2020年8月29日土曜日

明治安田生命J1リーグ 第13節 vs. 横浜FC プレビュー

2020年8月30日 18時00分:ニッパツ三ツ沢球技場

予想スタメン
前節までの7連戦を終え、ここからは9連戦となる初戦。明治安田生命J1リーグ 第13節、セレッソ大阪は敵地ニッパツ三ツ沢球技場で横浜FCと対戦。2016年8月7日以来4年ぶりの対戦となる。



■今季の横浜FC

J2で戦っていた昨季、第13節終了時点で14位と苦しい序盤を戦っていたが、下平監督が就任し1ヶ月を経過した頃から一気に勝ち点を積み重ね始めた。
第19節以降の24試合を17勝6分1敗のハイペースで勝ち点を重ね2位でJ1昇格。13年ぶりにJ1でのシーズンを迎えている。

横浜FCといえばカズをはじめ、レアンドロ・ドミンゲスや中村俊輔、松井大輔、イバ(8/26に大宮に移籍)とベテランスター選手が多く在籍しているイメージを持つ方も多いだろうが、現在のチームでは彼らはほとんど出場していない。
主役級の活躍を見せているのは斉藤光毅、松尾佑介、一美和成らの若い選手たちで、彼らを伊野波やヨン・ア・ピン、松浦らの派手さは無いが実力派のベテランが支えるという形。
そんなチームがここにきてクラブ史上初のJ1での3連勝中とかなり調子を上げてきている。

とはいえこの3連勝の前は5連敗を喫しているようにここまでの流れは紆余曲折もあった。

今季ここまでの流れを振り返ると、開幕戦では4-2-3-1で神戸と引き分けたが、再開後は3-5-2を採用。3バックの中央に入る田代がビルドアップでは1列前のアンカーポジションに入るという形をとっていた。
チームの戦い方として丁寧なビルドアップでボールを前進させることにトライしておりこの3バック期も内容自体は悪くなかったのだが、前半にチャンスを作りながらも得点は入らない、そして後半に足が止まってきて失点を重ねるという試合が続き、なかなか結果につながらなかった。

分岐点をなったのが第8節の広島戦。
この試合は、同じ3バックだということもあり直線的に圧力をかけてくる広島が前半から圧倒。これまでの試合とは異なり、前半はほぼいいところがなく2失点を喫するという苦しい展開だった。
そこで横浜FCは後半開始から4バックに変更。4-4-2の布陣でボール保持時には2トップの1人がIHに落ちる4-3-3と4-4-2の可変布陣にし、得点こそ奪えなかったが後半はかなり巻き返すことに成功する。
そして第9節のG大阪戦以降は4-4-2でスタート。この試合では最後の最後にパトリックの高さに屈し、敗れてしまったが勝ち点を奪っていてもおかしくない試合。第10節以降は湘南、鹿島、清水に勝利し3連勝中となっている。

そして肝心の横浜FCの戦い方だが、個人的な印象では、今のJリーグでセレッソに最も近いサッカーをしているのが横浜FCだと感じている。

共通点の1つめは先にも書いたように自陣からのビルドアップでチャンスを作ろうとしているところ。
なぜ自陣からのビルドアップにこだわるかというと、ここからは常に同じ形で攻撃をスタートできるから。ここを徹底することで再現性のある形でボールを運び、前線にスペースと時間を送ることができるから。つまりガチャガチャした状況は好まない。
このビルドアップの形もバリエーションがあって3バックの時は3バックのセンターが中盤に上がるということは先に書いたが、4バックになった当初もCHの1人である佐藤謙介がアンカーポジションに入って、もう1人のCHである瀬古樹と斉藤光毅がその前にIHで並ぶ形をとっていた。
しかし前節は佐藤謙介と手塚がCHで並ぶ形を取りCBとCHの2-2でビルドアップ。松浦と松尾のSHが内側の相手CHの両脇に立ち、SBを上げるという形をとっていた。
このあたりは相手を見て立ち位置を決めているのだろう。

ちなみに今ブレイク中なのが左SHに入る松尾祐介。とにかく速いしドリブルのキレもかなりのレベルにある。4-4-2〜4-3-3可変の時は松尾が左サイドのワイドのポジションを取ることが多かったが、ここに来て内側のよりゴールに近い位置でボールを受けるようになり、相手に与える怖さが増している。
また右SHの松浦も言わずとしれた間受けの達人。西川潤と同級生で昔から仲の良い斉藤光毅もドリブルと思い切りの良いシュートで活躍している。
そしてFWはこれまで一美が出場機会を掴んでいたが、ここにきて出場時間を伸ばしているのが皆川。どちらもサイズがあるタイプなので調子の良い方を使うという感じなのだろう。

そして共通点の2つめは4-4-2での守備。
もちろん敵陣からプレッシングをしかける場面もあるが、そこまで深追いはせず中央を締めて強固なブロックを作る。
3バック期は3バックのサイドの選手が引き出されたときにスペースの管理が上手くいかないというシーンもみられ、そこで失点をすることも多かったのだが、4-4-2になって個々の役割とポジションが明確になったことで安定感が増してきた。
第11節の鹿島戦ではかなり攻め込まれる時間が多かったが、中を閉めた守備が最後まで崩れず1-0で勝利している。

とはいえ、今季無失点だったのはその鹿島戦のみ。
他の11試合はすべて失点しており、複数失点も8試合もある。
SHが正しいポジションに戻れずSBが出ていき、そこからずらされCBとの間やCHの脇を使われるという場面も見られる。

そしてもう1つ。相手を動かしてそのスペースを使う、相手を引き出してその背後を狙うといった様な戦い方をするチームの宿命でもあるのだが、相手が動かない状況になるとかなり難しくなる。
なので横浜FCはここまで4勝2分6敗という結果を残しているが、先制した試合は4勝2分。先制された試合は6敗となっている。

■プレビュー

横浜FCの予想スタメンだが、今節は1週間空いての試合となるためベースとしては前節と同じになるだろう。変化があるとすればCHのところで、前節は佐藤と手塚が並んだが今節はそれまで同様に佐藤と瀬古樹のコンビになるか。
あと気になるのが前節負傷交代した右SBマギーニョとパフォーマンスは悪くなさそうだったのにハーフタイムで交代したヨン・ア・ピンのところ。
何もなければ当然この2人が出ることになるだろうがどうなるか。

一方のセレッソ大阪の予想スタメンだが、こちらも1週間空いての試合となることもあり前節と同じ11人が並ぶ可能性が高い。
木本が戻ってきたとはいえ瀬古歩夢がここ数試合充実したパフォーマンスを見せているので代えない可能性が高いのではないかと思う。

試合展開としては、両チームの戦い方からしてもボールが行ったり来たりするような流れにはなりにくい。その中でセレッソがどれだけチャンスをゴールに結び付けられるか。
しっかりとボールを握りSBとSHの関係でサイドでチャンスを作ったところからの2トップのゴールに期待したい。

似ているチームと書いたが、サッカーでは似ているチーム同士の対戦こそ実力の差がはっきりとつきやすい。
ビルドアップ、ゲームコントロール、ゾーンディフェンス共にセレッソの方が一歩上手。
しっかりと勝ちきりたい、

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