2021年5月17日月曜日

5/15 明治安田生命J1リーグ第14節 VS. ヴィッセル神戸 @ ノエビアスタジアム神戸

スタジアムノエビアスタジアム神戸主審家本 政明
入場者数4,333人副審越智 新次、鈴木 規志
天候 / 気温 / 湿度曇 / 22.2℃ / 63%第4の審判員西山 貴生
VAR谷本 涼
AVAR武田 光晴

ヴィッセル神戸神戸

 

セレッソ大阪C大阪

 
  • 監督
  • 三浦 淳寛
 
  • 監督
  • レヴィー クルピ

新型コロナウイルス感染予防対策のため、制限付き

(入場者数上限「5000人以下」又は収容率「50%以下」)での試合開催

<監督コメント>


<選手コメント>


明治安田生命J1リーグ第14節、敵地ノエビアスタジアム神戸でのヴィッセル神戸対セレッソ大阪の一戦は、坂元のゴールで先制するもアディショナルタイムのラストプレーでフェルマーレンにJリーグ初ゴールを決められ1-1の引き分け。
またもや試合終盤の失点で勝ち点を失うこととなった。

■メンバー

ヴィッセル神戸のスターティングメンバーは前節から1人入れ替え。セルジ・サンペールが外れてそのままCHに郷家友太が入った。
サンペールは負傷との情報もありベンチ外。なのでベンチにはGK飯倉大樹、初瀬亮、大﨑玲央に加え、イニエスタ、リンコン、アユブ・マシカ、ドウグラスの外国籍選手4人。ドウグラスは3月17日の第5節川崎F戦以来のメンバー入りとなる。
ということで神戸はこの4人とスターティングメンバーに入っているトーマス・フェルマーレンの5人がメンバー入り。現在のJ1では外国籍選手の試合エントリー枠(ベンチメンバーも含めた外国籍枠)が5人。これで外国籍枠が全て埋まっていることになる。
ということは、今回ベンチ外のサンペールが復帰すれば、外国籍選手の誰か1人はメンバーから外れることとなる。

一方セレッソ大阪のスターティングメンバーも前節から1人入れ替え。前節は前半で負傷交代となった中島元彦が外れ、加藤陸次樹が移籍後初先発。それに伴い布陣も前節の4-2-3-1から4-4-2に戻した格好となる。
またこちらも外れた中島はベンチ外となったため、ベンチに新たに加わったのは藤尾翔太。藤尾は今季初のベンチ入りとなった。

■攻め手に欠ける両チーム

立ち上がりはセレッソがプレッシングに行き、神戸がロングボールで背後を狙うというバタバタした展開で始まるが徐々に神戸がボール保持の形を整え始める。

神戸のボール保持のイメージは4-4-2から3-4-2-1への可変なのだろう。
CHの山口がCBの間に落ちて、両SBが前に出る。そして右SHの井上が中に入ってCHの位置にきて、左SHの中坂も中に入るがこちらは1列前。古橋が中央で右に佐々木、左に中坂という関係になる。

ただ、神戸はこの形になったからといってスムーズにボールを運ぶことができるわけでもなかった。
というのも3バック化しているとはいえどこからボールを運ぼうとしているのかがよく見えないから。通常3バック化でよくあるのは2トップの脇を使ってボールを運ぼう。そしてそこにSHを引きつけて相手を動かすことをきっかけにミスマッチを使ってボールと共に時間とスペースを前線に送ろうというのが定石だと思うが、3バック化した中央にいる山口がボールを持つ時間が長く、そこからセレッソのブロックの前にいる中央のCHに単純にボールを出すのでセレッソのブロックは全く動かされない。
また3バックの右にいる菊池はビルドアップに苦手意識があるんだと思うが、ドリブルでボールを運ぶこともできずただ受けたボールを近くの味方に預けるだけという状態。
9分にフェルマーレンから古橋へのロングボール一発でチャンスを作りかけ、その後も2度ほどフェルマーレンから古橋へ直接クサビのボールが入ることもあったが、セレッソもこの状態を察知したのかフェルマーレンにボールが入ればFWが素早くスライドして前に立つ様にし、また菊池にボールが入れば左SHの清武とともに一気にプレッシャーをかけるという狙いどころに設定。そして3バックから単純にサイドに出しても神戸の前に出たSBとシャドゥの位置にいる佐々木もしくは中坂に対してセレッソのSHとSBとで対応できる。ということで、その結果神戸はほとんどボールを運べない状態になっていった。
神戸は時折中坂と酒井のポジション(内と外)を入れ替えたりしていたが、だからといって何かが起こるわけでもなかった。

そしてボールを運べないとなると3バック化して上げているSBの背後はリスクでしかない。
2分には坂元がすでに酒井の背後のスペースにドリブルで侵入していく形を作り、逆サイドにもFWを中心に飛び出す形を作る。
その結果10分ごろからはセレッソが神戸陣内でプレーする時間を増やし、FKやCKのセットプレーの機会も増やしていた。

ただ、神戸にとってはこのSB裏を狙われるというのはいつものことなのだろう。
ここを使われた時のCBのスライドはめちゃくちゃ速い。というよりもCBが外に出ていくことに躊躇がない。
特に菊池はとことんまでついていき、ここで相手の攻撃を遅らせてその間に右SBの山川が菊池の内側に戻ってくる。つまり菊池と山川のポジションを頻繁に入れ替える。
右SBにはこの役割が求められるからこそ、身長186cmと高さもありCBもできる山川がここまで全試合先発しているのだろう。

そして今のセレッソはここで遅らされてしまうと攻め手は大外レーンからのクロスのみとなる。
神戸はCBが外に出てくるので、引っ張り出してファーサイドへのクロスというのは狙っていた形でもあるとは思うが、そこからチャンスに結びつくことはなし。可能性があるのはセットプレーぐらいという状態だった。

山口を最終ラインに落としたところで効果的なビルドアップができていなかった神戸は、飲水タイムの後から山口を最終ラインに落とさず、ビルドアップの形を2CB-2CHの形に変える。
こうなればセレッソの2トップは最初から2CBにプレッシャーをかける様な動きをしないので神戸のCBはボールを持てるが、パスルートとしてはそのままSBに出すしかない。しかしSBに出してもここでセレッソがはめることができるのでボールを奪い返してSBの背後を狙うカウンター。それが28分の坂元から浮き球で豊川へのパスを狙うも山口が懸命に戻ってクリアした場面である。

お互い攻め手に欠ける中で39分に藤田が放ったミドルシュートは郷家に当たってコースが変わるも前川がセーブ。神戸は45分にセレッソのミスから佐々木が最終ラインの背後に抜け出しゴールネットを揺らすもオフサイド。ということで前半は0-0で折り返すこととなる。

■手を打つも


後半開始から神戸は中坂に代えて初瀬亮を投入。初瀬はそのまま左SHに入る。

この交代により神戸のボール保持は、ビルドアップの時に最初から酒井を上げるのではなく初瀬を左の大外に立たせ酒井は自重。
酒井は敵陣に入ってからオーバーラップで上がってくるという形になる。
前半にも書いたが最初からSBを上げるのはリスクでしかなかったし、そこを坂元に使われていたのでということなのだろう。
またそれに伴い山口の前で郷家と井上が並んでいるような状態にもなり、郷家が前に出ていくことが増え、井上もライン間に出ていく様になる。

またボール非保持でもダンクレーの持ち出しに対して初瀬がアプローチに行くようになった。
前半、神戸に比べるとまだセレッソの方がスムーズにボールを運ぶことが出来ていたのは藤田が最終ラインに落ちた時に右CBのダンクレーがドリブルでボールを持ち出せるからだった。菊池は運べないがダンクレーは運べた。
なのでそこに対して初瀬でアプローチをかける。しかしそうなると神戸は4-4-2なので松田、坂元のところでズレが生じてしまうことにもなるが、それに対してはこの初瀬のアプローチを合図に神戸は全体を左にスライド。松田に対しては酒井、坂元に対してはフェルマーレンで捕まえにかかるようになる。

この神戸の変化に対してセレッソは最初把握しきれなかったか、50分にライン間で浮いている井上から古橋へのスルーパスで最終ラインの背後に抜け出されかけるも古橋のシュートは左に外れた。

そして55分ごろからはセレッソも神戸の変化を認識できたのか4-4-2で中央を閉められるようになり、56分にはセレッソがカウンターで結局酒井の背後を坂元が狙う形を再現。フェルマーレンが対応したが、結局徐々に前半と同じような構図になっていく。

57分、両チームが同時に選手交代。神戸は井上に代えてイニエスタを投入。セレッソは加藤に代えて高木俊幸を投入。
神戸は佐々木が右SHに移動しイニエスタがトップ下の、セレッソは清武がトップ下に移動し高木が左SHの、どちらも4-2-3-1になる。

そしてこの交代により神戸のボール保持の立ち位置は上記のような形に。
初瀬と酒井の関係は交代前から変わらないが、イニエスタはトップ下から左に落ちる。その分CHの左が定位置の郷家が中央でCBからのボールを引き出す回数が増え、山口が前に絡む場面が増えていく。
ただし、この交代も組織として効果的だったかどうかは怪しいところ。イニエスタが何か起こすことができればという感じでしかなかった。

なのでこの交代でチームを活性化させたのはどちらかといえばセレッソの方だっただろう。
それまで左SHにいた清武はボール保持で中央に入っていくプレーが多かったが、高木はそのままサイドを縦に行く。
その結果、山川の背後を高木が飛び出していく形が続出。これまで同様にここには菊池が出てきて対応することになっており、セレッソがサイドを取ったところで神戸は守り切れていたのだが、菊池が引っ張り出される回数が増えることに。
これを良しとするのかどうかというところだろう。

神戸は68分、佐々木に代えてドウグラスを投入。ドウグラスが1トップに入り古橋は右SHに移動。
そして飲水タイムを挟み71分にはセレッソが豊川に代えて松田力を投入する。こちらはそのままのポジションに入る。

■試合が動く

試合が動いたのは75分。高木のクロスに大外から飛び込んだ坂元が頭で合わせてゴール。セレッソが先制に成功する。
このゴールは酒井がボールウォッチャーになってしまい大外から飛び込んでくる坂元に対応できなかった場面とも言えるが、この場面もここまで何度も書いてきた菊池がサイドに引っ張り出されたところから始まっている。

なので高木に対応しているのは菊池。そしてこれまでは菊池が出たときは右SBの山川がポジションを入れ替えてCBの位置に入っていたことが多かったのだが、ここでは清武がトップ下から左に出てきていたのでCBの位置に入れず。そしてCHがそこを埋めるという動きもなし。
その結果ゴール前はフェルマーレンと酒井の2人のみ。それに対するセレッソの選手も松田力と坂元。つまりこれだけ人数が揃っているにもかかわらず2対2の状況になっていた。
神戸としてはSBの裏はCBでカバーするということになっているんだと思うが、それだとこういうことは起こり得るだろうなという形だった。

この失点を受けて神戸は2枚替え。79分に山川と郷家に代えてリンコンとアユブ・マシカを投入し、リンコンがFW、マシカが右SHで古橋が左SH、イニエスタがCHで、初瀬が左SB、右SBに酒井という4-4-2に変える。
もはや物量作戦。81分にはリンコンのシュートがポストを叩き、86分にはリンコンのトリッキーなフェイントからのクロスにドウグラスが飛び込むがキム・ジンヒョンが直前でセーブする。

神戸のとにかく前に圧力をかけてくる攻撃に対して、セレッソとしては相変わらずSBの裏は取れるので守るのではなくここを使って敵陣でボールを持つ時間を増やしたいということだったのだろう。

87分に清武に代えて藤尾を投入。90+1分には藤尾で右サイドを取ってクロスを入れる形を作っている。

しかし90+6分。
神戸のゴールキックから、ターゲットになっていたのはパワープレー要員として前線に上げていた菊池。このセカンドボールをマシカが広いリンコン、ドウグラスと繋ぐとドウグラスのシュートはキム・ジンヒョンがセーブ。そしてそこから菊池、古橋のシュートは何とかブロックしていたが、最終的にそのこぼれ球をマシカが落としたところに飛び込んだのがフェルマーレン。
フェルマーレンの左足シュートがゴールネットを揺らし神戸が同点に追いつく。
そしてこのプレーがラストプレーということで試合終了。セレッソはまたもや試合終盤の失点で勝ち点を落とす結果に終わった。

■その他

クルピ監督が試合後の会見で「同点という結果もおかしくない」と振り返っているが、全般的に見ればどちらも決め手に欠ける内容だった。
セレッソはおそらくSBの背後は狙っていて、そこを突くところまではたどり着いていたがそこ止まりでしかなかった。
ただ、先制したのはセレッソ。そんな内容でも勝ち点3を掴むチャンスは十分あった。
しかしこの試合でも終盤に失点したことで引き分け止まり。
ということで試合後にも少し取り上げたこの質問が出たのだろう。

--試合の締め方について。相手が攻撃に枚数を増やしてきた中で、こちらも中盤や最終ラインに瀬古 歩夢選手を入れる選択肢もあったと思うが、3回目の交代策も含め、終盤の采配の意図は?私もサッカーの監督という仕事をしているので、サッカーに対する考え方はいろいろな見方があることは承知です。交代に関しても、いろいろな考え方があると思います。私は、私の信念に基づいて、あのような形で交代枠を使いながら、しっかりと結果が出せると思って交代を選択しました。仮定の話として、おっしゃるような交代をしていたら、1-2で負けていたかもしれません。それは誰にも分からないですよね。

質問者は小田さん。直接リプを頂いたが、決して感情的な質問ではなく、自分の意見を主張しようという意図もない。瀬古の名前を出しているがこれはあくまで例であって、試合終盤に失点が続いていることに対してどう捉え、どの様な考え方で試合を進めているかということを聞き出したいというものだったと思う。
しかしクルピ監督はそうは受け取らなかったようで、少し感情的な回答となった。

個人的にはこのやり取りについて少し驚いた。
ラストプレーで失点した試合終了直後だということももちろんあるのだろうし、もしかしたらブラジルではこういうやり取りは頻繁にあるのかもしれない。ただ結構ナーバスになってるんだなとは感じた。
交代策については本文中にも書いたがクルピ監督の言いたい狙いはわかる。
おそらく質問者の小田さんもそんなことはもちろん承知で、その上でクルピ監督の哲学や考え方の部分を聞きたかったのだろうが、そうはならなかった。

試合終盤の失点問題については改めてどこかで書きたいなとは思うが、個人的には試合終盤の問題というよりもチームの戦い方の問題だと捉えている。
例えばこの試合でも、先制後はこれで相手が前に出てくるのでよりSBの裏が狙いやすくなる。カウンターのチャンス、追加点のチャンスだと捉えていたと思う。なのでクロスも普通に入れていた。
尹晶煥監督の時に割り切って人数をかけて守ることを経験し、ロティーナ監督の時には試合をコントロールすればエラーや相手のスーパーゴールがない限り失点しないということを経験したが、その前までは「相手の攻撃を受けるのは(引いて守るのは)危険」という考え方も普通にあったし、そう思っていた人も多かった。
そのあたりの捉え方。試合の進め方の違いなのではないだろうか。

1 件のコメント :

  1. お疲れ様です。
    全然でキープしようとせず点を取りに行く感じがやはり守りにシフトするよりも攻め切って攻撃を受けさせない方が安全、みたいな発想は序盤の戦いからも見て取れましたね。
    ただそれで実際守りきれない、結果に繋がらない状況が出てきているので手を打っていただきたい。
    尹晶煥の人数をかけて守り切るもロティーナのエラーを避けるも、どちらも勝ち点を積む上で最も重要なことだと思います。
    Akiさんも書いていたかと思いますが、サッカーは1点2点程度が普通でどんだけ攻めても5点6点攻めただけ入るわけではないから守る形というのは必要で、そのあたりがカードとして無いのでは無いかなと思います。
    交代も人の交代ですし、緻密な戦術とはかけ離れた存在なんでしょう。
    攻撃に関してもアドリブ要素が多くそのサッカーの中で再現性や精度突き詰めるとなると川崎のようにもっと緻密にやらないといけないがそれも無い。相手ありきの部分でも去年ほど相手の良さを消せていないですしね。
    ロティーナがいたら解決していたとは思わないですが、少なくとも退歩しているとしか今のところ思えませんね。

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