2021年5月4日火曜日

5/2 明治安田生命J1リーグ第12節 VS. ガンバ大阪 @ ヤンマースタジアム長居

スタジアムヤンマースタジアム長居主審今村 義朗
入場者数副審唐紙 学志、田中 利幸
天候 / 気温 / 湿度雨のち曇 / 16.1℃ / 56%第4の審判員松本 大
VAR中村 太
AVAR川崎 秋仁

セレッソ大阪C大阪

 

ガンバ大阪G大阪

 
  • 監督
  • レヴィー クルピ
 
  • 監督
  • 宮本 恒靖

新型コロナウイルス感染予防対策のため、無観客での試合開催(リモートマッチ)


<監督コメント>


<選手コメント>


緊急事態宣言下での試合となり無観客での開催となった明治安田生命J1リーグ第12節、ヤンマースタジアム長居で行われたセレッソ大阪対ガンバ大阪の大阪ダービーは中島元彦のゴールでセレッソが先制するもPKで同点に追いつかれてしまい1-1の引き分けに終わった。

■メンバー

セレッソ大阪にとっては2週間ぶりの試合となったこのカード。スターティングメンバーは直近の試合から3人を入れ替えており、西川潤、進藤亮佑、西尾隆矢が外れ、坂元達裕、ダンクレー、チアゴが先発に名を連ねた。
坂元は負傷した湘南戦以来5試合ぶりの先発。ダンクレーとチアゴは加入後初先発となる。ダンクレーは昨季も神戸でプレーしていたことから早い段階でチームに合流していたが3月に負傷があったそうだ。
またアダム・タガートもベンチ入り。ダン・バン・ラムはベンチ外となったがこれでようやく今季の新外国籍選手が起用できる状態となった。
19歳ながらここまで最終ラインでチームを支えてきた西尾は初めて先発メンバーから外れることとなったが、チアゴとダンクレーは共にブラジル国籍で直接コミュニケーションが取れるという部分が大きいのだろう。クルピ監督自身も直接コミュニケーションを取れることから大きな問題がない限りはしばらくこの2CBコンビがファーストチョイスとなるかも知れない。

一方のガンバ大阪はこの試合を中9日で迎える。スターティングメンバーは前節から2人入れ替え。パトリック、倉田秋が外れ、黒川圭介、矢島慎也が先発に名を連ねた。
FWとMFが外れDFとMFが入ったということでどのような布陣を取るのか?という部分に注目が集まったが、試合が始まってみると開幕戦以来となる4-3-3。中央にレアンドロ・ペレイラが入り、右に小野瀬康介、左に宇佐美貴史と並ぶ3トップ。中盤はアンカーに山本悠樹、右のIHに井手口陽介、左のIHに矢島という並びになっていた。
ということで、これまで先発の機会も多かった、倉田、チュ・セジョン、パトリック、チアゴ・アウベスはベンチからのスタートとなる。

■ガンバはボールを持てていたが

開始1分に満たない段階で矢島が最初のシュートを放ったが、おそらくセレッソは立ち上がりの段階ではガンバの布陣をきちんとは把握できていなかったのだろう。
しかし5分には坂元のカットインからの浮き球パスで大久保がゴールネットを揺らすもオフサイドの場面を作り、6分には清武が受けたファールからのFKで大外で大久保が合わせるも東口がスーパーセーブ。セレッソが立て続けにビッグチャンスを作ると、今度は14分にガンバがCKから井手口が折り返したところに矢島が頭で合わせるもオフサイド。両チームがチャンスを作っていく。

この立ち上がりの時間帯は、DAZNの中継でもガンバがペースを握っているといったニュアンスで進められ、試合後の宮本監督の会見でも「前半の途中まではかなり流動的に全体が出来ていた」という質問があるが、両チームのチャンスの数や質から見るとトータル的にはそんなことはなかったと思う。
ただ、これまでの7試合での1試合平均シュート数がリーグ17位の9.3本/試合、枠内シュート数がリーグワーストの1.7本/試合、に対して、最初の15分でシュート数3本、枠内シュート1本。ここを比較すると悪くない。
ただ、それ以上に上手くいっていると感じていた要因は「狙っていた形でボールを持つ」というところが出来ていたからだろう。
最初の15分間でのガンバのボール支配率は61.1%となっている。

ガンバのボール保持のキーマンとなっていたのはアンカーの山本だった。4-4-2で守るセレッソに対して4-3-3なのでこのアンカーのポジションは必ず浮く。そしてセレッソの4-4-2は2トップの守備が曖昧になってきているのでポジショニングで消すこともできない。
またセレッソの2CHに対して相手も同数の2CHであれば藤田や奥埜が前に出ていくこともできるのだが、2CHに対してIH2人とアンカー1人の計3人とマッチアップする格好になっているので簡単に前に出ていくこともできない。
またさらに山本がFWに捕まりそうな状態であれば、山本と矢島がポジションを入れ替えたりもする。
プレビューでも書いたが、ガンバはアンカー(ボランチ)がボールを持てるかどうかが攻撃の一歩目で、おそらく今回はアンカー(ボランチ)がボールを持つために4-3-3にしてきたのだろうから、やりたいこと、やろうとしていることは出来ていたと言える。

しかし、ボールを持つことは出来ていたがゴールに迫りそうな雰囲気があったのは最初の1分に満たない矢島のシュートぐらい。
15分までのシュート3本のうちの残り2本はCKからだった。もちろんセットプレーでチャンスを作るという狙いでも全く問題ないのだが、そういうやり方をしているようには見えなかったし、そもそもいい形でペナルティエリア内にボールを入れる回数が少なかった。

そうなっていたのは、3トップの中央にいるレアンドロ・ペレイラが孤立してしまっていたからだろう。
3トップの両ワイドはSBとマッチアップする。IHはCHとマッチアップする。その結果CFは2CBとマッチアップするため孤立してしまうというのは4-3-3で陥りがちなパターンだ。
レアンドロ・ペレイラは高さもあるし技術も高くフィジカルも強い。なので宮本監督とすれば4-3-3のCFで十分できるという計算だったのかもしれない。しかしこの試合でマッチアップした2CBはダンクレーとチアゴ。ダンクレーの強さと高さは神戸時代から知られているが、チアゴの強さと高さも相当のものだった。もしレアンドロ・ペレイラの近くにサポートの選手がいればまた違っていたのだろうが、宇佐美と小野瀬はワイドのポジションをとり、IHのハーフスペースへの飛び出しに対しては藤田と奥埜が対応する。となるとダンクレーとチアゴは思い切って勝負することができる。
この2CBは初のコンビで、そもそも2人とも今季初出場。少し食いつきすぎかな?とも感じる場面もあったが、SBとCHがうまくサポートしていたし、そもそもガンバは4-3-3にしたことでアンカーのところで1人余らせている分前線の人数は少なくなるので、それが問題になることはなかった。

■ボールを持つ時間は少ないがゴールに迫るセレッソ

一方でセレッソのボール保持、ガンバのボール非保持について。

4-3-3の場合、IHの片方が前に出て4-4-2にしてからプレッシングしたりセットしたりという方法をとるチームもあるが、ガンバの場合は時折前に出て行った井手口がそのまま残ることはあるものの、基本的にはIHが列を上げたりせずに、2列目に戻って4-1-4-1になることが多かった。
これはおそらくセレッソもCHがボールを持てるかどうかというチームなのでそこをIHでケアしようということだったのだろう。

だた、そうなってもセレッソはサイドにボールを出してサイドから背後という形を使える。
セレッソの2CBに対してガンバはレアンドロ・ペレイラ1人なので、ここは必ずボールを持つことができ、そこから丸橋や松田陸・坂元に出して、そこから豊川や大久保で背後を狙うという形を多用。この攻撃は手数が少ない分、縦に速くなるのでボール保持の時間は伸びないが、ボールを運ぶことに対しては一定の成果があり、それによりガンバゴールに迫っていくことになっていた。

そしてもう1つ、ガンバのサイドの守備にも曖昧な部分があった。
ガンバは4-1-4-1なのでボール非保持ではWGが2列目の両サイドを埋めることになるので「WGは戻ってこないといけない」というタスクはある反面、攻撃のことを考えると「できるだけWGを下げたくない」という思いもあったのだろう。その相反する2つが同居しているのでよくわからない状況になってしまう場面も見られた。
象徴的なのが、大久保のシュートがゴールネットを揺らすもオフサイドになった5分の場面。

この場面は左サイドでボールを動かしていたところからダンクレーを経由して右サイドの坂元へとサイドを変えたところからスタート。
この時坂元に対して宇佐美が戻って対応していたが、坂元が切り返して左足でボールを持ち替えたところで内側から矢島がアプローチをかけにくる。それを見た坂元は奥埜とのワンツーで中へと侵入。山本は坂元から奥埜へのパスのタイミングで奥埜に寄せにいったのでDFラインの前にはポッカリと穴が空いており、そこに入り込んだ坂元から大久保への浮き球パス。大久保はオフサイドだったが守備組織としては完全に崩れている。

■2人の負傷交代とボールを持てなくなるガンバ


ここから23分に大久保からアダム・タガート、34分には小野瀬からチアゴ・アウベスと両チームともに怪我での交代を余儀なくされる。
大久保は立ち上がりからキレのある動きでゴールに迫っていただけに残念な負傷交代となってしまった。

そして大久保が負傷交代した後あたりからは徐々にセレッソもボールを持つ時間が増えることに。

ボールを持つ時間が増えたのは徐々に藤田、奥埜のところに井手口、矢島がアプローチに行けなくなってきたから。清武が内側に入って丸橋が大外レーンを前に出てくることで井手口は安易に前に出られなくなり、矢島は5分のシーン同様に大外まで出ていくので逆に宇佐美が内側に入らざるを得ないことに。

25分にはガンバにとってこの試合最大の決定機となるCKからのセカンドボールを宇佐美が折り返して矢島がシュートを打つという場面を作るもキム・ジンヒョンがスーパーセーブ。ただしこの場面も結局はセットプレーからでボールを持って運ぶという形は作れない。
さらに15分から30分のボール保持率ではセレッソ48.7%・ガンバ51.3%とイーブンに近くなり、30分から45分ではセレッソが55.3%・ガンバ44.7%とセレッソが大きく上回ることとなっていく。

小野瀬が負傷して試合が中断しているタイミングでレアンドロ・ペレイラ、宇佐美、宮本監督で話をしている声が中継でも拾っているが、レアンドロ・ペレイラとすればサポートの選手が遠い中でダンクレー、チアゴとマッチアップするという厳しい状態になっていたので、孤立状況をなんとかしてほしいというところだったのだろう。

そんな中で44分に豊川の折り返しが福田の手に当たったということでセレッソがPKを獲得。今村主審は当初手はナチュラルポジション(自然な位置にあった)ということでノーファールとのジャッジを下したが、VARが介入しオンフィールドレビューの結果ハンド。
手の位置は体から完全に離れているのでナチュラルポジションとはいえないものだった。

しかし豊川はこのPKを失敗。セレッソは先制の絶好機をフイにしてしまった。

■孤立を解消したいガンバ

後半立ち上がりの15分、46分から60分は再びガンバがボールを保持する時間が長くなるのだが、これは前半に問題になっていたレアンドロ・ペレイラの孤立問題に手を打ったからだろう。

後半に入るとガンバは宇佐美を内側に入らせてレアンドロ・ペレイラの近くでプレーさせる場面。

もしくは宇佐美は左サイドに残ったまま井手口がトップ下のようにレアンドロ・ペレイラの近くに入っていく場面が増えるようになる。
近くに選手がいればいくら屈強なCBと対峙していたとしてもレアンドロ・ペレイラにも選択肢ができる。
なので少し前線でボールが収まる場面が増えていた。

そしてこの2つの形はそれぞれ中盤の形も変化する。
前者の宇佐美が出ていく時は井手口と山本が2CHで左サイドに矢島。井手口が出ていく時は山本と矢島が2CHで宇佐美が左サイドという形。
そしてそれはそのままボールを失った時もこの形で守備がスタートすることになる。

■中盤にできるギャップ


63分セレッソは2枚替え。坂元とタガートに代えて、中島元彦と加藤陸次樹を投入。
坂元は負傷あけということで元々60分想定だったのだろう。タガートも試合後の会見で最大45分予定だったとクルピ監督が語っているが、身体のキレを見てもコンディション的にはまだまだだったので途中出場・途中交代となるが大久保の負傷による緊急出場だったので妥当なところである。

そして正確にはこの交代の前からだが、セレッソはガンバのボール非保持の際にできるギャップをうまく使い始める。

ガンバは宇佐美が前なのか井手口が前なのかが状況によって変わるので、セレッソの左SHが内側に入った時、右SHが大外にいる時に対応する選手が状況によって変わる。その結果ここがどんどん曖昧になっていたのである。

そこで生まれたのが74分の先制点。中島と清武がポジションを入れ替えていたのでこの時は右に清武、左に中島という状況。
右の清武にボールが入った時には矢島が引っ張り出されていて、そこからのクロス、そしてこぼれだまを藤田がワンタッチで中島に落としたので中島はボックス内で浮いている状態。福田がアプローチをかけ、井手口が慌てて寄せるが遅れている分井手口の対応は中島が右に持ち出した時に無理をして足を出すような形になってしまい、シュートには対応できず。
流石の東口もノーチャンスというゴールだった。

■勿体無いPK


セレッソの先制点を受けてガンバは75分に3枚替え。矢島、レアンドロ・ペレイラ、宇佐美に代えて倉田秋、パトリック、川﨑修平をそのままのポジションで投入。
そして79分にセレッソは豊川に代えて新井直人を投入。清武がトップ下に移動し新井は左SHに入る。

すると80分、FKからのこぼれ球を昌子がシュートを放ったところ、そのボールがブロックに入った加藤の手にあたりPKの判定。
これをパトリックが決めて82分にガンバに同点に追い付かれてしまう。

このPKの場面はJリーグジャッジリプレイでも取り上げられたようだが、腕は不自然な位置にはないものの横を向いてしまったので身体の幅から出てしまっている。そしてボールそのものが昌子のシュートなのでゴールにつながるプレーであることからPKを取られてもしょうがないプレーではあった。
ただ、高木琢也さんや原博美さんもおっしゃられているように前半のPKがなかったらとったかどうか。それぐらい微妙な判断だったと思う。
ジャッジリプレイではCBは後で手を組んでいたと紹介されていたが、そもそも後ろで手を組まなくてもいいように身体の正面のボールに対しては自然な位置に手があれば、身体の幅を広げていなければハンドを取らないという形でルールが決められているので、厳しいかなとも感じた。まあ横さえ向いていなければあの手の位置で手に当たってもPKではなかっただろうから、横を向いてしまっている時点で言い訳できないのだが。

その後ガンバは82分に山本に代えてチュ・セジョンを投入し、倉田が右SHに出てチアゴ・アウベスが前線に入る4-4-2に変更。

しかしそのまま両チームが決められず1-1で試合終了。
無観客での開催となった今季初のダービーはセレッソが終始押し気味に試合を進めながらも引き分けに終わった。

■その他

クルピ監督は引き分けが妥当と語ったが、セレッソにとっては勝ち点2を失ったに等しい残念な結果だった。
チャンスの数自体はそれほど多くなかったが、そもそもが個人技爆発待ち。それに伴う調整は藤田・奥埜のところで十分できていた。そしてチャンスの数自体も大きく上回っていただけに勝ちきりたい試合だった。

そんな中でも収穫は新外国籍選手の起用に目処が立ったこと。
チアゴ・ダンクレーの2CBは完全にゴール前を支配していた。チアゴは初めて実際のプレーを見たが、身体をぶつけられるし熱いプレーができるファイタータイプでありながらフィードもできる。プレーで周りを引っ張っていけそうな選手なので今後にも期待が膨らむプレーぶりだった。
ただ、この試合ではガンバのボール保持が単調でCBを動かすようなプレーは何もなかったので、動いても2CHやSBのサポートで十分対応できたが、ポジショニングでCBを動かしてくる相手に対してどうなるかというところは今後の注目点か。

タガートに関しては本文中にも触れたが、コンディションがまだまだといった印象。
ただ、28分の清武のクロスに飛び込んでいった場面のようにゴール前で勝負するタイプのようなので、コンディションが上向いてきてどうなるかに期待したい。

一方のガンバについては現状はかなり厳しい。
4-3-3でこんな風になればいいなというイメージはわからないでもないが、全く整理されておらず個人の調整待ちといった感じ。
矢島、山本、チュ・セジョンの誰かが解決してくれるのを待ってるという状態なのだろう。
Jリーグ公式のコメントにはないが、矢島が試合後のコメントがそれを象徴させるものだった。

このままだとかなり厳しいと思うので、数試合後には割り切って引いて守ってカウンターという形に変わっているかもしれない。

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