2020年9月16日 19時00分:ノエビアスタジアム神戸
予想スタメン |
第16節の後に行われる明治安田生命J1リーグ 第25節。敵地ノエビアスタジアム神戸で行われるヴィッセル神戸対セレッソ大阪の一戦は、ヴィッセル神戸が出場しているACLの関係で前倒しで行われる。
■前回の対戦
まだシーズンの折返しには達していないが、この試合は第25節を前倒ししての開催となるためヴィッセル神戸とは2度目の対戦となる。前回の対戦は7月22日に行われた第6節。ヤンマースタジアム長居での試合は0-0の引き分けに終わっている。
前回対戦時のスターティングメンバー |
この試合で最も印象的だったのは両チームがバランスを崩すことを選択しなかったことだろう。
立ち上がりの攻防として繰り広げられたのは、神戸のプレッシングに対しビルドアップでそれをセレッソが外していく回数が少しづつ増えていく。
すると神戸はプレッシングを強める選択ではなくミドルゾーンでブロックを作る方法に切り替える。試合は終始お互いがお互いの狙いと対策をぶつけ合い、互いが最後までちゃぶ台をひっくり返すこともない好ゲームだった。
神戸はボール保持をベースにしているチームで今季もここまでボール保持はリーグ2位となる58.5%を記録しているのだが、ボール保持率が50%を切った試合が2つだけある。
1つは第8節の札幌戦で、この試合は前半は神戸がボールを保持するも、後半にビハインドの札幌が攻勢を強め、神戸がカウンターで追加点を狙うという形になったために終わってみれば神戸のボール保持率は49.8%となった試合だった。
もう1つはこの第6節のセレッソ戦。
この試合は他の試合と様相が異なり、立ち上がりからセレッソがボールを保持する時間が少し上回るという展開が続いたもの。もちろん神戸が保持率で上回る時間帯もあったが、全体的に神戸は、スペースを開けないこと、ギャップを作らないこと、トランジションで隙を作らないことを重視した、セレッソの戦い方に対して自分達の都合だけをぶつけない戦い方を選択していたことが印象的だった。
■現在のヴィッセル神戸
昨季の天皇杯優勝で悲願の初タイトルを獲得した神戸。フィンク監督の論理的なチームづくりによってこれまでのバタバタ劇から開放され、資金面の優位性をバックに今後は一気に強豪チームになるかと思われたが、今季はここまで4勝8分5敗の勝ち点20で11位と少し苦しんでいる。負け数自体は5とそれほど多くないのだが、引き分けがリーグ最多の8もあり、まだ4勝しかあげることが出来ていないのだ。
なので現在5試合連続勝利がなく(4分1敗)、ホームゲームでは6試合連続未勝利(3分3敗)。
ホームで勝利したのは前回のセレッソ戦の前、第5節の清水戦まで遡る。
この様な状態になっているのは今季の過密日程の影響が大きいのではないかと思われる。
ここまでリーグ戦では17試合を戦ってきている神戸だが、その先発メンバーを見ると10試合以上先発しているグループと先発試合数が5試合前後のグループの2つのグループに分かれる。
10試合以上先発しているのは、山口、酒井高徳、飯倉、サンペール、古橋、西、大崎、ダンクレー、ドウグラス、イニエスタの10人。いわゆる主力組である。(フェルマーレンは怪我での離脱があったため7試合の先発に留まっている)
一方5試合前後の先発なのが、安井、渡部、郷家、菊池、小田、藤谷、初瀬、前川、佐々木ら。
この2つのグループの間には7試合先発している小川、藤本というほとんどの試合でベンチ入りし、普段からスーパーサブ的に起用されている2人はいるが、この5試合前後の先発メンバーは、ベンチ入りもしたりしなかったりというぐらいの選手たちである。
主力組は年齢層が高いこともあり、現在もドウグラスと大崎はおそらく怪我で、イニエスタは前節にようやく復帰。なので彼らはチャンスをもらっている形になっているが主力組とこの5試合前後の選手たちとの間にはどうしても差がある。
過密日程で毎試合ベストメンバーを組むことが難しいという状況の中、7月26日の第7節G大阪戦以降は2点差以上つけられた試合もない様に圧倒される試合はほとんど無いのでなんとかやりくりはしているが、その分引き分けに終わり勝ち点を落とす試合が多いというのが現状だろう。
そしてなにより苦しいのが先制した試合で勝ちきれないところ。
神戸はこれまで8試合に先制しているが、そのまま勝利できたのはわずか3試合のみ。37.5%でしかない。以前も書いたが、サッカーでは平均的に先制したチームの勝率が60%を超える。
先制された8試合の中には逆転勝ちが1つ、同点に追いついた試合が3つとなんとか跳ね返すことが出来ているが、途中交代で入った選手が追加点を決められず後半に追いつかれるという試合が多いのが悩ましいところだろう。
ちなみにセレッソは11試合に先制し勝利が10試合。勝率90.9%である。
実際の戦い方だが、ドウグラスが8月26日の川崎戦以降欠場が続いているので前線の組み合わせは藤本と古橋という形がメインになっている。
またイニエスタも前節交代出場で復帰したが、8月19日の柏戦以降欠場が続いていたこともあり、攻撃の組み立てはショートパスというよりも前線のスピードを活かすことを考えた長いボールを使う形が増えている。
長いボールといってもターゲットに向かって蹴るというより、最終ラインでボールを動かしながら、相手のSBが食いついてきたところの背後に前線の選手を走らせるパスを出すという形。
サンペールやCB陣はもちろんだが、GKの飯倉も最終ラインのボール回しに加わるので、飯倉からボールが出てくることもある。
藤本はあまり組み立てに参加するという選手ではないが、スペースを狙う動きは抜群。古橋も何度も走ることが出来る選手である。彼らの特徴を活かした形とも言えるだろう。
またこの形にすることで中盤のバランスを崩さないのでセカンドボール回収率も高くなっているのが特徴的だ。
■プレビュー
ヴィッセル神戸の予想スタメンだが注目は前節交代出場で復帰したイニエスタの先発復帰なるかというところだろう。もし戻ってくるなら山口とCHで並ぶ形か。連戦が続いているサンペールを休ませることも出来る。
一方のセレッソ大阪の予想スタメンだが、この試合は非常に難しい。
というのも後から入ってきた試合なので、この試合自体も中2日、そして次の試合も中2日でやってくるからだ。
ここまでも2度中2日での試合はあったが、どちらもルヴァンカップの試合。リーグ戦では今季初、そして連続するのも今季初である。
そしてその中2日での試合をみると、ルヴァンカップグループステージ仙台戦、ルヴァンカッププライムステージ準々決勝柏戦、共にある程度のターンオーバーを実施している。
そう考えるとこの試合でターンオーバーを行う可能性は高い。
おそらく前節はそれを踏まえて藤田、柿谷をメンバー外にし、木本も早い時間帯で下げているだろうから、彼らが先発となる可能性は高い。
試合展開としては、やはり神戸がプレッシングを仕掛けてくることが考えられる。
神戸としては引いて守るよりもこの方が安全だからだ。
なのでメンバーが代わるなら藤田を中心にそこをどうかいくぐれるか。左SBで先発するであろう丸橋がキーマンとなる可能性もある。
また攻撃では復帰が予定されているブルーノ・メンデスが3バックの脇のスペースで起点となる動きにも期待したい。神戸の3バックは対人は強いもののスペース管理には難がある。サイドで起点を作り、マイナスのクロスから作ったチャンスをものにできれば、勝利に大きくつながるはずだ。
セレッソにとってはかなり難しい状況での試合となるが、ここを乗り切ることができれば首位の川崎Fに大きなプレッシャーをかけることが出来る。
敵地で勝ちきり、チームの勢いをさらに上向けたい。
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