2020年7月22日 19時30分:ヤンマースタジアム長居
予想スタメン |
■今季のヴィッセル神戸
昨季はここ数年の超大型補強がありながらもリージョ〜吉田孝行監督期に公式戦9連敗を喫した神戸。しかしドイツ人トルステン・フィンク監督就任後は戦術が整理されたことで徐々に勝ち点を積み重ねられるようになり、天皇杯優勝を達成。初タイトルを獲得した。迎えた今季。ビジャの引退、ポドルスキの退団はあったが、清水からドウグラスを獲得。Jリーグで最も計算できる外国人ストライカーの1人を確保することに成功している。
ここまでの成績は2勝2分1敗。2月の開幕戦では昇格組の横浜FCと引き分け、さらに中断明け初戦は広島に0-3で敗れるというスタートとなったが、続く鳥栖戦に0-1で勝利し、メンバーをガラリと入れ替え先発が全員日本人となった大分戦は1-1の引き分け。そして前節は清水に3-1で勝利している。
ちなみに神戸は今季ここまで6得点を記録しているが、古橋4、ドウグラス2とスコアラーはこの2人しかいない。
神戸の布陣は4-3-3。開幕戦は4-3-3、再開初戦の広島戦では3-1-4-2を採用したがここで0-3の敗戦を喫して以降4-3-3に戻しその後は全て4-3-3になっている。1度大きく入れ替えているが、選手は固定気味でGKに飯倉。DFラインは西、ダンクレー、大崎、酒井高徳。中盤は、アンカーにサンペール、IH左にイニエスタ、IH右に山口蛍。3トップは左が古橋、中央にドウグラス。右は小川か田中という感じ。
CBでフェルマーレンが負傷(既に練習には戻っている)しているが、前節はダンクレーもメンバー外だったので負傷している可能性もある。
そのため前節は大崎と渡辺博文がCBを組んでいた。
戦い方はボール保持を中心にしたもの。ここまでのボール保持率は61.9%で2位(トップはマリノスの66.0%。3位の川崎が54.2%なのでマリノス、神戸の2チームが飛び抜けて高い)。やはりサンペールはこの位置の専門家だけあってDFラインに落ちる時、落ちない時の使い分けがうまく、そこに時折イニエスタがヘルプに入り、両SBは高い位置に出てくる。
このボール保持で最も警戒すべきはもちろんイニエスタなのだが、場合によってはそれ以上に厄介なのが古橋。左WGなのでワイドにいることもあるが、左SBの酒井高徳が出てくると内側に入る。しかしそこから斜めにサイドに出てくる動きが非常にいやらしい。
これでSB裏に飛び出してくるとCBが引っ張られる。しかし手前には酒井高徳がいて、内側にはイニエスタがいる。さらに古橋は何度も動き直しができるので、神戸のチャンスのほとんどにボールに絡まなくても古橋が関係している。
また、これはセレッソサポーターであれば知っている方がほとんどだろうが、右IHの山口も後ろから飛び出してくる動きは得意である。
一方で守備面に関しては神戸は基本的に前でボールを取りたいチームになっている。古橋が2度追い3度追いできるというのもあるのだろうが、ボールを持ちたいのでボールを速く奪い返したいということなのだろう。
ただ、その分第1プレスラインを掻い潜られると割と簡単にチャンスを作られてしまう傾向にあり、被シュート数は少ないものの被枠内シュート数は多く、またシュートブロックやGKのセーブも少ない。
ただ、昨季の対戦時にもこの傾向はあったのだが、それを踏まえて昨季のアウェイでの対戦時にはセレッソのビルドアップ時にほぼマンツーマンで対応するという荒技をとってきた。なのでこの試合でも何かを仕掛けてくる可能性はある。
■プレビュー
セレッソ大阪の予想先発メンバー。前節から中3日での試合となるため、左SHは清武に代えて柿谷、CBは瀬古に代えて木本は濃厚だろうが、それ以外をどうするか。代えないのか代えるのか。特に広島戦ではヨニッチにミスが目立ったので心配なところである。通常であればヨニッチのバックアッパーとしては庄司になるが、ここまで一度もメンバー入りをしていない。となると、休ませるなら木本・瀬古のコンビもあるのか。
また前線に関しては、前節ベンチ外となったブルーノ・メンデスの状態が気になるところ。都倉のパワーも効果的だが昨季対戦した時のことを考えるとサイドへの飛び出しも重要な要素となる。ブルーノ・メンデスが難しいようであれば豊川の存在が重要になるだろう。
一方のヴィッセル神戸。フィンク監督は「多少の変化はあるかもしれないが、そこまでメンバーを入れ替える必要はない」との発言をしている。これを真に受けるなら、イニエスタ、サンペールなど主力はそのまま出場。使い分けている右WGをどうするか、ダンクレーが起用できる状態なのかどうかと言ったところ。
右WGは前節小川だったので田中順也が起用される可能性も高いだろう。
試合のポイントはセレッソのビルドアップだろう。
先ほども書いたが、昨季のアウェイ対戦時に神戸はここに対して「ほぼマンツーマン対応」という対策をとってきた。
(前回対戦時の記事→11/23 明治安田生命J1リーグ第32節 VS ヴィッセル神戸 @ ノエビアスタジアム神戸)
前節、前々節と試合の立ち上がりのセレッソのビルドアップほぼ完璧で相手を完全に圧倒している。この試合でも立ち上がりに試合のリズムをセレッソが作ることができればかなり優位に試合を運ぶことができるだろう。
そのポイントとなるのが坂元の存在。これは単純に去年にはなかった部分である。マンツーマンの対応で最も苦しんだのは、古橋と酒井高徳とマッチアップしていた水沼と松田の右サイドだった。坂元が酒井高徳相手に優位に立つことができればもちろん最高だが、CKにまで持ち込めれば、なんなら松田を楽にできるなら、かなり状況は変わってくる。
また後半は失点したもののペース自体は取り戻せていたので十分チャンスはあるはずである。
神戸はポゼッション型のチームでイニエスタがいることから遅功でもチャンスを作れるが、試合のテンポはそこまで落とさない。
なのでセレッソがビルドアップから自分たちのリズムに持ち込むことができるかが大きな分岐点となりそうだ。
豪華なタレント擁する神戸だが、チームとしての完成度、穴の少なさではセレッソが上回る。
再開後初ホームの試合となった前々節は敗れてしまったので、この試合は勝利し拍手でチームを迎えたい。
ドローでしたが、非常に良い試合でした!
返信削除私では気が付かない色々な駆け引きがあったと思いますので、レビューを楽しみにしています。