2020年9月26日土曜日

明治安田生命J1リーグ 第19節 vs. ベガルタ仙台 プレビュー

  2020年9月27日 13時00分:ユアテックスタジアム仙台

 

予想スタメン

 怒涛の9連戦もいよいよこれで最後となる明治安田生命J1リーグ 第19節。セレッソ大阪は敵地ユアテックスタジアム仙台でベガルタ仙台と対戦。8月の7連戦と同じく連戦最後はベガルタ仙台戦、キックオフ時間はJ1では珍しく13時である。

 

 ■前回の対戦

 仙台とはルヴァンカップグループステージ、8月23日の第12節と既に2度の対戦があり、どちらもセレッソが勝利している。

 ルヴァンカップの対戦は仙台がメンバーを入れ替えていたので、主力が揃っていたリーグ戦第12節での対戦を振り返ろう。

 試合はセレッソが清武のゴールで先制するも前半終了間際にCKから蜂須賀に決められて同点。しかし後半60分に坂元が鮮やかに決め2-1で勝利している。

 その試合での先発メンバーはこちら。


 立ち上がりは仙台は前線からプレッシングを仕掛けてくる。仙台のプレッシングはサイドに誘導するのではなく人数をあわせて最終ラインに直接アタックをしかける形。トップ下の関口が前に出る4-4-2からセレッソのCHを下げる3バック化にはSHが出てきて人数をあわせていた。

 なのでセレッソはビルドアップでCHを下げない形にしてCBを広げてGKからCHへのパスコースを作る。また人に来るので最終ラインの背後に走るブルーノ・メンデスへのロングボールも多用した。

 ビルドアップを改善したことでセレッソはボールを運べるようになり、仙台をCHを動かしたことで生まれたのが19分の先制点。

 坂元からのクロスが入った時点で仙台のDFラインの前にはCH2人が誰もおらず、そこでボールを受けた清武がGKのタイミングを外しゴールに流し込んだ。

 

 前半アディショナルタイムにCKから大外の蜂須賀にドンピシャであわされ1-1の同点に追いつかれ、後半立ち上がりには少しバタバタした時間帯があったが、60分に追加点。

 仙台のプレッシングに対して丸橋がビルドアップの出口になり、前後で間延びしたスペースに入り込んだ清武にパス。そして清武からのパスを受けた坂元が鮮やかに決めた。

 

 その後はセレッソが試合をコントロールし試合終了。スコアは2-1だったが、内容としては危なげなく勝ちきったという試合となった。

 

 ■現在のベガルタ仙台

 2勝5分10敗、勝ち点11で17位に沈んでいる現在のベガルタ仙台。前回のセレッソ戦の前、第11節が鳥栖戦でこの試合が延期となっているため1試合消化が少ないが、チームとしてはかなり苦しい状態になっている。

 ちなみに2勝目を上げたのが第9節の神戸戦だったのでそこから8試合、7週勝利がなく、ホームではまだ未勝利。前回対戦した第12節以降は1分6敗、得点4、失点14という結果である。

 

 そしてフォーメーションも、今季スタートはアンカーを置いた4-3-3でスタートしたが、失点が続いたことで第8節の横浜FM戦から4-2-3-1に変更。一旦は失点が減ったかと思われたが、再び失点が増えてしまったことで前々節、第17節のFC東京戦から3-4-2-1へと変更。苦しいシーズンを送っていることが伺える。

 

 仙台が苦しんでいるのは試合を見ても「チームとしての狙い」が見えにくいところが表しているといえるだろう。何をしようとしているのかがよくわからないのだ。

 そういった状況のチームでよく言われるのが「ボールの取りどころがはっきりしない」ということだが、仙台もそう感じる状況が多々ある。

 例えば仙台は前線からプレッシングをしかけ高い位置から守備をしようとするが、そのやり方は人にアタックするというもの。同じプレッシングでもここ最近の対戦相手である東京、鹿島、横浜FMなんかが見せていた前線の選手で制限をかけてサイドにボールを出させてそこにアタックをかけるというやり方とは異なる。

 もちろんこの2つは単にやり方が違うだけで、どちらが正しいも間違っているも無い。しかし後者はサイドがボールの取りどころになっているのに対し、仙台の場合は人にアタックにいった後どうしようとしているのかがわかりにくいのだ。

もちろんそこでボールを奪い返すことができれば良いがそんなことは何度もできるわけもなく、 かといって相手にロングボールを蹴らせて回収させようという狙いも見えない。なので時間の経過とともに、前から守備に行けばいくほどどんどん間延びしてしまう。前回対戦時の2点目、坂元のゴールの場面なんかはその典型だろう。

またボール保持に関しても、当初は3トップでWGをワイドにはらせる形を使っていたがWGに1対1で勝負するようなタイプがいないのでそこで優位を作れない。であればSBを引き出して背後を狙うような連動もないので、チャンスにまで至らない場面が多かった。


そういった部分を考えると3-4-2-1への布陣変更は納得できる。

守る時に5バックになるので後ろに重いとも言われるが、間延びしたとしても後ろに5枚いればまだ対応できるし、誰かが不用意に食いついてしまって動かされたとしてもまだ4人いればカバーできる。

ボール保持でも幅を取るのが必然的にWBになるので必然的にシャドゥがSBの裏を取りやすくなる。前節の横浜FMでは相手も同じフォーメーションなのでミラーゲームになり、そこでぶつかりあった結果後半は地力の差を見せつけられる結果となったが、立ち上がりにみせた積極的なプレーは閉塞感が漂っていた少し前の試合に比べると躍動感は見えた。

この3-4-2-1はしばらく続けていくことになるんじゃないかと思う。


■プレビュー

ベガルタ仙台の予想スタメンだが、前節はシマオ・マテ、椎橋、浜崎らを休ませているので懇切は戻ってくることになるだろう。前節は3バックの右に入った柳がWBに出て3バックは流経大在学中のアピアタウィア久、シマオ・マテ、平岡で、椎橋と浜崎がCHに、最前線には長沢が起用されるか。


一方のセレッソ大阪の予想スタメンだが、こちらは前節から大きな変化はないだろう。可能性があるのは左SB。仙台は同数プレスを仕掛けてくることも予想されるが、この試合では片山を左SBで起用し、清武がビルドアップの出口になり片山を前に出すというプレーも効果があるかもしれない。


試合のポイントとしては、ボール保持で3バックを動かすことができるかどうかだろう。

ビルドアップに関しては先程も書いたように仙台は同数で人にアタックすることが考えられるが、ここは相手を見ながら立ち位置を変えることで打破できるはず。

なのでそこから先。人への意識は強いので食いついてきたところを芋づる式に動かしシュートに持ち込むためのスペースを作りたい。

チャンスは必ず作れるはずなので、そこで決められるかどうかだろう。


今季初の連敗を喫してしまった前節。

前回対戦時は川崎F戦の大敗直後の試合で、そこで仙台に勝利することでリーグ戦の連勝が始まったので、今回も仕切り直す意味でもきっちりこの試合で勝利したい。


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