2021年9月8日 19時00分:札幌厚別公園競技場
予想スタメン |
快勝となったルヴァンカップ準々決勝から中2日で迎える明治安田生命J1リーグはACLの関係で延期となっていた第19節。セレッソ大阪が敵地札幌厚別公園競技場で北海道コンサドーレ札幌と対戦する。
■2021年の北海道コンサドーレ札幌
第19節の他のカードは6月に行われているので札幌とは今季初対戦。そして週末にはホームで対戦するので札幌2連戦の1試合目となる。
そして今季の札幌だが、今季というよりもそもそも札幌はJリーグの中でも最も特殊で突き抜けた戦い方をする尖ったチームだと思っている。小菊監督になって大阪ダービー3連戦があって次は尖った札幌2連戦。チーム状態を見極め今後の見通しをたてるためにもひとまず普通のチームと対戦したいのだが、どうもそれを許してくれないらしい。
ミシャシステムとしてザックリと表現されることが多い札幌だが、結構様相が変わっている。ただ思想的な面で変わっていない部分もあるのでそれが本質的な部分なのだろう。
これまたザックリと言ってしまうとボールが行ったり来たりして選手もひっきりなしに動き回わるかなり慌ただしいサッカーである。
システムとしては3-4-2-1からの可変が最も知られているが、アンデルソン・ロペスがチームを去った今、前線にジェイが入るか入らないかでかなり攻め方はかわっていて、入った場合は右サイドのルーカス・フェルナンデスの突破からのクロス、入らない場合は小柏の爆発的なスピードで一気にゴールに迫ってくる。
ただどちらにしても、かつてのミシャシステムでよくみられたような間受けからのコンビネーションという形はかなり少なくなっており、どちらかといえば間で受けた選手が前を向いて一気にゴールに向かってくる形のほうが多い。
そしてそのどちらも起点となるのは3バックの左に入る福森。福森は逆サイドのルーカス・フェルナンデスまでワンステップでサイドチェンジも出せるし間へのパス、そして小柏の裏抜けにあわせた背後へのパスも出す。
また間受けで攻撃をスピードアップさせるスイッチを入れているのは坂元の後輩でもある金子、青木、チャナティップらとなっている。
ただこの3-4-2-1は守備ではプレスを基調としているので相手は4バックの場合だと2トップになることも多く、その場合はシャドゥの1人が前にでて2トップとなりもう1人が後ろに下がって中盤が3枚の3-5-2のような形になる。そこから先はマンツーマン。なので基本的にはずっとガチャガチャしたままの展開になることが多い。
そしてミシャシステムといえば3-4-2-1から4-1-5への可変が代名詞となっているが、3バックの両サイドがSB化してCHの1枚が降りてCBと横並びになると相手が2トップの場合ここが数的同数になる。なのでもう1人のCHも下がって3バック化。となると中盤が空洞化してしまうのでシャドゥの1枚が降りてくる。なので3-1-6(SB化した3バックの両サイドの位置による)のような位置取りになる。
この立ち位置からスピードアップできれば一気に前線に。ただ相手がセットしきると大外に展開して個人技の突破からクロスという形になる。
先にかつてのミシャシステムにくらべると前線のコンビネーションはかなり少なくなったと書いたが、そうなったのは前線が渋滞気味になることが多いから。ミシャシステムは元祖5レーンといっても良いやり方だが、今の札幌は現代の5レーンに比べるとレーンの共有や分担の役割が曖昧なのでそうなってしまうのだろう。
特に右サイドは大外にルーカス・フェルナンデス、一つ内側に金子という並びになることが多いが、共に強烈な個の能力がある選手ながらどちらもピーキーな選手なので2人のコンビネーションが噛み合ってという場面はあまり見ない。
■予想スタメン
共にルヴァンカップ準々決勝から中2日で迎えるこの試合。アウェイなのでセレッソは大阪から、札幌もホームではあるが日曜日の試合が平塚での東京戦だったので関東から戻ってすぐの試合となる。
そして両チーム共にけが人が多数。札幌はチャナティップ、深井一希に加え日曜日の東京戦で福森晃斗も負傷交代。セレッソは清武弘嗣に加え日曜日のG大阪戦で丸橋祐介が負傷交代となり、さらに瀬古歩夢、奥埜博亮には痛みがあるとのことでルヴァンの2試合を欠場している。
それを踏まえての北海道コンサドーレ札幌の予想スタメンだが、福森のいた左CBには交代後にはいった左利きの高嶺朋樹が入りそう。となると中央には田中駿汰が入り右には柳貴博、CHに宮澤裕樹となるか。またFWではジェイがここ2試合ほぼフル出場しているので小柏剛を使いたいところだが、ルヴァン2試合を欠場していることからも怪我で離脱していた可能性が高い。
戻ったとしてもいきなり先発で使うかどうかは悩ましいところだろう。また青木亮太も怪我をしているとの情報もあり、難しい状態にはなっている。
一方のセレッソ大阪の予想スタメンだが、こちらも日曜日の試合からどれだけ入れ替えられるか。1つ安心材料としては瀬古歩夢がなんとか戻れそう。となるとCBは瀬古と西尾隆矢が並び、左SBは小池裕太か。新井直人が戻ってくればいきなり先発の可能性もあるだろう。
そして清武が抜けた左SHは中島元彦か高木俊幸かというところ。日曜日の試合では高木を休ませているので高木の可能性が高いか。乾貴士もまだベンチからという形になるのではないだろうか。
■札幌の勢いを逆に使いたい
マンツーマンで人を決めてアタックしてくる札幌の勢いに対してセレッソがどうできるかというのが試合のポイントになるだろう。
これを完全に受けてしまう格好になれば我慢の試合になる。
しかしその勢いを逆につかって裏返すことができればチャンスは広がる。
札幌のやり方を受けてセレッソが立ち位置、ボールを動かすルートをどれだけ準備できるかで試合展開は決まるだろう。
ルヴァンカップ準々決勝セカンドレグの1点目の様に松田陸からCHを経由して逆サイドに展開できれば一気に前は広がる。
これはロティーナのときも得意としていたボール循環のルートだ。
2017年以降J1での札幌戦は6勝3分1敗で現在3連勝中。
ピーキーなチームではあるが、やり方は比較的はっきりしているので準備を活かせる相手でもある。
監督交代後結果が出ているのでチームのムードは上昇しているだろうから、それをチームの勢いに変えるためにも結果がほしい一戦である。
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