酒本 憲幸 |
吉田 豊 | 28 | DF | 0 | 0 | DF | 23 | 山下 達也 |
本田 拓也 | 7 | MF | 1 | 0 | MF | 2 | 扇原 貴宏 |
大前 元紀 | 10 | MF | 3 | 1 | MF | 9 | 永井 龍 |
六平 光成 | 16 | MF | 2 | 0 | MF | 11 | 楠神 順平 |
石毛 秀樹 | 8 | MF | 2 | 0 | MF | 25 | キム ソンジュン |
ノヴァコヴィッチ | 18 | FW | 2 | 3 | FW | 20 | 杉本 健勇 |
高木 俊幸 | 11 | FW | 3 | 1 | FW | 33 | カカウ |
相澤 貴志 | 21 | GK | GK | 1 | 武田 博行 | ||
廣井 友信 | 27 | DF | DF | 3 | 染谷 悠太 | ||
イ キジェ | 2 | DF | DF | 16 | 安藤 淳 | ||
藤田 息吹 | 15 | MF | MF | 18 | 平野 甲斐 | ||
高木 純平 | 24 | MF | 0 | MF | 24 | 岡田 武瑠 | |
水谷 拓磨 | 34 | MF | 1 | MF | 26 | 秋山 大地 | |
村田 和哉 | 22 | FW | 2 | 2 | FW | 10 | フォルラン |
18 | シュート | 8 |
---|---|---|
10 | GK | 12 |
9 | CK | 2 |
14 | 直接FK | 6 |
3 | 間接FK | 3 |
2 | オフサイド | 2 |
0 | PK | 0 |
清水エスパルス | セレッソ大阪 | |
---|---|---|
石毛(8') 平岡(77') 村田(90'+4) | 得点 | |
大前→村田(84') 本田→水谷(85') 高木(俊)→高木(純)(90') | 交代 | カカウ→フォルラン(66') |
警告 | 新井場(32') カカウ(56') 藤本(66') キム ソンジュン(74') | |
退場 | 楠神(58') |
台風18号の接近で激しい雨が降る中行われた今節は、前節の勝利で14位と降格圏を脱出したセレッソと前節の敗戦で17位と降格圏に落ちてしまった清水エスパルスとの対戦。
とはいえ試合前の時点では13位甲府から17位の清水まで勝ち点差3となっているので1試合の結果で順位が入れ替わってしまうという状況です。
セレッソは、南野がU-19日本代表、長谷川・丸橋が出場停止で欠く中でメンバーは、最終ラインに藤本が復帰、左SBには新井場、ボランチはキムソンジュンと扇原、SHにはパース時代以来となる永井が右に入り左は楠神、2トップは前節から引き続き杉本とカカウとなっている。また前節ベンチ外だったフォルランと神戸戦で足首を痛めた安藤もベンチに戻ってきている。
一方の清水は、前節までの3バックから4バックに戻し、4-4-2も予想されましたが大宮戦の終盤に採用した4-1-4-1。ノヴァコヴィッチの1トップに両サイドには右に大前・左に高木、インサイドハーフには石毛と六平が入りアンカーには本田、最終ラインには三浦が南野同様U-19でチームを離れていますがCBには戻ってきたヤコヴィッチと平岡、SBには河井と出場停止明けの吉田が入っている。
■プレッシングゲーム
残留争いのまっただ中で、お互いこんなはずじゃないと考えてる中での直接対決。
戦力的に劣ってて俺たちは守ってカウンターなんだって徹底しているチーム以外が決まってこういう試合で取るのは前線からのプレッシング。特に守ってカウンターよりも前線からのプレッシングの方が積極的で良いとされる事の多いJリーグではその傾向が強い。
セレッソの守備 |
清水はプレスを回避するためにも早いタイミングで前線のノヴァコヴィッチに向けてロングボールを入れてくる。
清水が蹴った最初のロングボールに対してセレッソは中盤の4が戻って4-4でしっかりと組織を形成。ファーストプレーとしてはまずますの形を作る事ができていた。
しかし問題になりそうなのは清水が取る4-1-4-1のアンカーの1。
ここは2トップがCBにまで追いかけるとどうしても浮いてしまいがちなポジションで、そこに対してセレッソはボランチの1枚が前に出て捕まえる形になっていた分逆にボランチの後ろ、MFとDFラインの間で相手を浮かせてしまいそうな怪しさはありましたが何とか組織は維持できていました。
清水の守備 |
先制点を奪われたシーン |
石毛のシュートは藤本の背中に当たってコースが変わると言う不運な面もありましたが、そもそもの失点のきっかけは楠神が六平を深追いしてしまった事でした。
解説の安永さんはボランチの1枚が前に出されたと言っていましたが4-4で守ってる以上本田がボールを持てばその前にポジションをとっているキムソンジュンが寄せるのは当然です。
しかしその前に楠神が六平を深追いしていたので4-4を作れなかったんですよね。なので扇原は大前も気にしないといけなくなってしまったので絞ったポジションを取りきれず本田から石毛にボールを入れられてしまいました。
この形は20節の5-4で敗れたアウェイ川崎戦の先制点と良く似た形のミスですね。
この時は楠神が気にしなくても良いWBに引っぱられて取るべきポジションにいなかったので長谷川の外側で大久保にボールを受けられ小林悠へのスルーパスという流れでした。
ただ、全体的に見れば六平が後ろ向きでボールを受けてドリブルした所で最終ラインは上げれたんじゃないかという部分はありますが。
■からまわり
本田の両脇を狙う |
攻撃では対4-1-4-1だと必ず狙い所になる中盤の1の両脇、本田の両サイドにカカウが下りてきたり楠神が中に入ってきてボールを受けようとしてきます。
このポジションを務める本田も、このポジションはむやみに動かずにスペースをカバーする事が大切なんですが、割と簡単に喰いついてくるので比較的楽にセレッソはここにボールを入れる事ができていました。
しかし、そこから右サイドに展開してのカカウのシュートや杉本が裏に抜け出してGKと1対1の形を作るもののきめきれませんでした。
ばらけた守備組織 |
例えば11分頃に永井の単純なミスからノヴァコヴィッチに抜け出されてGKと1対1を作られたりもしましたが、それよりも前線の選手は前から行こうと自分の対面の相手を積極的に捕まえに行く、主にキムソンジュンもボランチのポジションから中盤の1に入る本田を捕まえに行く。となるとインサイドハーフの1枚が後ろで浮いてしまう、なので扇原は気になって下がる。その結果そこから出入りする石毛と六平が捕まえられなくなってしまいました。
失点したとはいえ8分という早い時間だったのでそんなに行く必要は無かったんですよね。しかし行ってしまうから中盤で完全に後手を踏んでしまいラインも下がって扇原のポジションも深くなる。それに合わせてキムソンジュンはもどってくるので、はね返した所でセカンドボールも拾えないという悪循環にハマって行きました。
■仕切り直しも
前半はかなり厳しい状態ながらも最初の1点しか取られなかったのでハーフタイムでどこまで修正できるかという所だったセレッソ。
改善されたのは2つ
改善されたボール保持の形 |
楠神とカカウによる本田の両脇狙いは継続していました。
改善された守備の形 |
この改善で清水のマッチアップをハッキリした2列目の4のプレスも少しぼやけセレッソが攻撃出来る様になってきます。前々節の名古屋戦でもあった永井の意味不明な単騎突破を仕掛ける事もありましたが、徐々にセレッソのリズムがよくなっていきました。
しかし58分楠神が危険なプレーでレッドカード。
本田の横のスペースで受けてターンしたところでボールが流れてしまい寄せてきた河井に足裏を見せてスライディング。
ボールの上を滑らせて巻き込みながらマイボールにする形のタックルを狙ってたんだと思いますががちょうど足裏を向けて滑る形になっていたのでレッドカードが妥当なプレーです。リプレーで見ると当たる瞬間は足を引っ込めてたので河井のすねに足が伸びきったまま足裏って形じゃなくなってケガに繋がらなかったのは幸いでした。
ただセレッソとしては清水を崩す可能性が高かった楠神の本田の横のスペースで受けるプレーのミスから退場になってしまったのがつらいところです。
■前がかりとカウンター
58分〜 |
10人になってからのセレッソの攻撃の形 |
66分〜 |
狙いとしては4-4の守備の精度を保ちながら前に起点を作りたかったんでしょう。
ですが永井の守備は運動量が豊富で頑張ってたんだけど、その精度は微妙だったのでカカウを左サイドに回しても良かったかもしれません。
もしこれでダメなら秋山を投入してキムソンジュンをサイドに回す事もできたでしょうから。
ここからは、マイボールの時に両サイドが前に出る形をとって前掛かりになるセレッソと、清水のカウンター、さらに試合開始から不安定だった審判のジャッジも合わさっていったりきたりの激しい展開になっていきます。
杉本はサイドで上手く起点になり永井が頭で合わすもGKの正面だったり、清水の攻撃にたいしてもセレッソは清水のシュートを最後でDFが身体に当てて防いでいるという状態。
主審は何の問題も無かった平岡の酒本に対するプレーでファールをとったりするけど、キムソンジュンが前線でボールを奪ってからのショートカウンターで永井が抜け出した所をヤコヴィッチが後ろから倒してもファールを取らないという時間帯でした。
そんな中での77分、CKを後ろに戻してからの何でも無いハイボールでキムジンヒョンが痛恨のキャッチミス。それを平岡が頭で決めて清水が2-0とリードを広げます。
キムジンヒョンは焦って次のプレーに意識が行き過ぎてたんでしょう。
試合終了時のメンバー |
85分に本田→水谷で六平がアンカーに入り水谷はインサイドハーフに。
90分には高木俊幸→高木純平でそのままのポジションにと交代枠を使ってきます。
そして94分、前掛かりになっているなかボールを奪われて裏に飛び出す村田に決められて
3-0。完全に前に人数をかけていたのでこの失点はもうしょうがない所でした。
そしてそのまま試合終了。
セレッソはリーグ戦では今シーズン初となる3点差負けを喫してしまいました。
■その他
南野と長谷川というチームの核を欠く中での試合でしたが、かなり厳しい試合になってしまいました。
以前にも書きましたが、今のセレッソは戦い方をハッキリさせたのでその分それが上手くいかないとこういう試合になってしまいますね。
戦い方をハッキリさせるという事は1つのやり方を徹底するという事です。という事は逆に言えば戦い方の幅を狭くするという事ですからね。
相手の状況によってプレスをかけたり、ボールを持つルールを作ったりして戦い方に幅を作ろうとした前監督で勝てなかったから仕方がない流れなんでしょうけど。
逆に清水は、戦い方をハッキリさせた事で上手くハマりました。
これまでの3バックの時はノヴァコヴィッチが孤立気味で、近づこうとボランチが前にでると後ろのスペースを使われるというイヤな流れでしたが、アンカーを置く事でインサイドハーフが後ろを気にせずに前に出れる様になったので、攻撃でも石毛と六平がノヴァコヴィッチのサポートに入れる様になっていましたし、守備でも中盤の4でセレッソのボランチとSBに圧力をかける事が徹底できるようになっていました。
それまで早い時間に失点という試合が続いていた中で、この試合では早い時間に先制点を決めることが出来たのも戦い方をハッキリさせる意味では効果的だったと思います。
特に石毛の出来は先制点を決めたって事だけじゃなく、これまでサイドにいたのが勿体ないぐらい攻守に特筆すべきものだったと思います。
これで順位を17位と下げる事になってしまいましたが、まだ13位の仙台まで勝ち点差3の中にいますので、セレッソとしてはその徹底した戦い方で勝ち点を積み上げて行くしかありません。
まだ甲府・仙台・大宮と直接対決を残しているので1試合でひっくり返せる訳ですから。
いつも興味深く読ませてもらっています。
返信削除今まで試合に負けても、セレッソのレベルが低いと感じたことはなかったのですが、この試合では、J1の水準ではないのかもと感じてしまいました。
組織的・戦術的な対応をこなすためには、選手個々の基礎的な技術、それに加えてのセンスが必要ですよね。
考えてみれば、春先のスタメンとこの試合のスタメンを比べてみれば、全く別チームと言っても過言ではないかも。
2014年のチームオフィシャルブックの表紙顔写真は、柿谷、山口、南野、フォルラン、扇原、山下の6人。この内4人がいなくて、カチャルやアーリア、丸橋を含めると、なんだこりゃです。
いつの間にか、J2チームがJ1の中で戦っていて、それなりに必死に食らいついている・・・というぐらいの気持ちで見守らないといけないのでしょうか?