2020年9月9日 19時30分:ヤンマースタジアム長居
予想スタメン |
今季2度目の3連勝を決めた前節から中3日で迎える明治安田生命J1リーグ 第15節。
セレッソ大阪は本拠地ヤンマースタジアム長居に北海道コンサドーレ札幌を迎えての一戦となる。キックオフは19時30分です。
■現在の北海道コンサドーレ札幌
札幌は地理的特性から毎年開幕時点ではホームに戻ることができずアウェイゲームで開幕となっているのだが、今季は新型コロナウイルスの感染拡大により再開後もしばらくは札幌での試合開催が困難な状況になる。その結果、今季初のホームゲームを開催したのが7月22日の第6節。つまり第1節から第5節までがアウェイゲームという難しい連戦となっていた。そんな開幕アウェイ連戦の戦績をみると2勝2分1敗。2月の開幕戦こそ敗れたものの、難しい状況にも関わらず再開後は負けなし。順調なスタートを切ることに成功した。
しかしホームに帰ってくるとそれが一転する。
第6節以降は1勝2分5敗。最後に勝利したのが7月26日の第7節。8月2日の第8節以降は2分5敗で7試合連続勝利なし。リーグ戦では1ヶ月以上勝利から見放されているという厳しい状況に追い込まれているのだ。
こうなっている最大の要因は鈴木武蔵の離脱と移籍だろう。開幕から3戦4発と絶好調だった鈴木武蔵が第3節で負傷交代。第9節に復帰し1ゴールを決めたが、その試合を最後に ベールスホットVA(ベルギー)へと移籍することとなったのだ。
今季の札幌は鈴木武蔵がいる/いないで戦い方を変えている。
鈴木武蔵がいた1〜3節はジェイの1トップにチャナティップと鈴木武蔵の2シャドゥという組み合わせ。
負傷離脱後しばらくは駒井を鈴木武蔵がやっていた右シャドゥで起用していたが、第7節の横浜FM戦で前線にジェイもドウグラス・オリヴェイラも起用しない0トップを採用した。
この布陣はこの試合だけのスペシャルプランかと思われたが、以降も継続されることとなった。
現地メディアによると、ミシャは0トップを採用したことについて「鈴木武蔵がいなくなったことによる影響が大きいと」語っている。
鈴木武蔵は爆発的なスピードを持っていたので、ロングカウンターという攻撃オプションがあった。(ジェイが起点を作り、チャナティップからのパスで鈴木武蔵を走らせる。)
しかし鈴木武蔵が離脱・移籍したことでより高い位置でボールを奪い返さなければいけなくなった。そのため「運動量が多くアグレッシブに前にプレッシャーを掛けられボールを奪ってから危険にゴールに迫れる選手達」を起用しているとのことである。
しかし、先にも書いたようにこの形で勝利したのは最初の第7節横浜FM戦のみ。第8節以降は全く勝てていない。
中断期間中にご家族の問題でブラジルに一時帰国していたため、再開後の来日やコンディションの問題で試合に出場できていなかったアンデルソン・ロペスが第10節に復帰、第13節で今季初先発を飾るなど様々な手を打っていたが勝てない時期が続いた。
そして前節の広島戦、第6節の先発を最後にベンチスタートとなっていたジェイが先発に復帰する。
この「ジェイの先発復帰」は単に人の入れ替えだけを意味するものではない。
先に書いたようにジェイが先発から外れるようになったのは第7節以降。つまり「運動量が多くアグレッシブに前にプレッシャーを掛けられボールを奪ってから危険にゴールに迫れる選手達」を起用するために先発から外れベンチスタートとなったのだ。
なのでジェイが先発に戻ってきたということは「0トップにする前の戦い方に戻した」のである。
ここまで今季の札幌が辿ってきた流れについて書いたが、守備のベースは従来どおり人への意識がかなり強いマンマーク気味のもので変わらない。
前節をみるとロングカウンターという武器が無くなった分、リトリートするというよりも少しラインを上げてミドルゾーンでセットしブロックを作って入ってきた人を捕まえるという形をとっている。
そんな中、札幌といえばチャナティップや左足の福森、身体能力の高い荒野らの名前が上がることが多いだろうが、現在の攻撃を牽引しているのは間違いなく右サイドに入るルーカス・フェルナンデスだろう。
昨季加入し、セレッソ戦でも長居で先発し、札幌で途中出場と2度とも対戦しているが、今季の充実ぶりはかなりのもの。独特のテンポのドリブルで突破しクロスを入れてくる。つまり気味の札幌の攻撃の中で個で打開できる選手である。
0トップのときは奥行きを作る選手がいなかったのでルーカス・フェルナンデスがドリブルで運ぶというのが生命線になっていた。
従来の戦い方に戻した事でチャナティップがプレーするスペースも出来てくるとは思うが、右サイドでのドリブルが武器であることは間違いない。
ただし、鈴木武蔵の不在は結局解決できていないまま。
今後も従来の戦い方を続けるのであれば、ここに新しい人を見つけることが出来るかどうかが大きなポイントになるのではないかと思われる。
■プレビュー
セレッソ大阪の予想スタメンだが、おそらく前節の後半スタート時の11人となるのではないか。変わるとすれば、デサバトが間に合うかどうか、左SBに丸橋を使うかどうかというところになるだろう。片山と丸橋については札幌の戦い方、前節の片山の出来を考えると片山で継続となるのではないかと思われる。あとはデサバトもそうだが負傷者がどれだけ戻ってこれるかだろう。
一方の北海道コンサドーレ札幌の予想スタメンだが、こちらもベースとなるのは前節の11人だろう。前節も結果的には0-2で敗れているが、前半に関しては試合を支配していたのでしばらく従来の戦い方をつづけるのではないかと思われる。
後は前節休ませたチャナティップが復帰。出場停止となる菅のところには左右のWBができる白井、右シャドゥには駒井が起用されるのではないかと思われる。
札幌は人への意識が強いので、試合のポイントとしてはいかに相手を動かすことができるか。ポジショニングと動きでズレをつくることができるのでそこを使って逆サイドのSHへボールを届けることができれば決定機をつくれるはずだ。
そういう部分では大きく動くことができるブルーノ・メンデスがいないのは痛いが、逆に坂元がドリブルで1人剥がせば即チャンスにつながる。
一方守備に関して言えば、いつもの様にスペースを消すことができればそう簡単にやられることは無いだろう。右サイドのルーカス・フェルナンデスもスペースがあって活きるタイプである。
試合をコントロールし上手く消したい。
ただそうなっても気をつけなければいけないのが福森の左足。この選手はブロックの外から精度の高いボールを入れることが出来る。
なので重要なのがヨニッチ、瀬古に加えての片山になるだろう。
札幌がジェイを起用すればセレッソがボールを保持することは出来るはず。
マイボールの時間を増やし、スローペースに持ち込み、試合をコントロールし、ここぞという場面で相手を食いつかせて静から動へと持っていく。
ホームで今季初の4連勝を掴みたい。
もし分析で機会あれば、ご意見伺いたいのですが。浦和と札幌と連続で“斜めの抜け出し”でピンチをつくられてます。札幌だと、おそらく丸橋の近くにいた選手が、斜めに走って瀬古の裏を取りました。これはゾーンディフェンスの構造上、やむを得ないものか、あるいは対策可能なものか。どちらでしょう?
返信削除コメントありがとうございます。
削除斜めに背後に入ってくるのはどんなやり方であっても難しい対応なのですが、札幌戦のはちょっと瀬古がポジション修正をサボった瞬間でしたね。
ポジションを修正し続けることができれば対応することはできます。