2020年8月14日金曜日

8/12 YBCルヴァンカップBグループ第3節 VS. ベガルタ仙台 @ ユアテックスタジアム仙台

スタジアムユアテックスタジアム仙台主審西村 雄一
入場者数1,840人副審田尻 智計、権田 智久
天候 / 気温 / 湿度晴 / 29.2℃ / 68%第4の審判員山岡 良介
ベガルタ仙台仙台
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • 木山 隆之
 
  • 監督
  • ロティーナ

新型コロナウイルス感染予防対策のため、制限付き
(入場者数上限「5000人以下」又は収容率「50%以下」)での試合開催


<監督コメント>

ベガルタ仙台:木山隆之監督
セレッソ大阪:ロティーナ監督

<選手コメント>

ベガルタ仙台:パラ、山田寛人
セレッソ大阪:高木俊幸、ブルーノ・メンデス

スケジュールが大きく変わったことでこの試合がグループステージ最終節となるYBCルヴァンカップBグループ第3節。敵地ユアテックスタジアムでのベガルタ仙台対セレッソ大阪の一戦は0-3でセレッソ大阪が勝利。3連勝でグループスタージ突破を決めた。

■メンバー

ベガルタ仙台の先発メンバーはリーグ戦前節から11人全員を入れ替え。GKはリーグ戦序盤に出場していたルーキーの小畑。DFラインは飯尾、照山、金正也、パラ。中盤はCHに中原、田中、トップ下に佐々木。3トップは右から山田、赤﨑、石原が入る4-2-3-1。リーグ戦で出番が少ない、もしくは出場のない選手が多く並ぶ若いメンバーとなっている。
ベンチには蜂須賀、関口、西村、長沢と経験のある選手も入っている。

一方のセレッソ大阪の先発メンバーはリーグ戦前節から7人を入れ替え。継続となったのがキム・ジンヒョン、松田、ヨニッチ、奥埜、ブルーノ・メンデス。ルヴァンカップ前節で木本が怪我をしたCBには今季初出場となる庄司。左SBには移籍後初スタメンとなる小池。CHは奥埜とルーカス・ミネイロ。右SHに柿谷、左SHに片山が入り2トップはブルーノ・メンデスと高木となっている。
ベンチには丸橋、瀬古、清武、デサバト、都倉に加え今季初のベンチ入りとなる前川も入った。
これまで柿谷は左SHに入ることが多かったのだがこの試合では右SH。そうなったのは今季は右SHも中に入る場面が多いことに加え、左サイドが庄司、小池、ルーカス・ミネイロという経験の浅い選手が起用されているため、強度の高いプレーができる片山を左に置きたかったというところか。

■セレッソのビルドアップ

両チーム共に自陣からビルドアップを行う。
セレッソのビルドアップ
セレッソのビルドアップに対して仙台はトップ下の佐々木が1列前に出て4-4-2になる。
おそらく高い位置からプレスに行きたいという狙いはあったのだろう。立ち上がりは高い位置からアプローチをかけに来ていた。
しかしセレッソは庄司が左に開いて小池は前に出る。松田が後ろに残るという立ち位置を取るので、山田が庄司に見る、石原が松田を見るとなると2トップの1人が誰を見ていいのかという状態になっていることも。おそらくCHの1人を捕まえてということなのだろうが、セレッソの2CHはあまり降りてこなかったこともあって何をするのかはっきりしないこともあった。
内側に入る松田
また松田は石原に見られてるとわかるとあえて内側に入って行く。これによってヨニッチから柿谷へのパスコースを作る。
松田が外の形も
かと思えば松田がワイド、柿谷が内側という形もある。松田はビルドアップの出口にも入口にもなれるチームにとって重要な選手であることを見せていた。
1つ飛ばしたパス
また自陣深くでボールを動かすことで相手のSHやCHを引き出せば、CHの脇や背後(CBとの間)に一気にボールを入れる。
この試合では高木、ブルーノ・メンデスが共に裏への動き出しも行っており、同数であれば背後を一発で狙うボールも使っていたこともありよりCHの脇や背後へのボールが効果的だった。
SBの裏を狙う
ビルドアップでボールを運ぶと狙っていたのはSBの裏。
内側に柿谷、外側に松田(逆もある)という状態で左SBのパラに2択を迫る。内側にくれば外から松田が、外側に行けば柿谷がSBの背後に飛び出す。また柿谷のところにCBがついていけば、ボールサイドのFWが引いてきてボールを受け、最終的には逆サイドで1人余るという設計。つまれば後ろに戻してやり直し、サイドを変える。
こうしてセレッソがボールを保持し、ボールを運ぶので試合はいつものセレッソのペースであるスローテンポな試合へ。
グループリーグ突破には大量得点での勝利が必要だった仙台はおそらくもっと早いテンポで試合を進めたいと思っていたのだろうが、セレッソがそうはさせなかった。

■仙台のビルドアップ

仙台のビルドアップ
仙台のビルドアップは右サイドで行われることが多かった。
多く見られたのが中原が最終ラインに落ちて右SBの飯尾を前に出す形。ここはかなり流動的で、山田が内側に飯尾が外側にというパターンもあれば山田が外、飯尾が内というパターンも見られた。
この試合で引き分けでもOKなセレッソはそこまで高い位置からプレスをかける様なことはほとんどせず、また外側からボールを運ばれるのはある程度許容している。ということで仙台が右サイドからボールを運ぶ場面も多かった。
右サイドのローテーションからSB裏を狙う
そして仙台が狙っていたのもSBの裏。右サイドで山田、佐々木、飯尾がポジションを入れ替えローテーションする形でSBを引き出しその背後に人を送ろうという狙いが見えた。

こうして同じ様な場所を狙っていた両チームだが、決定的に違っていたのは狙われた側の対応方法だろう。
セレッソはサイドの深い位置を狙ってきたとしても4-4-2でセットできていればCBの2枚はほぼゴール前から動かない。それをするためにSBが引き出されSBとCBの間に入られてもボールサイドのCHが入ってきてもう1枚のCHはCB前のスペースを埋める動きを徹底し、安易にボールに飛び込まない。
その分アーリークロスを狙える様な大外レーンの手前の位置では強いアプローチをかけにくくなるのだが、セレッソはそれでもクロスを跳ね返ることができるのでOKとしている。
その結果、飯尾は大外レーンの手前からアーリークロス気味のボールを入れる場面は多かったのだが、それで何かが起こりそうだったのは28分の飯尾のクロスをジンヒョンがファンブルした場面ぐらい。この場面もクロス対応というよりもミスが絡みで、キム・ジンヒョンがクロスをキャッチできず、そのこぼれ球をルーカス・ミネイロとヨニッチ譲り合いをしたためピンチとなったが、最終的にヨニッチが体をはり、山田のシュートはクロスバーに跳ね返された。

■形の異なる3ゴール

こうしてセレッソペースで試合が進んでいくことになるのだが、それをより後押ししたのはゴールだった。
先制したのは15分、金正也から田中へ出たボールに奥埜がアプローチをかけ引っかかったところに高木もプレスバックしてサポート。そのこぼれ球を拾った柿谷がドリブルから左足でゴールに流し込む。

この場面は最初に右サイドで飯尾がボールを持った時に出しところがなく片山がアプローチをかける。なので仙台はバックパスで照山、GKの小畑、金正也とボールをつなぐがそれに連動してセレッソが前からアプローチをかける。
金正也にボールが入った時右利きなので左足の内側でトラップ。ターンでうまく高木のアプローチを外すのだがこのトラップからターンによって使った時間でセレッソは一気に距離を詰めた。
セレッソ先制点の直前の場面
そして金正也は内側のCH田中にパス。そこで田中がボールを奪われることになるのだが、これは奪われた田中よりも出した金正也の方に責任があると思う。GKへのバックパスのコースにもブルーノ・メンデスがおり、外側に身体が向いている田中にプレーの選択肢はなかったからだ。

2点目は最終ラインの庄司から仙台のCHの裏に入る柿谷へのパスから。33分、ビルドアップのところでも書いたCH裏へのパスで庄司から柿谷にボールが渡ると金正也が最終ラインから前に出て捕まえに来る。
しかし柿谷がトラップからの流れで入れ替わることに成功。ドリブルから裏へ抜け出す高木にスルーパスと、高木は照山と小畑をかわしゴールに流し込んだ。
34分ごろ〜
セレッソが2点目を決めた直後から仙台は布陣を3-4-2-1に変更。中原が最終ラインのセンターに入る。

この布陣変更の隙を突いたのが3点目。
45分、ヨニッチの一発のロングパスから中原との競り合いを制したブルーノ・メンデスが抜け出しゴールに流し込む。
序盤から数的同数であれば背後へのパスという選択肢は持っていたがそれがまさに活きた形。
ブルーノ・メンデスはスペースがある状況で中原と完全にマッチアップしておりそこを一発で突いた。
競り合い時点で既に3バックの両サイドにいた金正也、照山はカバーリングポジションが取れておらず、ブルーノ・メンデスはこういったボールは強い。

こうして前半に全て別のパターンで3点を奪ったセレッソ。理想的な展開といえるだろう。

■後半

後半開始〜
ハーフタイムで両チーム選手交代。仙台は田中、佐々木に代えて浜崎と真瀬。浜崎がCH、真瀬が右SHに入り、前線で赤﨑と山田が並ぶ4-4-2へと変更する。
一方のセレッソは松田、ヨニッチ、奥埜に代えて瀬古、前川、デサバトを投入。片山が右SBに下がり左SHには前川が入る。これまで2トップや2CHでは何度もあったが、トップチームの2CBに下部組織出身選手が並ぶのは初めてのことではないだろうか。

2枚、3枚と大きく交代のカードを切った両チームだが、その主旨は全く異なるもの。
仙台は良い様にやられてしまった前半から何度か挽回しようとする交代。一方のセレッソはリーグ戦でのプレー時間の長い選手から順に休ませて今季初出場となる前川も起用。

仙台は4-4-2にしてSHを中に入れてその外側にSBを上げるというシンプルに縦に運ぶという形にしたことで前への勢いを見せる様になる。
ただし単純な外からのクロスはセレッソのCBは跳ね返し、ビルドアップの精度はセレッソの方が上。55分にはビルドアップから小池が一気に抜け出しシュートを放つ場面を作っている。

とはいえ後半の仙台の戦い方はポジティブな要素もあった。
特に面白いプレーを見せていたのは左SBのパラ。パラ自身は前半から何度も前に出ていたが前半はほとんどボールが出てこなかった。
しかし後半シンプルになりサイドチェンジも多用する様になったことで、パラの持つ縦へのスピードと鋭い左足のクロスが活きる場面が増えたのだ。
60分のサイドチェンジからGKとDFの間に鋭いクロスを入れそこに山田が飛び込んだ場面は、仙台にとってこの試合唯一の決定期。
相手FWとしては決めて欲しくないが、セレッソから期限つき移籍で仙台に行っている選手という目線で見れば、ここは決めておかないといけ<ない、決めて欲しい場面だった。
64分〜
58分にセレッソはブルーノ・メンデスに代えて都倉、64分に仙台は石原と赤﨑に代えて関口と長沢を投入。
83分〜
さらに77分に仙台が山田に代えて西村、83分にセレッソが高木に代えて清武を投入。

セレッソは代わって入った選手もチームのコンセプトに沿ったプレーを見せそのまま試合終了。
0-3でセレッソが勝利し、ルヴァンカッププライムステージ(決勝トーナメント)進出を決めた。

■その他

木山監督が試合後のコメントで「戦術的にもメンタル的にも技術的にも、今日は相手に勝てる要素はなかったんじゃないかと思います。」と語っているが、理想的な試合運び、理想的な展開でまさに完勝だった。
庄司も前川も十分戦力として計算できるプレーを見せることができたのではないかと思う。
そしてけが人が出ている中、どうしても増えてしまうプレー時間もうまく調整することができた。

レギュレーション変更により今大会ではプライムステージもH&Aではなく1回戦のみ。
あとたった3回勝てば優勝できる。ルヴァンカップ2度目の優勝に向けて突き進んで欲しい。

最後にこの試合で解説をされた田村直也さんはヴェルディ時代にロティーナの下でプレーしていただけあってセレッソの戦い方の核心をついた、非常に興味深い解説をしておられました。中の人だっただけあって、言えないこともたくさんあるんでしょうけどまたセレッソの試合の解説をしていただけたらと感じました。



2 件のコメント :

  1. ルーカスミネイロの評価をお願いいたします。

    返信削除
  2. コメントありがとうございます。
    僕が評価したところで何があるのかわかりませんが、ルーカス・ミネイロはまだなかなかフィットしていないですね。
    守備のポジショニングはある程度マスター出来ているようですが、層の薄いポジションなのでボール保持、ビルドアップの部分でも貢献できるようになってほしいところです。

    返信削除

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