明治安田生命Ｊ１リーグ 第10節 vs. 柏レイソル プレビュー

2020年8月15日 19時00分：三協フロンテア柏スタジアム

予想スタメン

ミッドウィークにあったルヴァンカップにより中2日、中2日で迎える明治安田生命Ｊ１リーグ 第10節。セレッソ大阪は敵地三協フロンテア柏スタジアムで柏レイソルと対戦する。

■現在の柏レイソル

昨季の中盤戦以降は圧倒的な強さをみせJ2優勝、J1昇格を果たした柏レイソル。
今季は再開直後から3連敗を喫したが、第5節からは4連勝。前節もチャンピオンチーム横浜FMを引き分け、現在5試合連続負けなしで順位も5位にまで上がっている。

今回の対戦にあたって様々なメディアでも報じられているが、最大の特徴は得点力。
現在20得点は川崎Fに次ぐリーグ2位である。
その中でも最も注目を集める存在がオルンガ。ここまで10得点はダントツのリーグトップ。2番手のエヴェラウド（鹿島）レオナルド（浦和）が6得点なのでその凄まじさがわかる。昨季J2最終節での8得点は衝撃だった。

オルンガはデカい、速い、上手い、強いの三拍子どころか四拍子揃った選手。しかし、プレースタイルとしては、もしかするとイメージとは異なるかもしれないが、スピード系の選手である。
なので、サイズや高さはあるがポストプレーなどはあまりせず、前線で起点を作るようなプレーは少ない。もちろん193cmの高さとジャンプ力もあるのでヘディングシュートでのゴールも多いが、それよりも最も輝くのはスペースに向けてDFとヨーイドンの状況になった時。爆発的なスピードと身体能力で競り合いを制しDFラインの背後に抜け出しゴールを奪うのが最大の得点パターンである。
利き足は左で左足のシュートはかなりパワフルだが、同時に右足のシュートの精度も高い。

こういった選手なので、裏に走らせたら1人でもシュートまで持っていってくれる分他のチームメイトからすると非常に助かる選手でありフィニッシャーとしては欠かせない選手なのだが、例えばチームの攻撃の組み立ての中で重要な役割を担っているのかと言われるとそうでも無い。
チームの攻撃の組み立ての中で重要な選手は、両サイドの仲間、瀬川、神谷（怪我で離脱中の可能性が高い）と、トップ下の江坂である。

まず柏の戦い方としては基本的には非保持型。
得点は2位だが、ボール保持率は46.6%で15位。パス数16位、クロス数15位、シュート数12位で、攻撃回数3位、ペナルティエリア侵入回数も15位という典型的な非保持型のスタッツとなっている。
そんな中でボールを運ぶときに重要な役割を担っているのが両サイド。この両サイドは3人ともがかなり走る。両サイドの走力を使ってボールを運んでいる。
そしてトップ下の江坂。セレッソはルーキーイヤーの2015年群馬時代にも対戦しているが、この選手はとにかくなんでもできる。
例えば先程オルンガはポストプレーはあまりやらないと書いたが、江坂は過去に1トップを務めていたこともあるようにポストプレーもお手の物。チームとして前線で起点になってほしい、前線でボールを収めてほしいときにはそれができる。さらに2列目からの飛び出しもできるし、間受けもできる。シュートも打てるし、パスも出せる。
昨季の中盤戦以降に強さを見せ始めたのは、江坂とオルンガが2トップを組むことでオルンガの良さが出るようになったからだった。

CHには高いボール奪取能力と勢いに乗った飛び出しが特徴的なヒシャルジソンや、左SBには鳥栖でも精度の高い左足のキックで攻撃の起点となっていた三丸などもいるが、最も警戒すべきは両SHと江坂だろう。

そしてこのチームはネルシーニョのチームである。
ということは当然ながら守備をサボる選手は起用されない。
守備のやり方としてはオーソドックス。先程のヒシャルジソンに代表されるようにガツンとタックルをしてボールを奪い（チームのタックル数はリーグ2位）スピードアップした攻撃を見せたいので高い位置からも守備を行うが、前線にスペースがある方がオルンガのスピードは活きるのでブロックを落とすこともいとわない。

チームの不安点としてはけが人が多いこと。
クリスティアーノ、マテウス・サヴィオ、神谷の攻撃陣だけでなく、守備陣も染谷、鎌田がおそらく離脱中。さらに前節、山下が筋肉系のトラブルで前半終了間際に交代。試合終盤には大南も負傷とCBが軒並み負傷してしまった。ミッドウィークのルヴァンカップでは高橋祐治が復帰したが、苦しい台所事情には変わりなく、本来SBの川口や、古賀でなんとかカバーする形で凌いでいる。

■プレビュー

柏レイソルの予想スタメンだが、ミッドウィークのルヴァンカップはこの試合の前にすでに勝ち抜けが決まっていたので大幅なターンオーバーを行った。
そのため、今節前節同様のメンバーが並ぶことになるだろう。ただし2人ともが怪我をしてしまったCBは入れ替え必至。1人はルヴァンカップで復帰し45分間プレーした高橋祐治になるだろうが、もう1人は大南が間に合うかどうか。無理なら再びSBの川口が起用されるか。

一方のセレッソ大阪の予想スタメンだが、ミッドウィークのルヴァンカップは理想的な展開で勝利でき、プレー時間も調整できたので前節同様のメンバーになるか。
またルヴァンカップではチームに帯同できなかった西川も間に合う見込み。
先発ではないだろうが、ベンチ入りの可能性は高い。

試合のポイントとしてはカウンターで走られるような状況を作らないこと。ビルドアップでボールを失うような形は避けたい。
そしてSHを走らせないためにもボール保持で相手をしっかりと押し込むこと。オルンガを止めるにはマークも重要だがまずオルンガが得意な形を作らせないことが重要である。
時間をかけさせしっかりとブロックを作ることができれば、高さには注意したいが、オルンガの怖さは半減する。
そして守備では安易に飛び込まない、スペースを埋める、コースを消すを徹底すること。
スピードがある選手が揃う柏にはスペースを与えないことを徹底したい。

いつものセレッソのペースに持ち込むことができれば勝ち点3の可能性は一気に上がるだろう。