2021年7月2日金曜日

6/30 AFCチャンピオンズリーグ グループステージ MD3 VS ポートFC @ ブリーラムスタジアム

スタジアムブリーラム スタジアム主審コ ヒョンジン
入場者数副審ユン ジェヨル、パク サンジュン
天候 / 気温 / 湿度曇り / 29.5℃ / 69%第4の審判員キム デヨン

セレッソ大阪C大阪

 

ポートFCポートFC

  • スターティングメンバー
  • GK 36 ウォラウット スリスファー51'
  • DF 3 ティッタトーン アクソンスリ
  • DF 4 エリアス ドラ
  • DF 22 ダビド ロチェラ
  • DF 33 フィリップ ローラー
  • MF 5 セルヒオ スアレス
  • MF 8 コ ソルギ
  • MF 16 シワコーン ジャックプラサート84'
  • MF 31 カナリン ターウォンサック
  • FW 7 パコーン プレムパック84'
  • FW 91 ジョン バッジョ66'
 
  • 控えメンバー
  • GK 1 ワッチャラ ブアトン51'
  • DF 2 ティッタウィー アクソンスリ
  • DF 21 ジャトラパット サッタム
  • DF 26 サラウット カンラヤーナバンディット
  • DF 34 ニティポン セラノン
  • MF 45 ナタウット ソンバチョタ84'
  • MF 6 シャリル シャプイ
  • FW 10 ボディン ファラ66'
  • FW 11 タナシット シリパラ
  • FW 13 ヌルル シーヤンケン84'
  • 監督
  • レヴィー クルピ
 
  • 監督
  • トリーパン サラーウット

<監督コメント>


<選手コメント>



ACLグループステージの折り返し節となるMD3。セレッソ大阪とタイプレミアリーグ3位で出場しているポートFCとの一戦は、前半終了間際に思わぬミスで先制を許すも、途中出場の坂元のゴールで1-1の引き分け。グループステージ前半の3試合を2勝1分で折り返すこととなった。

■メンバー

セレッソ大阪のスターティングメンバーは前節からなんと10人を入れ替え。引き続き先発となったのは中島元彦ただ1人で、松井謙弥、鳥海晃司、小池裕太、西尾隆矢、喜田陽、松本泰志の6人は今大会初出場。そして喜田は今季初出場、松井と鳥海は加入後初出場となる。(松井は9年ぶりの出場)
今大会は中2日の6連戦ということでメンバーを固定して戦うのはかなり無理がある。となると毎試合メンバーを入れ替えながら戦うという方法もあるが、クルピ監督が選択したのは3試合目でがらっと入れ替えてしまうこと。のちに詳しく書くが、クルピ監督のやり方ならこうなるだろうという方法である。
大胆なターンオーバーをしたということで、これまで2試合に先発していた主力組のキム・ジンヒョン、チアゴ、原川力、アダム・タガートの4人はベンチからも外れることに。とはいえタガートは前節の負傷の影響も考えられる。

一方ポートFCのスターティングメンバーは前節から2人入れ替え。外れたのは前節右SBの34番ニティポン・セラノンと左アタッカーの10番ポディン・ファラで、33番のフィリップ・ローラーと31番のカナリン・ターウォンサックが起用された。
布陣に関してはこれまでの4-3-3と同系統の4-1-4-1だが、ポジションは大幅に入れ替え。これまでCFで起用されていた91番ジョン・バッジョは左SHに入り、CFにはIHで起用されていたセルヒオ・スアレス。アンカーだったコ・ソルギはIHに移動し、31番ターウォンサックがアンカーに入っている。

■全く別のチーム

大久保がトップ下なのかFWなのかという部分に違いはあるものの布陣はこれまでの2試合と同系統の布陣をとったセレッソ。しかし試合が始まるとここ2試合とは全く別のチームとなっていた。
もちろん10人もの選手が入れ替わっているからなのだが、それ以上にチームとしてのコンセプトが全く異なるチームになっていたのである。

最もわかりやすい例が右SHと右SBのポジショニングだろう。 
4-4-2から始まった今季のセレッソは鹿島戦を経てACL開幕前の仙台戦で3-1-4-2にたどりつき、ACLの初戦から右SBの松田陸が攻守で立ち位置をかえる片上げ可変システムを採用。右サイドの大外レーンには右SHの坂元が立ち、右SBの松田は最終ラインに残って3バックの右のポジションをとるという形になった。しかしこの試合では右SHの中島は内側に入り右SBの喜田が大外レーンに立つ形になっていた。

■ポートFCの戦い方

立ち上がりのポートはこれまでに対戦した2チームよりも守備のスタート位置が高く、またボールを持とうという意欲も感じられた。

ポートのボール保持の形はアンカーの選手がCBの間に落ちて両SBが高い位置に。4-1-4-1(4-3-3)から3-4-2-1への可変システムである。
実際に2トップに対して3バックなので最終ラインでボールを保持することはできていた。
前の2試合を少し見ていた時もそうだったのだが、ただしここからが少し雑。この試合でワントップに入ったセルジオ・スアレスは本来中盤の選手だが、185cmと高さもあってキープ力もある選手なのだろうからそこに期待されて前線起用となったのだと思われるが、最終ラインから直接ワントップに縦パスをつけてもそこで2CBを背負ってキープできるほどでもない。
なので最終ラインからサイドに振ってそこから縦に突破してという形になるのだが、3-4-2-1と4-4-2のマッチアップはピッチを横断された時にずれが生じてミスマッチが表面化するのだが、最初からサイドにボールを送っての同サイド攻めならズラされる心配もそれほどない。
SBとSHのレーンの棲み分けやIHがハーフスペースに飛び込んでくる形など、がやりたいこと、狙っていることはある程度わかるものの、そこまで効果的な攻撃ができているわけではなかった。
狙い通りにチャンスを作れたのは39分のスローインからの展開で7番パコーン・プレムバック選手のクロスに5番セルヒオ・スアレスが合わせた場面ぐらいか。

また、守備のスタート位置が高かったのは前半の半分ぐらいまで。
取りに行くことでどうしても背後にスペースが生まれるので、セレッソが裏返すようにボールを運ぶ場面を作ると、19分に藤田のパスからDFラインの背後をとった加藤がGKと1対1の場面を迎える。完全なる決定機だったが加藤がシュートを左に外すと、以降は全体の守備ブロックを下げる場面も目立つようになり、徐々にセレッソがボールを持って押し込むという場面が増えるようになった。

■攻めあぐねるセレッソ

セレッソは先に書いた19分の決定機の他、29分には中島のクロスが流れたところから小池のクロスに喜田がヘッド、さらにこぼれ球を加藤がボレーで狙うもクロスバーに跳ね返されるという場面があった。
この2つのチャンスはいずれも決めておきたい決定機であり、この両方を決められなかったことで難しい試合になったのだが、実際この2つも力技的な形でしかなく、全体的に見れば攻めあぐねているという場面も多かった。実際に前半には12本ものシュートを打っているが枠内シュートはわずか1本。8本が枠外で3本が相手に当てている。

攻めあぐねていたのは、攻撃の形が大外からのクロスかカットインからのミドルの2択だったから。傑志戦でも中央で人数をかけて待ち構えている相手に対して大外からのクロスと中央攻撃ではなかなかチャンスを作れていなかったがそれと同じ。なので特に前半の半分以降のポートが守備ブロックを下げていた時間帯で攻めあぐねることが多かった。
象徴的なのが相手に当てた3本のシュートか。これはいずれも中島の右サイドからカットインしてのシュートだったのだが、外からのクロスは跳ね返されるので内側に入る。しかし相手の守備を動かすことができていないのでスペースはない。なので相手のシュートブロックにあってしまうのだ。

そしてこのまま0-0で前半が終わるかと思われた前半のアディショナルタイム。自陣でGKからのスローイングを受けた7番のパコーン・プレムパックがDFラインの裏を目掛けてロングボールを蹴ると、松井がバウンドを読み違えるという痛恨のミス。ワンバウンドしたボールが松井の頭を超えてゴールに吸い込まれ、45+2分にポートが先制する。
これに関しては特に何もない単純な個人のミスである。

■清武と坂元で同点に


HTでセレッソは2枚替え。為田と西尾に代えて高木俊幸と瀬古歩夢をそのままのポジションに投入する。
ビハインドなのでということなのだろう。
さらに51分にポートがGKを交代。36番のウォラウット・スリスファーに代えて1番のワッチャラ・プアトンを投入。
36番のGKは前半から左足を痛めたのか治療をするシーンがあったが、プレー続行不可能だということなのだろう。

しかし前半と展開は変わらず。ポートはボールを奪った時に出てくるので、逆にボールを奪い返すとボールを運ぶこともできるのだが、最終的には引いて守るので、そこに向かってクロスを入れるばかり。力の差はあるのでまだ0-0であればそのままでも良いのだろうが、ビハインドなのでそういうわけにもいかない。

ということでセレッソは67分大久保と中島に代えて清武弘嗣と坂元達裕を投入。同時にポートも92番ジョン・バッジョに代えて10番のボディン・ファラを投入する。ボディン・ファラは前々節、前節と左WGで出場していた選手。今節は92番ジョン・バッジョが3トップの中央から左に回ったためベンチスタートとなったが、本来はこのポジションのレギュラーなのだろう。

そしてセレッソは清武と坂元が入ったことで攻撃が活性化。
ヘディングの競り合いで16番のシワコーン・ジャックプラサートの頭が鳥海の顔面に入るというアクシデントが発生し、セレッソは鳥海がピッチの外に出ているという状態の80分。藤田からのパスを右サイドの大外で受けた坂元が清武とのワンツーでペナルティエリア内に侵入。そのまま左足を振り抜きゴール。セレッソが同点に追いつく。

得点後にセレッソは鳥海に代えて奥埜博亮を投入し松本がプレシーズンマッチでもやっていたCBに。そしてポートは7番パコーン・プレムパックと16番シワコーン・ジャックプラサートに代えて13番のヌルル・シーヤンケンと45番のナタウット・ソンバチョタを投入。
以降はセレッソが清武のFKから瀬古があわやという場面を作るもわずかに合わず、一方ポートにもチャンスはあったがどちらも決められずにそのまま試合終了。1-1の引き分けで終えることとなった。

■控え組が機能しなかったのは

試合としては1-1の引き分け。ポートも傑志と同様にJ1では厳しいレベルのチームなので勝ち切りたい試合だったが、なんとか引き分けに持ち込み首位で折り返しに成功。グループ突破に大きく近づいたといえるだろう。
しかし、スターティングメンバーだった控え組は機能したとはいえない内容だった。

機能しなかった理由として最初に思いつくのは「主力組よりも力の劣る控え組だから」という選手個々のクオリティの部分だろうか。
実際に同点ゴールを決めた主力組の2人は現役日本代表と元日本代表。選手のクオリティにも差が無いとは言えない。
しかしそれ以上に大きいのは冒頭にも書いたように全く別のチームだからだろう。前節までのチームとこのチームはボール保持の形も違えばボールを運ぶ形も違う全く別のチームだった。

別のチームになってしまう理由は明確で、チームの組み立てが選手間の調整に任されているから。
例えばACLに入ってからボール保持では松田陸が最終ラインに残る片上げ3バックをやっているが、そこに行き着いたのは固定された主力組が2月の開幕からACL直前の天皇杯までの間に起こった紆余曲折を経たからである。彼らが開幕当初の行ったり来たりのゲームをし、そこからブロックで守るが勝ちきれない試合をして、鹿島戦で守ってカウンターにトライし、仙台戦で3-1-4-2に変更するという流れの中で、なんとか勝てるようにと自分のできることを調整した結果、現段階では片上げ3バックというところに行き着いた。現時点での主力組の戦い方は、各ポジションに明確な役割があるわけではなく、各ポジションに入った選手が試行錯誤しながらやってきた現段階での結果である。
なので人が代わると戦い方も変わる。各ポジションの役割が基準ではなく個々のできること、個々の関係性による調整が基準となりチームを組み立てているので当然のことである。

なのでこの試合で先発した控え組はこれまでの主力組とはまた別の、全く新しいチームであるとも言える。
公式戦1試合目のチームと公式戦で21試合戦ってきたチーム。大きな差が生まれてもおかしくない。しかもそれぞれに明確な役割があるわけではないので手探りに近い状態である。

こういった問題はチームの作り方によるものなのでどうしても起こり得る。これまでもクルピ監督が率いるチームでは頻繁に起こっていた。
クルピ監督が過去に率いていた2010年や2011年は控え組が関西ステップアップリーグを連覇するなど「控え組」が結果を残していた時期もあった。しかし当時も主力組と控え組は全く別のサッカーをしており、全く別のコンセプトのチームが2チームあった。そしてその中の控え組のチームも戦い方が定まっていたので結果を残すことができていたという状態に過ぎない。

そしてこのやり方だとどうしても「積み上げる」というより「ふるいにかける」という側面が強いのがいつも少し引っかかる。
それがプロの厳しさだと理解するしかないのかもしれないけど。

1 件のコメント :

  1. Akiさん瀬古選手の件について簡単にでいいので説明していただきたいです。名誉にも関わるので。
    鈴木彩艶の件があったからか、隠蔽とか勘違いしてる浦和サポが多すぎて。

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