2021年8月25日 19時00分:ヨドコウ桜スタジアム
予想スタメン |
リーグ戦12試合ぶりの勝利を収めて迎える明治安田生命J1リーグ第26節、セレッソ大阪は引き続き本拠地ヨドコウ桜スタジアムで湘南ベルマーレと対戦する。
■前回の対戦
前回の対戦は3月21日に行われた第6節。強い風と雨の中で行われた開幕から続く連戦最後の試合は0-0の引き分けに終わっている。
前回対戦時のスターティングメンバー |
両チームのスターティングメンバーは上記。
開幕から続く連戦は選手を入れ替えながら戦っていた湘南。しかしこの試合は連戦最後(この後は国際Aマッチウィーク) ということもあり直近の試合からの入れ替えは2人のみ。前節は中盤3CHの中央に入っていた田中聡がこの試合では3バックの左に入る。
一方のセレッソ大阪は直近の試合と全く同じスターティングメンバー。ベンチメンバーも同じだった。
試合の主導権を握っていたのは湘南。ボール非保持では3-1-4-2の布陣から2トップを中心に中を閉めてサイドにボールを誘導。そこに激しくアプローチに行く。
またボール保持では、アンカーをセレッソの2トップの間に立たせて、3バックの両サイドの選手が2トップ脇のスペースにボールを運び、ここを起点にボールを前進させている。
セレッソはこの湘南の戦い方に対して攻守に後手に回っていた。戦術的な不具合と、連戦を固定メンバーで戦ってきた疲れから、セレッソの選手が主審の判定に意義を唱える場面が多かったのはそれを象徴していたといえるだろう。
セレッソはなんとか前半を0-0で凌ぐとハーフタイムで2枚替え。4-4-2から清武がトップ下の4-2-3-1に変更するが内容は改善されず。
後半はセレッソが風上に立ち、さらに風も強まってきたことから、風下となった湘南がロングボールを使いにくくなり、少しずつセレッソがボールを保持する時間を作れるようにはなったが、チャンスの数でも湘南が上回ったまま。
しかし湘南はそのチャンスをものにできずに、0-0で試合は終了。
さらには直後の日本代表に招集されていた原川と坂元が怪我をするという嬉しくないアクシデントも重なってしまった。
セレッソはこの後の試合でも鳥栖戦と浦和戦に勝利するが、今になって思い返せばリーグ戦で上手くいかない試合が続くことになる最初の試合はこの湘南戦だった。
■現在の湘南ベルマーレ
4勝10分11敗で降格圏の17位にいる湘南ベルマーレ。前回対戦時も1勝4敗と苦しい状況での対戦だったが、その対戦以降は2勝6分と引き分けが多いものの8試合連続負けなし。
その後も川崎Fと引き分けたり、アウェイで浦和に2-3で勝利したり( 鈴木彩艶の登録問題で公式記録は0-3の勝利に変更)と個人的には悪い印象は持っていなかった。
もちろん予算規模の問題から選手層や選手の質という部分ではどうしてもJ1の中では見劣りしてしまう部分もあるが、昨季からやっていた3-1-4-2の布陣は面白いなと感じていた。
しかし6月27日の第20節柏戦で敗れるとそこから5連敗。前節の清水戦も1-1の引き分けに終わったため、現在6試合勝利なし(1分5敗)となっている。
そしてオリンピック中断前に3連敗したからか、中断あけから布陣を3-1-4-2から3-4-2-1に変更している。
当初は、中断あけ初戦が鹿島戦だったのでこの試合のために布陣を変えたのかと思われたが、続く名古屋戦、そして前節の清水戦でも3-4-2-1だったので前線の形を変えたというころなのだろう。
そしてこの夏のマーケットで梅崎司、中村駿はそれぞれ大分と福岡に移籍したが、鹿島から期限付きで杉岡大暉が復帰。いきなり名古屋戦、清水戦で続けて先発フル出場を果たしている。
3-4-2-1の1に入るのは当然ウェリントン。湘南でも福岡でも神戸でも対戦したJリーグ屈指のエアバトラーなので今さら説明は必要ないだろう。3-4-2-1になってから3試合全て1トップで先発している。
シャドゥで起用されているのは大橋祐紀と名古新太郎か山田直輝。大橋はこれまで2トップの一角として起用されてきたが現在はシャドゥ。プレーエリアの広さからもわかるように、もともとCHやSHでプレーしていた選手なのでシャドゥの位置もそつなくこなしている。
そして布陣が変わったことで出場機会を増やしたのは茨田陽生。3-1-4-2の時はIHで2試合に先発していたがいずれも45分で途中交代。しかし3-4-2-1になってからは本来のポジションであるCHされるようになり、3試合全てで先発している。
戦い方に関しては、布陣を変えてまだ3試合というころもあり結構試合ごとに印象が異なる。
初戦の鹿島戦では完全に5-4-1でブロックを作って低い位置でブロックを作って守る時間帯が長かった。
しかしこの低い位置でのブロックは、意図的に下がるというよりも押し込まれてそうなってしまったという感じ。試合自体は大橋の今季初ゴールで先制するもCBの犬飼智也に2点取られて逆転負けとなるのだが、犬飼の1点目が象徴的。このゴールはACLのMD2傑志戦でチアゴが決めたミドルシュートに近いかたちで、ボールホルダーに全くアプローチに行けず守備が下がりすぎてしまい、豪快なロングシュートを打たれている。(シュートはクロスバーに当たり、その跳ね返りがGK谷晃生にあたってゴールに吸い込まれた)
続く名古屋戦では、名古屋が稲垣を落としてビルドアップをしていたからか左シャドゥの名古が前にでる形をとり、ブロックを下げないように高い位置からアプローチをかけようという意図が見られた。また名古屋のもう1人のCH米本にはCHが前に出て捕まえに行く。そうなるとCH脇にスペースができやすいが、そこはこの試合が復帰戦の杉岡や大岩の3バックの両サイドの選手が迎撃気味に前にでて潰そうとしていた。
しかし後半になるとCHがCHを捕まえる分、どうしてもスペースが出来て縦パスを差し込まれる場面が増える。
その結果CKから札幌から加入したキム・ミンテに決められて失点。1-0で敗戦している。
そして前節の清水戦。この試合は5-2-3で守備を始める場面が多かった。
前線の3でボールサイドを誘導して、サイドチェンジには逆サイドのWBが迎撃型で対応している。
いずれの試合もボールを運ばれた場合は5-4-1になるのは変わらないが、相手のやり方によって前線のアプローチの仕方は変化させている様子が伺える。
そして最終的には迎撃型。もともと湘南は3-4-2-1で迎撃型でアタックして奪ってカウンターに走るという戦い方を得意としていたので、以前の戦い方に近づいたという印象か。
■予想スタメン
セレッソ大阪の予想スタメンだが、おそらくこの試合は4-4-2でいくはず。
なので変化があるとすれば、FWがアダム・タガートと豊川雄太なのか加藤陸次樹なのかというところか。
一方湘南ベルマーレの予想スタメンだが、前節は名古と畑大雅を休ませているので彼らの復帰が濃厚か。ただ、どちらもベンチからも外れているので、怪我ではないという条件付きにはなる。
■食いついたCHの背後を狙え
もちろんウェリントンの高さには十分注意が必要だろう
単純な競り合いならチアゴの高さで十分対応できるが、ウェリントンは上手さもある。
どうすれば自分の高さが活きるか、どこであれば活きるかを考えながらプレーできる。
湘南の攻め筋としては結構シンプルで、サイドの深い位置までボールを運んで戻したところをワンタッチでクロス、それをウェリントンが決めるというパターンがほとんどである。
なので簡単にボールを運ばせないようにしたい。
そしてセレッソの攻撃としては、狙いたいのは横浜FC戦の3点目の形。
湘南はCHでCHを捕まえに来るのでDFラインとCHの間が空きやすい。
そこにサイドから清武が侵入することでビッグチャンスはつくることができるはずである。
実は今季の湘南は先制した時の勝率がJ1で最低。
先制点は10試合で奪っているもののその結果は3勝2分5敗。半分の試合で同点に追いつかれるだけではなく敗れてしまっている。
そして高さが無い選手が多いからかセットプレーからの失点も多い。
なのでもし先制を許したとしても、思い通りに試合が運べなかったとしても、セットプレーで得点できるチャンスはあるので、粘り強く戦いたい。
ちなみに先制を許した試合では0勝5分6敗。
逆転勝ちは1試合もない。
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