2021年3月17日 19時00分:ヤンマースタジアム長居
予想スタメン |
開幕から始まる7連戦の6試合目。明治安田生命J1リーグ 5節、セレッソ大阪は本拠地ヤンマースタジアム長居に大分トリニータを迎えての一戦となる。
■2021年の大分トリニータ
ガンバ大阪戦が中止となった影響でここまでリーグ戦の消化は通常よりも少ない3試合となっている大分トリニータ。ここまで1勝2分の負けなしとなっている。
ここまで負けなしと紹介したが、内容的には盤石というわけではない。
というのもかなり大幅な選手の入れ替えがあったからだろう。
J1で3シーズン目を迎えたことで、小塚和季(川崎F)、島川敏郎(鳥栖)、鈴木義宜(清水)、田中達也(浦和)、岩田智輝(横浜FM)渡大生(福岡)と6人もの選手が他のJ1クラブに移籍。また、他カテゴリへの移籍、契約満了、期限付き移籍満了・期限付き移籍を含めると18人もの選手がチームを離れている。
それに伴い新人選手も含めた新加入選手も13人。主なところでは、長沢駿(仙台)、渡邉新太(新潟)、下田北斗(川崎F)、坂圭祐(湘南)、上夷克典(京都)、黒崎隼人(栃木)。さらに新外国籍選手も獲得しているが、こちはらまだ入国できていない。
そしてこれだけ多くの選手が入れ替わったからか、開幕戦ではボール非保持で4-4-2にセットする布陣を採用。ボール保持ではいわゆる「片上げ」の形で左SBが上がり時計回りにポジションが1つずつずれていく3-4-2-1になるのだが、ボールの保持/非保持での形を変える「可変システム」で挑んだ。
この可変は特殊なものではなく、昨季のセレッソもやっていた比較的スタンダードな形。可変システムを使用した際に問題点となりやすい「選手がポジション移動するための時間」も片上げだと比較的必要としないので片野坂監督もその決断に踏み切ったのだろう。
しかし蓋を開けてみれば大誤算。問題となったのは「時間」というよりも「守備の基準点」だった。
これまでの5-4-1から4-4-2に変えたということは、より高い位置で制限をかけやすい、守備のスタート地点を前に上げたいからだと思われるが、それがポジション移動と合わさることでアプローチに出ることが守備組織に穴を開けてしまう「芋づる式」になってしまったのだ。
そして開幕戦の相手となった徳島は自陣から丁寧にビルドアップを行うチーム。なのでそれがよりハッキリと現れてしまった。
その結果、徳島戦ではすぐに4-4-2を止める決断をする。昨季までの撤退というよりもできるだけ前で取りたいので迎撃要素を高めるという若干のアレンジはあるものの、以降ベースは昨季までと同じ形に5-4-1で守る形をとっている。
まだシーズン序盤なのでどこかでもう一度トライする可能性はあるが、序盤で負けが混むとそれがシーズンの最後まで続いてしまう可能性もあるので、しばらくは現在の昨季ベースの形を続けるのではないかと思う。
とはいえ、そんな中でも新加入選手でこのままチームの軸となっていきそうなのが出ている。
その代表格が川崎Fから加入した下田北斗。甲府、湘南を経て昨季までプレーしていた川崎Fでは主力のCHに怪我人が出たときにだけプレーするという状態が多く、さらに田中碧の台頭もあってプレー時間がなかなか伸びなかったが、大分では開幕戦こそ出場機会はなかったものの、ルヴァンカップで移籍後初出場・初先発を飾ると以降の2試合は連続スタメン。両サイドを大きく使うチームなので彼の持つ展開力はチームを支える可能性を感じさせる。
また、今季の大分で目立っているのがWBでSBをひきつけ、シャドゥの選手がCB-SB間からSBの裏に飛び出すという動き。
これは特に新しいわけでもなく昨季のセレッソ戦でもみせていたが、今季はその形をより強調している印象を受けた。そして特に第2節では新潟から加入した渡邉新太がこの動きを精力的に行っていた。
セレッソサポーターに昨季の新潟の試合を見ていた人は結構多いと思うので、プレーの印象が残っている人も多いかと思うが、渡邉はスピードがあって裏に飛び出すタイミングもいいので大きな武器となりそうな可能性を感じる。
ただし、前節のFC東京戦では出番なし。というのも同じポジションで町田也真人がプレーし、さらにゴールも奪ったということで、この辺りの2人の使いかはがどうなるかは興味がある。
DFラインとMFラインの間で受けるのはおそらく町田の方が上手い。
■プレビュー
セレッソ大阪の予想スタメンだが、連戦は続いているもののチーム内でスタメン組が固まりつつある。となると、コンディション面で問題が無い限り、勝利した前節と同じ11人が並ぶだろう。そして交代出場を続けている、藤田、加藤、高木も変わらないだろう。ここまでの11人+3人の14人が現時点でのいわゆるクルピの主力組である。
なのでベンチではそれ以外のGKを除く3人は、前節の新井のようにまだ入れ替わる可能性はある。もちろんそこにはコンディション面、怪我からの復帰状態によるが、主力組にトラブルが無い限りこの3枠に誰が入るかが当面のチーム内の競争となるだろう。
一方の大分トリニータの予想スタメンだが、こちらはここまでリーグ戦3試合しかしていないにも関わらず先発出場した選手が19名。3試合連続で先発だったのがGK高木駿、3バック中央の坂圭祐、右WBの井上健太の3人しかいない。
そうなっているのは、もちろん連戦だった(G大阪戦は中止だったが準備はしていた)こともあるが、開幕戦でもあったようにここまでチームが固まり切っていないからという部分もあるのだろう。
しかしここにきて少しづつ固まりつつあるので、今節はそれらの選手に前節休んだ選手が合わさる形。大分は前節日曜日に試合をしているのでこの試合は中2日となる。
GK高木、DFラインに羽田、坂、三竿、WBに井上と福森、CHに長谷川と下田、シャドゥに町田と渡邉、CFに伊佐という形か。
セレッソ大阪対大分トリニータといえば、昨季まではロティーナ監督に挑戦し続ける片野坂監督という構図で、ロティーナ監督のチームに対してリーグ戦では勝利どころか1点も取ったことが無い片野坂監督があの手この手をぶつけてくるという試合になっていたが、残念ながらその構図は終了。今季は清水戦で行われることとなる。
ただ、先にも書いたがここまでの3試合を観る限り大分は守備のスタート位置を前に上げたいという狙いはある。なのでセレッソはSBからどんどん裏を狙う形を使いたい。
5-4-1はSBにプレッシャーをかけにくい形だからだ。
一方守備では4-4をいかに維持できるか。SBをひきつけてCB-SB間からSB裏に走る形は昨季までのセレッソもよくつかっていた形。ブルーノ・メンデスや奥埜が走るという姿を記憶している人も多いだろう。4バック崩しの代表的なパターンの1つである。
これで4バックが崩れてしまうのは人に引っ張られるから。引っ張られて守備陣形を動かされその結果ゴール前にスペースを開けてしまうことになるのだ。
なので、どれだけ4-4を維持できるか。そしてSBが出ていったときにスペースを埋めることができるかどうか。当たり前のことをやり続けることができるかどうかしかない。
ちなみに、先程ロティーナ監督から片野坂監督は勝利はおろか1点も奪ったことが無いと書いたが・・・
そもそも2013年以降のJ1で大分トリニータ自体がセレッソ大阪から勝利はおろか1点も奪ったことが無い。(セレッソ大阪の4勝2分0敗6得点0失点)
0 件のコメント :
コメントを投稿