2021年8月8日日曜日

明治安田生命J1リーグ第23節 VS. ベガルタ仙台 プレビュー

 2021年8月9日 19時00分:ヨドコウ桜スタジアム

予想スタメン

東京オリンピックも8月8日で終了し明治安田生命J1リーグが再開。多くのチームの試合数が揃った中で迎える第23節、セレッソ大阪は本拠地ヨドコウ桜スタジアムにベガルタ仙台を迎える。


■前回の対戦

前回の対戦はACLグループステージ開催前の5月30日に行われた第17節。原川のFKからチアゴが頭で合わせてセレッソが先制するも、途中出場のマルティノスのゴールで仙台が同点に追いつき1-1の引き分けで終了している。

前回対戦時のスターティングメンバー

両チームのスターティングメンバーは上記。連戦中なので仙台はメンバーを入れ替えているが布陣はいつもの4-4-2。一方のセレッソは3-1-4-2。前節の鹿島戦で選手たちがブロックを作ってカウンターという形を選択したことに対するクルピ監督の答えがこれ。SBを高い位置に出すためにCHの1枚を削って3バックにしたという形なので中盤は原川のアンカーにIHは清武と坂元。とはいえ清武と坂元はIHというよりもシャドゥ的な考え方である。


仙台にとって予想外だったであろうセレッソの3-1-4-2。セレッソは3バックの両サイドに入るダンクレー、瀬古の持ち出しを中心にボールを保持する展開となる。

しかし一方的に押し込むという形にはならず。というのも仙台もボールを奪い返せばサイドからボールを運ぶことができていたから。カウンターの形は無いので一気にボールを運んで行ったり来たりという展開にはならないのだが、どちらもボールを持ちながら攻めるという不思議な展開。前半はその割合がセレッソの方が少し多いというだけに過ぎなかった。


後半に入ると仙台がサイドからセレッソのアンカー脇に早いタイミングで差し込むパスを増やしていくのだが、連戦中ということもあってか結果的にそれが試合をオープンにし始める。

そんな中で迎えたのがセレッソの先制点。オープンになったことで坂元がプレーするスペースが生まれ、坂元が倒されてFKを獲得。これを原川が蹴るとチアゴが頭で合わせてゴール。53分にセレッソが先制する。


先制したことでセレッソが試合の主導権を握るかと思われたが、試合をコントロールしようという素振りもなし。怪我明けの原川に代えて大久保を投入し、FWで先発した奥埜をアンカーに落とす。

この交代をみてもまさにクルピ監督はこの3-1-4-2を「CHの1枚を最終ラインに下げただけ」だと捉えていることがよくわかる。4-4-2の時と後ろの枚数は変えていないという捉え方なのだろう。

なのでセレッソが先制したにも関わらずオープンになっている試合展開はそのまま。

そこで投入されたのがマルティノス(とフェリペ・カルドーソ)。

オープンな展開が続いていたのでもちろんセレッソにもチャンスはあったが決められないでいると、蜂須賀のクロスにマルティノスが飛び込んでゴール。79分に仙台が同点に追いつく。


その後もお互いが攻め合うオープンな展開で試合は進むが、そのまま試合終了。1-1の引き分けに終わり、セレッソはこの試合でリーグ戦6試合未勝利となった。


■現在の仙台

前回対戦から2ヶ月ほどが経っているがその半分は東京オリンピックの中断期間。その間にはリーグ戦4+1試合(+1は先週開催の延期分G大阪戦)のみなので、チームのコンセプトといった部分に大きな変化は無い。

ただし前回対戦以降のリーグ戦5試合は0勝2分3敗と勝利がない。(セレッソはリーグ戦3試合で0勝3分0敗)


変化があった部分はとすれば戦力面。主力組には変化はないが、ジョーカー的な存在だったマルティノスが契約解除となった。

とはいえ、セレッソ戦の後のフラッシュインタビューでも自身の起用方法について手倉森監督に楯突いていたように不満を隠そうともしていなかったのでしょうがないところだろう。

仙台の現状を考えるとマルティノスを保持しておくことは難しかったと思う。


そして、今節はおよそ1ヶ月ぶりにリーグ戦が再開となるのだが、仙台は約1週間前の8月3日に再開済み。

G大阪の活動停止により延期となった第5節を消化している。

この試合についてまとめておくと、布陣は中断前と同じ4-4-2。ベースとなるメンバーもほぼ同じで、中断前最後の試合となった札幌戦からは3人を入れ替え。

2トップの1人をフェリペ・カルドーソから西村拓真に。左SHを加藤千尋から氣田亮真に。CHを上原力也から松下佳貴に代えている。

また前回のセレッソ戦で負傷交代となったフォギーニョはこのG大阪戦でベンチに復帰。最後10分ほどプレーしている。

 

戦い方としては、前回対戦時にも書いたが、序盤の6連敗、開幕10試合勝ち無しから脱却し少しずつ勝ち点を積み重ねられるようになったのはある程度守れるようになったことが大きい。

直近9試合で複数失点は清水戦の1試合のみである。

ベースとなっているのは4-4-2のブロック。ゾーンディフェンスというわけではないがブロックを狭くして人数をかけ、とにかく中で守る。

中を閉めることを優先するのでサイドを取られた時は遅れて出ていく形になるのだがCBが動かず中に人数を揃えているのでクロスを跳ね返すことも出来ている。


ただ悩みどころとしては攻撃面。

ブロックを作って守っているので、できれば形を変えず手数をかけない速い攻めをするのが効率的かとは思うが、速い攻めだとロングボール一辺倒になってしまいなかなか上手く行かない。

そのため前々節の札幌戦ではロングボールのターゲットとなり得るフェリペ・カルドーソをトップで起用したが、ボール非保持で赤﨑・西村コンビの時のような規制をかけることができず、機能し始めているはずの守備ブロックがどんどん動かされてしまったので、前半の序盤はかなり厳しい展開となっていた。守り方がゾーンではなく対人の傾向が強く、例えばSHはSBをケアすることの優先順位が高いので、1つめを簡単に外されてしまうと後ろにどんどんしわ寄せが出てきてしまうのである。


しかし仙台がボールを持てないチームかといえばそうではない。

むしろCHの1人が最終ラインに落ちてCBが広がり両SBが上がる。そして両SHが内側に入ってくるという幅を取りながらボールを保持するという形もある。

前回対戦時もそうだったように普通にボールを持つこともできるチームにはなっている。実際に前節のG大阪戦でもボール支配率が56.1%とG大阪を上回る数字を記録した。(前半にリードされた影響もあるのだが)


ただ、難しいのがボール保持と非保持の繋がりのところ。

ボール保持で形を変えれば変えるほど中を閉めたブロックを作るのに時間がかかってしまう。

しかし形を変えなければボール保持にはなかなか持っていけない。

その結果、意図していなさそうなのに試合がオープンになってしまったりすることも多く、またボールを持つ時間を作りながらもチャンスに決められないといった試合になることが多い。

その結果、勝ちきれない、攻めながらも得点を奪えないという試合がどうしても増えてしまっているのではないかと思う。


■予想スタメン

セレッソ大阪の予想スタメンだが、ミッドウィークの天皇杯から中4日なのでそのまま天皇杯に出場した主力組が出場することになるだろう。また天皇杯を回避した坂元達裕や大久保嘉人も特に問題がなければ戻ってくるのではないだろうか。

ただ、この試合は松田陸が累積警告で出場停止。さらには清武弘嗣が天皇杯で負傷交代している。松田陸のところは現在バックアップの1番手である喜田陽が起用されることになるだろう。先発出場となればこれがJ1での初先発となる。

清武のところはコンディション次第だが、もし無理なら4-4-2にして左に高木俊幸、FWに大久保嘉人。間に合うようであれば4-2-3-1のトップ下に清武で左に高木という並びになるだろう。

また、オリンピック代表でチームを離れていた瀬古歩夢が土曜日にチームに復帰したが、合流直後ということもありどうやら今節の先発は無さそうだ。


一方のベガルタ仙台の予想スタメンだが、こちらは前節のG大阪戦が火曜日だったので中5日。全く問題ない日程なので前節のメンバーがそのままベースとなりそうだ。

さらに前節終盤に途中出場で復帰したフォギーニョも戻ってくることになるだろう。

そして仙台はこの中断期間に清水からセレッソ大阪U-15出身の福森直也を獲得しているが登録はまでなので今節の出場は無い。


■2点目を奪えるかどうか

試合展開としては、時間の経過とともに徐々にお互いが攻め合うような形になる可能性が高い。

仙台としては序盤は比較的クローズにしたいという意思があるとは思うが、ロングボールではセレッソの2CBが有利に立つだろうし、セレッソが比較的オープンに攻めてくるので徐々に試合展開はそちらの方向に傾いていくんじゃないかと思われる。

そんな中でセレッソとしては1-1からでも1-0からでもどちらでも良いので2点目が先に取れるかどうかがポイントになるだろう。


もちろん理想は先制しそのまま2点目を奪うこと。2-0に持っていくことができれば選手にかかる負担はかなり楽になる。

しかしもし先制されたとしても、もしくは先制した後に追いつかれたとしても、先に2点目を取れるぐらい動く試合になっていればセレッソには十分チャンスがある。

リーグ戦前節、前々節は、前半の2点ビハインドから後半にちゃぶ台をひっくり返すような形で3-3に追いついたので「2点取られても大丈夫」と言えるかもしれないが、あの展開はあまりにも選手の負担が大きい。

ここから連戦が続くことを考えると、たとえ勝つことに成功したとしてもああいった展開は避けたいところだろう。


現在リーグ戦で9試合勝ち無しのセレッソ。この9試合は比較的上位のチームとの対戦が多かったことも事実だが、その間にあった自分たちよりも順位が下のチームにも勝てなかったから未勝利が9試合にまで伸びてしまったとも言える。

そして8月は現時点でセレッソよりも順位が下のチームとの対戦が増えるので、今月こそは星を落としたくないところ。まずはこの仙台戦での勝ち点3。直近の公式戦で8試合負けなしの仙台戦でヨドコウ桜スタジアムでのリーグ戦初勝利を飾りたい。



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