2015年7月13日月曜日

7/12 明治安田生命J2リーグ第23節 VS コンサドーレ札幌 @ キンチョウスタジアム


第23節
2015年7月12日(日)19:04KO 金鳥スタ


スタジアムキンチョウスタジアム主審山本 雄大
入場者数9,602人副審聳城 巧、西橋 勲
天候 / 気温 / 湿度曇 / 29.8℃ / 66%第4の審判員渡辺 康太

スターティングメンバー
セレッソ大阪C大阪
 
コンサドーレ札幌札幌
 
  • 監督
  • パウロ アウトゥオリ
 
  • 監督
  • バルバリッチ
セレッソ大阪C大阪
札幌コンサドーレ札幌
今回対戦今季平均
データ項目セレッソ大阪コンサドーレ札幌セレッソ大阪コンサドーレ札幌
SH1291111
FK18121513
CK1654
PK0000
警告/退場0/01/02/02/0

<監督コメント>

セレッソ大阪 パウロ・アウトゥオリ監督
コンサドーレ札幌 バルバリッチ監督


<選手コメント>

セレッソ大阪 関口選手、田代選手、玉田選手、橋本選手、阪本選手
コンサドーレ札幌 ク・ソンユン選手


キックオフの19時での気温が29.6℃、湿度66%という中、キンチョウスタジアムで行われたコンサドーレ札幌戦。
札幌は前節大宮に手痛い逆転負けを喫しましたが、それまでは8試合負けなしとなっていました。しかしその最後の3試合は北九州・大分・横浜FC相手にいずれも引き分け、なので前節の敗戦で実は4試合勝利なしとも言えます。

その札幌のメンバーは、離脱していたパウロン、稲本、都倉の3人が復帰、そのうち田代対策なのかパウロンとチームの背骨である稲本はスタメン、都倉は前節の内村・荒野・古田の流動的な前線3人が機能して大宮相手に一時は2-0とした事もあってかその3人のユニットが継続でベンチスタートとなっています。

一方のセレッソは、山口蛍が累積警告で出場停止となるのでそのポジションには移籍後初スタメンとなる橋本、右SBには前節出場停止だった酒本が入ります。
ケガでの離脱や、ここ最近の練習試合は若手中心に組まれている事もあって久々のゲームとなる橋本が、その能力をどこまで出せるかといったところでしょうか。

■札幌の戦い方のベース
プレッシング
札幌の守備は前線から追いかける事が基本。前回対戦時はアンカーの山口がどうしても浮いてしまうので最初はなかなか追いかける事ができなかったのですが、今回はセレッソのシステムが4-4-2だということで4バックに対して前線の3がスライドしながらプレッシャーをかけてきます。
こうやって前からプレスをかけてくるのが札幌の特徴。前の3人でプレッシャーをかけて苦し紛れのパスをインターセプトし、その勢いのまま襲いかかる。なので3-4-2-1のミスマッチ系のシステムですがクロス数は21位でインターセプト数は1位となっています。
ただこのプレスは放っておくとガンガン行ってしまうので、それをコントロールしていたのが稲本。なので開幕戦から20節まで全試合スタメン出場を続けていました。しかし流石に負担が大きかったという事でコンディションを落とし、20節はハーフタイムで交代し21、22節はベンチ外。前節の大宮戦は稲本抜きで前半からガンガンいって2-0としたものの後半運動量がガタッと落ちて逆転負けしています。
左サイドからの持ち上がり
札幌の攻撃は先ほど書いたショートカウンター的なものが多いのですが、放置しておくと面倒なのが左サイドから福森が2トップの脇のスペースを使ってボールを持ち上がってくるプレー。
これはただでさえシステム的にミスマッチが起こっているところにフリーでボールを運んでくるのでここの対応を間違えるとシステム的にズレが出て来やすいからです。

■対プレッシング
SBに対してWBが出てくる
セレッソは最初の1,2回ほどは札幌のプレスに引っかかる場面もありましたが、最終ラインやキーパー、ボランチを使って札幌の前線の3人を外してSBにボールを入れると、SBに対してWBが猛然と出てくる事が判明。出てくると後ろにスペースができるのでSBとSH、SBとボランチのコンビネーションでサイドから縦に突破してクロスという形をつくり15分には丸橋のクロスのこぼれ球を酒本がシュートという場面も見られるようになります。

そして17分にはソンユンのゴールキックを山下がヘディングで跳ね返すと札幌の3バックの裏に。それを何を思ったのかパウロンがオーバーヘッドでクリアしようとしたものがミスキックとなりパブロが奪うとディフェンスを引きつけてフリーの田代にヒールパス。それを落ち着いて決めてセレッソが先制します。パブロは弾んでいるボールのコントロールに少し手間取る事が多く、今回も1つ遅くなったんじゃないかとヒヤヒヤしましたがヒールで何とかつながりました。

■CBの前にスペースを作る札幌
セレッソの先制点は相手のミスからでしたが、札幌のCBの前のスペースを使いました。
プレビューにも書きましたが札幌はこのCBの前に頻繁にスペースを作ってしまうんです。
セレッソももちろんこの札幌の弱点は理解していたのでしょう。2点目と3点目も違うパターンでこのスペースを狙っていました。

まずは37分の2点目の場面。
セットする守備に
札幌はプレスがハマらなくなり守備のスタート位置をセレッソのボランチの前まで下げていました。なのでボランチの前に前線の3人がいる状態。前線3人の内、両サイドはセレッソのSHへのコースを消しながらSBへのパスを牽制しているポジションをとっていました。
暴走モード
セレッソはSBを高い位置に上げて相手の守備を動かそうとしていたらその時、何を思ったのか札幌のこの試合ではボランチに入っていた宮澤が突然橋本にプレッシングを仕掛けていきます。稲本にしてみれば「マジかよ!」って思った事でしょう。
稲本のまわりが大変な事に
橋本は落ち着いて横の扇原にパスをする。するとどうでしょう。稲本はセレッソの選手4人の中心に。そしてボールを持ってる扇原の前には誰もいません。きっと札幌の前線3人もまさか内ろから宮澤が自分のポジションを飛びだしてまでプレッシャーをかけにくるとは思っていないから準備が出来ていないのも当然です。
ワンツーからのスルーパス
扇原がパブロにボールを渡すと、コンビネーションの練習みたいなもの。パブロと田代のワンツーで慌てて寄せる稲本を外して、パウロンと櫛引を最終ラインから前に引き出して最終ラインにギャップを作ると、そのギャップをつかって抜けだした玉田にスルーパス。それを落ち着いて決めて2-0。
この時5バックになっていたWBは何をしているかと言うと、最初に上がってきたSBに対応してるからカバーにも行けないという状況になっていました。

次は3点目の場面。
後半に都倉が投入され、55分に橋本のミスパスと染谷のクロスの対応の2つのミスが合わさって2-1となった後。このゴールで札幌としては勢いをつけたかったんでしょうけど勢いの問題じゃないので59分に田代にシュートを打たれて、さらに60分に札幌は古田に代えて中原を投入しています。
低い位置でブロックを作る
セレッソが右サイドで押し込んでいます。なので札幌は5-4-1の撤退ブロック。
バックパスに喰い付いてくる
もう5-4-1で引かれてしまうと詰まっているのでやり直しという事で山下、染谷とつないで逆サイドに展開しようとすると、山下には都倉が染谷に渡った時には中原が一気にプレッシャーをかけようと前に出て来ます。
丸橋がボールを持った時にはスペースが
染谷から丸橋にボールが渡った時に橋本が丸橋の前に飛び出していくとこの状態。3バックの前にスペースができています。
3点目の形
丸橋からの楔のパスを受けた田代がヒールで落として玉田がゴール。
これが3点目の形です。

この様に札幌の3バックの前にスペースができる場面はこれ以外にもかなりありました。
前半のパブロがドリブルシュートに持っていった場面もそうですし、田代が左足でシュートを放った場面もそうでした。

■セレッソの守備
最初に書きましたが、札幌の攻撃で一番やっかいなのは福森の持ち上がりから始まる攻撃。
ここは形をずらしてくるので継続して守備がハマらないと引きずってしまう可能性があるからです。
立ち上がりの守備
<11>福森の持ち上がりに対して
この持ち上がりに対して最初は橋本が前に出て対応していました。関口の所には大外に堀米がいるからで、そうなると荒野を酒本が見る形になっていました。
なのでここからサイドを変えられるとスライドで丸橋が前寛之に対応するという事ですね。
ですが、掘込は荒野を追い越すし、荒野は下がったり中に入ったりするので酒本がどこまでついて行けばいいのか、関口と受け渡しをするのかなど、決定的なピンチはありませんでしたがちょっとハッキリしていませんでした。
ファーストディフェンダーを代える
しかし前半の途中から関口を行かせるようにする。そして後半になるとすっかり堀米(後半からは前寛之)には酒本。橋本は関口と酒本をコーチングしながらスペースを埋め、必要であれば荒野(後半からは内村)を捕まえたままついていく。内村に山下が付けばカバーするという形になっていました。
失点シーンには絡んでしまいましたが、3点目も丸橋の前に飛び出していく動きもそうですし、ボールを動かす動きもそうですが、この辺りは流石に橋本は経験のある選手だなと思わせるプレーでした。

■試合展開
試合は前半からセレッソのペースで進み、田代・玉田で2得点。
後半に札幌が1点返すものの、根本的に札幌の問題点は解決していないので玉田が3点目を決めて3-1。
最終メンバー
76分に札幌は3人目の交代として内村に変えて上原を投入し、都倉の下に上原・中原・宮澤の3人が並ぶ形にすると、セレッソも85分にパブロに代えて茂庭を投入。3バックにしてさらに上原と宮澤の間に中原がいるという事で、橋本をアンカーに置いて右関口、左扇原の中盤3枚に。
さらに90分には関口に代えて阪本を投入。
終盤には都倉にチャンスがあったもののキム・ジンヒョンがセーブして試合終了。
セレッソが快勝しました。

■その他
快勝でした。マッチデーハイライトで水沼貴史氏がモリシに「得点が全部中央だけど、札幌の守備に問題があったのか?」って質問をしてて、モリシは結局良くわからない答えをしていましたが、札幌の守備に問題があったのは確かでした。
というかそこが空きやすいという事を予めわかっててそこを狙ったという事でしょう。
狙ったところを狙った形で、選手が連動して絡む形で結果がでたので素晴らしい事だと思います。
ただ、まだやっぱり玉田と田代の所は重なったり、別々になったりしていますし、本来ならその2トップにパブロもストライカー的な形で絡んでゴール積み重ねる事ができればいいんですが、そこはやり続けていく事しかないでしょう。

阪本はついにプロデビューとなりました。
昨シーズンの天皇杯に出場、ゴールまで決めていますが、これまで何度か交代しかけたもののという感じだったので良かったです(笑)。
あと、この日は最後に沖野が準備していたものの入る前に試合終了となってしまいましたが、終盤は間延びしてボールホルダーを完全にフリーにし、守備ブロックを下げるしかなくなっていたのでもうちょっと早めに投入しても良かったかなあというところです。

2 件のコメント :

  1. こんにちは。いつも解説ありがとうございます。ド素人の私でも勝ったあとは読んでて楽しいです。正直負けると読むのはしんどいです。
    フォルランがいなくなってしまったからには!色んな選手で沢山点を取って欲しいですね。
    あと、いつか蛍ビダルっていうのは見れそうですか?

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    返信
    1. コメントありがとうございます。
      個人的にはやって欲しいんですが、
      残念ながら山口ビダルは多分やらないでしょうね(笑)

      削除

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