2021年3月2日火曜日

明治安田生命J1リーグ 第11節 vs. 川崎フロンターレ プレビュー

 2021年3月3日 18時00分:等々力陸上競技場 

予想スタメン

開幕戦から中3日で迎える2試合目。AFCチャンピオンズリーググループステージがセントラル集中開催となったことを受け、他のチームがYBCルヴァンカップを戦っている日程で、第11節川崎フロンターレ対セレッソ大阪の試合が開催される。


■2021年の川崎フロンターレ

昨季は圧倒的な強さでリーグチャンピオンに輝いた川崎フロンターレ。

昨季のチームからバンディエラ中村憲剛が引退し、チームのキーマンだった守田英正が海外移籍。他にも齋藤学らがチームを去った。

その一方で、名古屋からジョアン・シミッチ、松本から塚川孝輝、大分から小塚和季らを獲得。さらに遠野大弥、知念慶らが期限付き移籍から復帰し、静岡学園の田辺秀斗、桐蔭横浜大学の橘田健人という2人の新人選手を獲得している。

こうしてみると、戦力的なダメージがあるのは守田の抜けた穴をどうするのかといった部分ぐらい。

しかしこのポジションの選手としてJリーグ屈指の縦パスマスターシミッチ、抜群の身体能力を持つ塚川を獲得しており、さらには昨季序盤はこのポジションに入ることもあった田中、そして新人ながら開幕戦では途中出場でデビューした橘田といるので、誰で落ち着くのかというのは時間の問題だろう。

間違いなく今季も優勝候補の筆頭だと言える。


戦い方としては昨季から大きな変化は無い。というよりも変える必要もない。より進化させようという方向性だ。


川崎Fといえば多彩なパスワーク。狭いスペースを物ともせずショートパスをつなぎ相手を動かしスペースを作りそこに入っていく。その分かつては狭いスペースに飛び込み過ぎるという弱点もあったが、昨季大ブレイクした三笘に代表されるようにワイドで1対1で勝負できるドリブラーを活用するという形を完全にものにしたことで幅を作るという形も手に入れた。


しかし個人的には川崎F最大の特徴はカウンタープレスの精度と強さだと思っている。


昨季のレビューやプレビューでも触れたが、川崎Fにはそれほどビルドアップの形は無い。その分どちらかといえば個人に依存する形。グループとして、チームとして落とし込まれているというよりも個々の判断が優先されている。なのでビルドアップでプレッシャーを受けたときは鬼木監督から「シンプルに!」といった声掛けがよくされており、やり直すというよりも長いボールを蹴ってしまうことも結構多い。


にも関わらず川崎Fにパスワークのイメージが強く残るのは、そこからのカウンタープレスが異常に速いから。おそらくこの傾向は2018年ぐらいからより強まっていったたのではないかと思うが、長いボールを蹴ってボールを失ったとしてもすぐにプレッシングを仕掛けて敵陣でボールを奪い返してしまい、そこから得意の狭いスペースでもつなぎきってしまうパスワークを見せるから。

そしてそれを受けた相手チームは徐々にビルドアップにプレッシャーをかけることができなくなり、その結果自由を得た川崎Fの選手はさらにボールを繋ぐようになる。

そういった循環になっているからだろう。


試合を見ていると、完全に押し込まれた時など撤退時の守備は怪しい部分もあるのだが、その状況に持ち込むにはビルドアップにプレッシャーをかけ続けて長いボールを蹴らせ、それを回収しカウンタープレスを外してボール保持の形に持ち込まなければならない。

川崎Fに勝つにはこれができればかなり可能性が高まるとは思うが、今のJリーグにはそこまでできるチームが無い。それが昨季の独走優勝の要因だと思われる。


とはいえ昨季を経たことで他のチームの研究も進んでいるはず。

今季はなにか新たな川崎F対策というものが出てくるかもしれない。


■プレビュー

川崎フロンターレの予想スタメンだが、川崎Fは金曜日に開幕戦を行ったためこの試合は中4日。となればスタメンに大きな変更は無いだろう。むしろ新戦力をチームにフィットさせるためにあえて同じメンバーを起用する可能性もある。ということでGKはチョン・ソンリョン、DFラインは山根、ジェジエウ、谷口、旗手、中盤にはシミッチ、脇坂、田中、3トップは家長、レアンドロ・ダミアン、三笘となるか。


一方セレッソ大阪の予想スタメンだが、クルピ監督はアクシデントや問題点が無い限り基本的にメンバーを固定するので、こちらも中3日だと大きな変更は無いだろう。

日曜日に行われた練習試合では進藤が90分、ダンクレーが約60分、藤田が45分プレーしているが西尾、原川はそのまま起用されるのではないかと思う。

変わる可能性があるとすれば大久保と清武。2人とも試合中に足首を痛めており、大久保は試合後の周回の時も片足だけサンダルを履いていた。クルピ監督も前日会見でけが人の存在について触れていたようだが、コンディション次第では入れ替わる可能性もある。


試合のポイントだが、昨季の川崎Fは順位的にも近かったし、下馬評的にも高かったのでかなりセレッソ戦は意識していたんじゃないかと思う。しかし今季は監督も変わり、戦い方も変わったことでそこまで意識はしていないはず。なのでそこに付け込みたい。

おそらく川崎Fがセレッソに勝つ近道はとにかくボールを持って試合をコントロールすること。セレッソの攻撃機会を減らしジリジリと試合を進める。そうすれば戦い方が変わったばかりのセレッソは何もできないまま試合が終わるという展開になる可能性が高い。

しかし川崎Fはそういった戦い方はしないだろう。なぜならリーグ戦はこの試合だけじゃないし、この試合が決勝戦でもない。今後のことを考えると先にも書いたような新戦力のフィットやチームの状態を上げることが優先するだろう。そうなればセレッソにもチャンスは生まれる。


そこでまず最初に重要になってくるのが川崎Fの前線3人の守備に対してセレッソがどれだけボールを運べるかだろう。

柏戦の立ち上がりは4-3-3で守備をしてくる相手に全くボールを運べなかった。川崎Fも近い布陣で守ってくるのでここをどうできるか。柏戦の様にボールを運べるようになるまで15分もかかってしまうとかなり厳しい。2試合続けてということなので早く順応することに期待したい。


そして守備ではやはりビルドアップのところにどれだけ制限をかけれるか。どれだけ長いボールを蹴らせることができるかだろう。

昨季までのようなボールを誘導するとかといったことはできないが、前線の選手を入れ替えながらプレッシャーをかけることで長いボールを蹴るといった展開に持ち込みたい。

柏戦でもそうだったが、瀬古も西尾も長いボールなら十分勝機はある。


ちなみに…前回のプレビューで触れたクルピ監督の柏戦無敗記録は開幕戦の勝利で伸びた。

そしてクルピ監督は、過去川崎Fと9回対戦しているが敗れたのはわずか2回。その2回も2007年J2時代の天皇杯4回戦と、2018年のガンバ大阪監督時代のもの。セレッソの監督としてリーグ戦では負けていないのである。



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