2021年3月6日土曜日

明治安田生命J1リーグ 第2節 vs. FC東京 プレビュー

 2021年3月6日 14時00分:味の素スタジアム

予想スタメン

ミッドウィークに行われた前倒し開催の第11節から中2日で迎える明治安田生命J1リーグ 2節。セレッソ大阪は敵地味の素スタジアムでFC東京と対戦する。


■2021年のFC東京

長谷川健太体制となり4シーズン目をむかえたFC東京。昨季は6位に終わったが、ルヴァンカップで優勝。とはいえこの6位という順位もACL出場チームの中では最高位で、ACL出場組にとってはとんでもないスケジュールとなった難しいシーズンの結果としては決して悪くない成績だった。


そんなFC東京のオフシーズンは、期待の若手だった原大智が海外移籍したぐらいで大きな戦力ダウンはなし。そして浦和から青木拓矢、山形から渡邊凌磨を獲得した。

渡邊凌磨は2014年度の全国高校サッカー選手権で準優勝した前橋育英高校で10番を背負っていた選手。そう坂元達裕の同級生で、その中でも渡邉と徳島でプレーする鈴木徳真はチームのダブルエースと呼ばれた存在だった。

この前橋育英から渡邉、鈴木、吉田(大分)、吉永(福島)が大会優秀選手に選ばれており(坂元は選ばれていない)、さらに小泉(浦和)、岡村(札幌)、金子(札幌)も当時の前橋育英のメンバーである。(金子は1学年下)

その後、渡邉は日本人初のナイキアカデミー入りを果たしドイツのインゴルシュタットに加入したが、2018年に新潟に移籍。そして昨季は坂元の抜けた穴を埋めるべく山形に加入すると39試合に出場し7得点5アシストの成績を残し今季開幕前にFC東京に引き抜かれた。


また新加入では無いが、2月に入ってから昨季終了後に一旦退団するとの情報が出たジョアン・オマリの契約更新を発表。コロナ禍で新外国籍選手の獲得が難しいということで再契約に踏み切った形だ。


開幕戦での布陣は昨季と同じ4-3-3。

メンバーはGK波多野、DFラインは右から中村帆高、渡辺、森重、小川、アンカーにアルトゥール・シルバ、IHに東と安倍、3トップは右から渡邉、ディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ。

新戦力は右サイドに入った渡邉だけという形。

昨季終盤はアンカーに森重を入れる形を使っており、そのためのジョアン・オマリの再契約だっただろうが、まだコンディションの問題があるのか森重はCBでの起用だった。

しかしミッドウィークのルヴァンカップではジョアン・オマリをCBで起用しているので、コンディションさえ整えば再びアンカー起用ということも考えられる。

またベンチ入りしていたのが、アダイウトン、永井、田川、三田、青木ら。

そしてミッドウィークのルヴァンカップでは11人全員をターンオーバーしており、先程のジョアン・オマリに加え、アンカーに青木、IHに三田と内田、CFに田川、左サイドに永井を起用している。


実際のプレー内容だが、東京といえば強力3トップ。ゴリゴリに守って突破力・推進力自慢の3トップで一気にゴールに迫るというのがパターンだったが、開幕戦を見る限り肝心のディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロのコンディションがまだまだ。特にディエゴ・オリヴェイラの状態は万全には程遠く、ゴリゴリ押し切ってくる強さは全く感じられなかった。

そのため攻撃は完全に停滞。セットプレーで1-1の同点に追いついたものの、試合は浦和に支配されていた。

また、もともとそんなにビルドアップの上手いチームではなく左SBの小川から長いボールが出てくるというパターンが多いが、せっかく4-3-3の布陣をとっているにも関わらず、アルトゥール・シルバがほとんどビルドアップに関与できないのもきつかった。さらにブロックを作って守る時に動きすぎる。なのでアンカーに森重をとなるのだろう。


非保持の陣形としては4-5-1。ボールを取りに行くこともあるが両サイドのWGは中盤に下がるのが基本。

ただ、右サイドの渡邉は普通にサイドで守備をするが、左サイドのレアンドロはかなり適当。戻ってくることもあれば戻ってこないときも結構ある。それをカバーしているのがIHとSB。レアンドロが下がらない時はSBが出てきたり、IHが出ていったりする。

また同じ4-3-3でも柏や川崎は3トップが中央を締める形で守備を始めていたが、東京の場合はプレスをかけに行く時はボールを奪いに行く時はWGが絞るよりもIHが前に出てくるのが基本の形となっている。


とはいえ現状では、外国籍選手のコンディション待ちといったところだろう。


■プレビュー

FC東京の予想スタメンだが、先にも書いたようにミッドウィークのルヴァンカップは11人全員を入れ替えた。なので開幕戦の11人がそのままスタメンに並ぶ可能性が高い。

森重のアンカー起用ももう少し先か。


一方のセレッソ大阪の予想スタメンだが、川崎F戦から中2日。しかもアウェイ連戦ということでコンディション面では厳しい。しかしクルピ監督はそこまでメンバーを入れ替えてこないだろう。

しかし川崎F戦で怪我のためベンチ外となった豊川、奥埜が復帰しているとのこと。

もちろんどこまで戻っているかにもよるが、そうなれば前線は豊川と大久保の2トップという形が考えられそうだ。

CHに関しては今のチームで唯一試合のテンポをコントロールできる藤田には、特に東京相手ということを考えるとピッチに立っていてほしいと思うが、奥埜のコンディションに合わせてその辺りをどう判断するか。

川崎F戦で丸橋にボールが入ったところで藤田が「まだ入れるな」と指示して攻撃をやり直させたが、同じタイミングでクルピ監督は「出せ」と言っていた。


この試合も相手は4-3-3。しかし東京は川崎Fや柏とは少し異なる形で守る。

なのでCBは比較的ボールをもちやすい可能性はある。

そこから狙いたいのはやはりWGの背後。そしてDFラインの背後へという川崎F戦でも何度も使った形がメインになるのではないだろうか。

東京は中盤でひっかけて速く攻めたいと考えているだろうから、現状ではサイドからという形が良いのではないかと思う。


また速い攻め一辺倒だと行ったり来たりの展開になりかねないので、そこで期待したいのが先程も名前を出した藤田。試合のテンポを変えることで速さはより速くなり、またあえてスピードを落とせば相手の速さを殺すことにもつながる。

同じ中2日とはいえターンオーバーを行ったホーム連戦の東京に対して、セレッソはメンバー固定のアウェイ連戦。コンディション面では不利なので上手く対応したい。


ちなみにレヴィー・クルピ監督率いるセレッソ大阪が最後に味の素スタジアムで戦った試合は、キム・ジンヒョンから柿谷曜一朗へのロングキック一発で決勝ゴールを奪ったあの試合です。


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