2021年5月22日土曜日

明治安田生命J1リーグ 第15節 vs. サンフレッチェ広島 プレビュー

2021年5月23日 15時00分:ヤンマースタジアム長居

予想スタメン


明治安田生命J1リーグ 第15節はセレッソ大阪が本拠地ヤンマースタジアム長居にサンフレッチェ広島を迎えての一戦。今節も無観客試合となるが、次回以降のホームゲームはリニューアルされたヨドコウ桜スタジアムでの開催となるため実質的にはこの試合がヤンマースタジアム長居のラストマッチとなる。

■2021年のサンフレッチェ広島

2018年の就任以降4シーズン目を迎えている城福浩監督率いるサンフレッチェ広島。

2位、6位、8位と徐々に順位が下がってきてはいるが予算規模から考えると中堅クラブでありながら粘り強い戦いぶりでまずまずの成績を安定して残しているとも言えるだろう。


広島はそもそも生え抜きを始め長くプレーする選手が多く選手の出入りがそれほど多くないチームで昨季の主力のほとんどが残っているのだが、今季開幕にあたり、昨季のチームトップスコアラーで期限付き移籍でプレーしていたレアンドロ・ペレイラが所属元の松本に復帰(後にG大阪に完全移籍)。しかし昨季途中に柏レイソルから期限付き移籍で横浜FMにチームを移すと突如としてブレイクしたジュニオール・サントスの獲得に成功したことでまずまずのオフシーズンといえる。


そんな今季の広島のトピックは昨季までの3バックから4バックに変えたことではないだろうか。

個人的には昨季までの3バックに悪いイメージは持っていなかった。というよりも人にアタックに行く意識の強い広島の戦い方において最終ラインに5人を配置することはメリットだと思っていたし、ボール保持では狭いスペースでもプレーできる森島司らもいることから昨季の中盤以降は4-4-2に対してはミスマッチを使って相手をずらすボール保持がかなり機能しており、広島の大きな武器の1つになっていると考えていた。

実際に昨季第28節での対戦、ヤンマースタジアム長居での試合では試合の立ち上がりからボール保持でセレッソの4-4-2を動かし続けたことでセレッソは後半開始から5バックに変更せざるを得ない状況にまで追い込んでいた。(この試合の前半が昨季のセレッソが最後に4-4-2で戦った試合となった)


にもかかわらず、3バックから4バックへの変更を決断したのはおそらくプレッシングからのショートカウンターを強化したいからじゃないかと思われる。

3バックだった昨季もプレッシングからのショートカウンターという形は常に狙っていた。

しかしそれを実行するには前線3人とWBの負担がかなり大きかった。

プレッシングにはいくつかの種類があり、例えば相手の選択肢を削ることを目的としたものもあるが、広島が狙っているのはそれとは異なりそのままボールを奪いきってしまおうというもの。

となると昨季までの3バックだとプレッシングは5-2-3で行うことになり、前線3人のアプローチに行くエリアがかなり広く、またWBが後ろを埋めながらも前にアプローチに出ていかなければならないという問題が出てくる。この前線3人とWBにかかる大きな負担を解消したいと考えたのだろう。


ということで実際の試合を見ると、布陣自体はシーズン序盤は4-2-3-1や4-3-3なども使ってたが、非保持の形としては4-4-2がベース。これで敵陣からボールを奪うためのプレッシングを行っている。

またボール保持では両SBをあげて2CBと2CHでビルドアップを行うが、ボールの運び方としてはサイドからで、そこからサイドを変えてというよりも同サイドで運ぶ。

同サイドでボールを運ぶことで、人数が揃っているためボールを失ってもそのまますぐにプレッシングに行くことができるという計算なのだろう。

こうしてまとめると城福監督の就任1年目、2018年の考え方に近いとも言える。

なのでビルドアップのルートとしては東俊希や森島がプレーすることが多い左からがメイン。

CHがビルドアップの出口となり東や森島を使って相手のSBを引き出し、その背後を狙うという形が多い。


こうして戦い方を少し変えた広島は、今季開幕から3つの引き分けがあったものの7試合負けなし(4勝3分)でスタート。シーズン序盤は好調だった。

しかし4月10日の第9節、湘南に敗れてからは2分4敗で6試合勝利なし。

5月12日に行われた第20節前倒し分のG大阪戦(G大阪は宮本監督が退任となった試合)では久々の勝利をあげたが、中2日で迎えた前節の徳島戦も0-1で敗戦。ここ最近はかなり苦しい戦いが続いている。


厳しくなっている要因として4月以降続いている17連戦をあげている記事なども見られるが、もちろん無関係ではないだろうが、この17連戦にはルヴァンカップの試合も含まれてのものなのでそこまで大きな影響は無いだろう。

それよりも、勝てなくなった理由は深刻な得点力不足。4月以降は8試合でわずか4得点。複数得点は勝利したG大阪戦のみという状態に陥っている。


得点が奪えていない理由としては期待の大きかったジュニオール・サントスが未だチームにフィットしていないことが大きい。

そもそも広島の戦い方は、個々の選手に明確な役割があるというよりも、攻守において選手間の連携やコンビネーションを重視する。なのでどうしても「選手の能力云々ではないところでフィットするのに時間がかかる選手が出てきやすい」という側面があるのだが、ジュニオール・サントスはまさにそこに陥っている状態。なかなか自分の仕事を見いだせていない様に見える。

またさらに昨季からプレーしているドウグラス・ヴィエイラも負傷離脱。前線の軸となる選手がいないという状態が続いており、FW登録の選手のゴールは3月21日に行われた第6節が最後となっている。


■予想スタメン

セレッソ大阪の予想スタメンだが、ほとんどの選手が固定されており、怪我人も多いことから前節から大きく変わることはないだろう。

そんな中で前節は加藤睦次樹が移籍後初先発となったが、先制点を奪ったのは加藤から高木俊幸に交代した後。と考えると、今節は高木が左SHに入り清武弘嗣がトップ下に入る4-2-3-1となるか。

加藤は広島ユース出身なのである意味古巣対決とも言えるが、今節はベンチスタートとなるのではないだろうか。


一方、サンフレッチェ広島の予想スタメンだが、前節の徳島戦で永井龍が負傷交代。またミットウィークのルヴァンカップ仙台戦でドウグラス・ヴィエイラが復帰したものの、コンディションはまだまだ。そして2年目の鮎川峻がその仙台戦でフル出場。これらを総合的に判断すると、今節もジュニオール・サントスが先発に入ることになりそう。

そしてこの仙台戦では青山敏弘、川辺駿、森島司、野上結貴、荒木隼人、佐々木翔、浅野雄也など主力選手は軒並み休ませている。

17連戦の15試合目で中2日連戦となるが、ミッドウィークの試合がルヴァンカップであればこうしてメンバーを落とすことができる。今節は休んだ主力選手が復帰する形になるだろうから、それほど大きな影響はないだろう。


■サイドを塞いでCHの背後を狙え

試合のポイントとしては、まず警戒しなければならないのは広島のハイプレス。

2トップと2SHでDFラインにアプローチをかけ、2CHはセレッソの2CHを捕まえに来る。

ここでセレッソはどうボールを逃がすことができるかが大きなポイントとなる。

ここでボールを逃がすことができれば狙いたいのは広島のCHの裏。前からプレスに行くということはチーム全体が前がかりになる。しかしそこでボールを奪い返しきれないと全体に間延びが起こりやすい。その時にスペースが空きやすいのがCHの裏。ここで清武にボールを届けることができれば大きなチャンスになるだろう。

そしてボールを失った直後に狙う即時奪回のプレッシングをかわすことができれば更に背後には大きなスペースがある。そこを坂元や高木のドリブルと推進力で狙いたい。


そして、ボール非保持では広島の得意とする左サイドからのボール前進に蓋をしたいところ。

広島は同サイドでボールを運び、最終的にはSBを引き出してその背後を狙う形が多い。

なので、ここをCHとCBとでカバーしスペースを埋めること。

CBがチアゴとダンクレーのコンビになってからはCBが動き、そのスペースをCHが下がってカバーするという形が増えている。このCBコンビは地上戦でも空中戦でもかなりの強さをみせているが、それでも対応しきれない場面も出てくる可能性はある。なのでCBが動いたことでできたスペースをCHが埋めつづけることが重要。これを90分間徹底したい。


ヤンマースタジアム長居のラストマッチは是が非でも勝ち点3が欲しい。


ちなみに高木俊幸がこれまで最もゴールを奪っている対戦相手はサンフレッチェ広島である。


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